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コーポレートガバナンス・コンプライアンス

ガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

スズキは、公正かつ効率的な企業活動を通じて、株主様、お客様、お取引先様、地域社会、従業員等の各ステークホルダーから信頼され、かつ国際社会の中でさらなる貢献をして、持続的に発展していく企業であり続けたいと考えています。その実現のためにはコーポレートガバナンスの継続的な向上が不可欠であると認識し、経営の最重要課題の一つとしてさまざまな施策に積極的に取り組んでいます。
スズキは、コーポレートガバナンス・コードの各原則の趣旨を踏まえ、今後も、株主様の権利・平等性の確保、取締役会及び監査役会の実効性の確保、内部統制システムの充実等に継続して努めていきます。
また、ステークホルダーや社会から一層のご信頼をいただけるよう、法令や規則が定める情報の迅速、正確かつ公平な開示を行うほか、スズキに対するご理解を深めていただくために有益と判断する情報の積極的な開示にも努め、企業の透明性をさらに高めていきます。

コーポレートガバナンスに関する報告書
https://www.suzuki.co.jp/ir/library/governance/pdf/report.pdf

コーポレートガバナンス体制の概要

スズキは、監査役制度を基礎として、独立性の高い社外取締役を選任すること、取締役候補者の選任や報酬等に関する任意の委員会を設置することなどにより、ガバナンス体制の向上を図ることができると考え、現状の体制を採用しています。

■コーポレートガバナンス体制

コーポレートガバナンスの状況

〜2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
2018年度
2019年度
2020年度
2021年度
2022年度
2023年度〜
会長
社長
鈴木修
会⻑・社⻑兼任
(2008年12月~
2015年6月)
鈴木修
(2015年6月~2021年6月)
 
鈴木俊宏
(2015年6月~)



任期
2002年以降 取締役任期1年
監督・執行
2006年4月 執行役員制度導入
構成
(社外取締役/
取締役)
2名/9名
22.2%
2名/8名
25.0%
2名/
7名
28.6%
3名/9名
33.3%
2名/
8名
25.0%
3名/
8名
37.5%
支援体制等
 
秘書部(2021年8月まではコーポレートガバナンス部)・監査役会事務局
員数
30名以内(1989年~2017年6月)
15名以内15名以内(2017年6月~)
委員会等
 
人事・報酬等委員会(2021年6月までは人事・報酬等諮問委員会)
 
コーポレートガバナンス委員会
環境委員会
 
カーボン
ニュートラル
推進会議

企業理念
社是
(1962年3月制定)
(2023年4月
改定)
行動指針
スズキ行動憲章・
スズキ従業員行動憲章
(2003年~2016年4月)
スズキグループ行動指針
(2020年2月にコンプライアンス・ハンドブックを配布)

取締役会

スズキは、取締役会における意思決定のスピードアップ、機動的な業務執行、責任体制の明確化を図るために2006年に執行役員制度を導入し、取締役会の構成のスリム化を進めてきました。現在の取締役は8名で、うち3名は、経営監督機能を強化するとともに、それぞれの経験や知見と多様な視点から当社の経営に対して有益な助言・指摘などをいただくために社外取締役を選任しています。
取締役会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催しており、経営に関する基本方針、重要な業務執行に関する事項、株主総会から取締役会に授権された事項その他法令や定款に定める事項について、法令遵守・企業倫理の観点も含めた十分な議論のうえで意思決定を行うとともに、重要な業務執行に関する報告を適宜受けることにより、監督の強化を図っています。
なお、取締役の経営責任を明確にし、かつ経営環境の変化に柔軟に対応できるよう、取締役の任期は1年としています。

■2022年度に開催された取締役会における決議事項と報告事項の割合

取締役会の実効性評価

取締役会のさらなる実効性向上のために分析・評価を実施しました。その概要は以下のとおりです。

1 評価の方法

  • 2021年度に続き、2022年度もスズキの競争力を向上するための取締役会の課題に着目しました。
  • 2023年3月から4月にかけて、取締役については個別に、監査役については集合形式でインタビューを実施し、その後の経営会議での議論も踏まえて、取締役会において今後の取り組みを確認しました。

