1970~1979【1970年代の車】

「軽の特徴が生かされるユニークな車を」という考えのもと、「360ccの軽で四輪駆動車を作る」という開発テーマが示唆されました。紆余曲折を経て1970年に発表されたジムニーは、4月の発売と同時にたちまち注目を浴び、軽車種拡大の大きな役割を果たしました。1970年代にはいると、車の排気ガスが社会問題となり、運輸省は排気ガス処理装置の開発促進、安全性の向上のため、1975年に軽四輪車の規格拡大を決定し、翌年1月より実施しました。この規格拡大にともない、新しい軽四輪車が続々と誕生しました。1976年には「フロンテ7-S」・「キャリイワイド」が矢継ぎ早に登場、1977年には「セルボ」を発売しました。

1970年代後半にはいると、多くの家庭が車を持ち、女性ドライバーも急増していきました。主婦用のセカンドカーが注目され、中古車市場では、小型車を含めて45~50万円の価格帯に人気が集まっていました。そこで誕生したのが「アルト」です。1979年に発表されたアルトは、ムダや飾りを一切排除し、47万円という驚異的な価格で発売され、爆発的な売れ行きを見せました。2年後にはアルトのユーザーの2人に1人は女性となり、女性の社会進出を後押ししました。

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1970年

ジムニー(LJ10)

軽自動車初の本格的な四輪駆動車。梯子型フレームに車体を載せ、キャリイのものを基本としたエンジンを搭載。さらに車体中央部に載せたトランスミッションにプロペラシャフトを接続し、前後輪を駆動。足回りは前後とも強靭なリーフスプリング+リジッドアクスル、タイヤは大径ラグタイヤを採用しました。

■主要諸元

  • ●エンジン:空冷2サイクル2気筒
  • ●総排気量:359cc
  • ●最高出力:25ps/6,000rpm
  • ●最大トルク:3.4kg・m/5,000rpm
  • ●車両重量:600kg
  • ●発売当時価格:482,000円

1971年

フロンテ クーペ

時代とともに、軽自動車に対してユーザーの求めるものも変化していく中、スズキはフロンテのラインナップにパーソナルユースの2シータークーペを加えました。デザインは、かのジウジアーロのものをベースに、スズキが社内で完成させたものです。

■主要諸元

  • ●エンジン型式:水冷2サイクル3気筒
  • ●総排気量:356cc
  • ●最高出力:37ps/6,500rpm
  • ●車両重量:480kg
  • ●最大トルク:4.2kg・m/4,500rpm
  • ●発売当時価格:455,000円(GX)

1976年

フロンテ 7-S

1975年、安全対策・公害対策の充実を主目的に、軽自動車の規格改定が告示されました。それに伴い、排気量をアップし、車体寸法を拡大したのが2サイクルエンジンのフロンテ7-Sです。

■主要諸元

  • ●エンジン型式:水冷2サイクル3気筒
  • ●総排気量:443cc
  • ●最高出力:26ps/4,500rpm
  • ●最大トルク:4.7kg・m/3,500rpm
  • ●発売当時価格:655,000円(4ドア・カスタム)

1976年

キャリイ ワイド

1976年に発売された「キャリイ・ワイド」の主な特徴は、室内スペースの拡大により居住性が大幅に向上し、軽トラック・バンでは初めて運転席にスライドシートを採用したことでした。また、屈折式のステアリングシャフトの採用により、足元のスペースを確保したり、センターコンソールボックスや、アンダートレイなどの新設も行いました。エンジンは、定評のある2サイクル・3気筒の高トルクエンジンを搭載し、2段式マフラーの採用などによって静かさも一段と向上しました。

■主要諸元

  • ●エンジン型式:水冷2サイクル3気筒
  • ●総排気量:539cc
  • ●最高出力:26ps/4,500rpm
  • ●発売当時価格:533,000円(スタンダード)

1977年

セルボ

既存のフロンテのメカニカルコンポーネンツをベースに、“スポーティかつお しゃれ”という、新たなテイストをもたせた2ドアタイプのブランニューモデル、それがセルボでした。実質的には従来モデルのフロンテクーペをモデルチェンジさせたものです。セルボは、デビュー当時から若い女性を意識したモデルでした。パーソナルカーとしてのスポーティなフロンテクーペではなく、おしゃれな2ドアクーペのセルボが女性をターゲットに取り込んだという構図が、時代を端的に表していると言えるかもしれません。

■主要諸元

  • ●エンジン型式:水冷・2サイクル・3気筒
  • ●総排気量:539cc
  • ●最高出力:28ps/5,000rpm
  • ●車両重量:550kg
  • ●発売当時価格:698,000円(CXG)

1979年

アルト

機能優先、シンプルなスタイル、そして47万円という低価格。クルマを所有することが当たり前の時代において、このアルトによって「実用」という明確な目的を持った軽自動車が誕生したといえるでしょう。ワングレードのみの設定もそれを象徴しています。駆動方式はFF方式を採用。エンジンは排気量539cc、2サイクル・3気筒ユニットを搭載していました。

■主要諸元

  • ●エンジン型式:水冷2サイクル3気筒
  • ●総排気量:539cc
  • ●最高出力:28ps/5,500rpm
  • ●最大トルク:5.3kg・m/3,000rpm
  • ●車両重量:545kg
  • ●発売当時価格:470,000円