2 2021年度の結果の概要と取り組み

a.結果の概要

  • ① 会社の方向性を議論する議題設定をより強化すべき
  • ② 説明資料は意思決定のためのポイントをより明確に記載すべき
  • ③ 業務執行の進捗状況の報告をより増やすべき
  • ④ 資料説明を短縮・効率化し、審議に充てる時間をより増やすべき
  • ⑤ 取締役会出席メンバーで緩やかな議論や意見交換ができる場を設けると良い

b.取り組み

  • ①③:予定議題を予め設定し、取締役会に順次付議しました。
  • ②④:社内各部門が取締役会への付議事項を理解しやすいように取締役会規則を改訂するとともに、付議にあたっての留意事項を作成・案内しました。
  • ⑤ :取締役会議長の提案で、取締役会後に自由な意見交換の場を設けています。

3 2022年度の結果の概要と取り組み

a.結果の概要

社外取締役から、次のような評価がありました。

  • 説明自体に不満はなく、審議時間も妥当。
  • 取締役会議長が率直に意見を言えるように配慮してくれていることや、取締役会に臨むにあたり、他の会議体での議論も見られるようになっていることはありがたい。
  • 取締役会全体としては良い。

一方で、社外取締役を含めた指摘から、次の3つを2023年度の重点課題として特定しました。

  • ① 審議・決議・報告すべきテーマの選定
  • ② 取締役会への付議に向けた日程管理と事前準備
  • ③ 資料の事前配布のタイミング・資料の書き方・説明の仕方

b.取り組み

2030年度に向けた成長戦略の達成に向けた適切な議題設定、取締役会への付議の事前準備を含むより細かなスケジュール管理、説明資料の充実と効率的な説明など、さらなる改善を進めていきます。

監査役会

監査役会は、常勤監査役として豊田泰輔及び笠井公人、社外監査役として田中範雄、長野哲久及び福田充宏の5名で構成されています。
なお、常勤監査役 豊田泰輔は財務部門及び監査部門における豊富な業務経験から、また、社外監査役 田中範雄は公認会計士としての豊富な経験から、両氏は財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。常勤監査役 笠井公人は技術・品質・環境等の分野に関し、社外監査役 長野哲久は弁護士として法律に関し、社外監査役 福田充宏は技術・人材育成等の分野に関して、相当程度の知見を有しています。
また、取締役等の指揮命令系統から独立した専任のスタッフ部門である監査役会事務局を設置し、監査役の職務を補助する体制としており、その人数は4名で財務、監査、海外駐在、技術部門等の経験・知見があります。
監査役監査の手続については、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、株主総会後に策定する監査方針及び職務の分担等に従い、取締役会のほか、経営会議等の重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、取締役及び使用人等からの業務の状況についての報告・聴取等により、会社の適正な経営の遂行について監査を行い、監査役として意見を伝えています。また、内部監査部門である監査本部が立案した監査計画や監査テーマ及び監査本部で行った業務監査の結果について内容を確認し議論しています。
監査役会における主な検討事項、決議事項及び報告事項は、以下のとおりです。

<主な検討事項>

  • 監査の方針及び監査計画
  • 取締役会に付議される案件
  • 内部統制システムの整備及び運用の状況
  • 会計監査人の監査の方法及び結果の相当性

<主な決議事項>

  • 監査の方針、監査計画及び職務の分担
  • 監査役選任議案の同意
  • 会計監査人の評価及び選解任
  • 会計監査人の監査報酬の同意
  • 監査報告書の作成

<主な報告事項>

  • 各監査役からの監査状況及び所見
  • 四半期決算等会計監査、事業報告及び計算書類等に係る監査状況
  • 会計監査人からの監査計画、四半期レビューの結果報告、年度監査の実施状況、及び監査の品質管理に対する取り組み
  • 会計監査人との「監査上の主要な検討事項(KAM)」についての協議
  • 内部監査部門である監査本部からの本社、主要な事業所及び子会社に対し実施した監査状況
  • 財務本部からの決算状況

監査役は、監査役会で決議された監査方針、監査計画及び職務分担に基づき、情報の共有に努めるとともに、監査役会での活動のほかに主に以下の活動を行っています。

  • 取締役、内部監査部門その他の使用人等との意思疎通
  • 取締役会のほか、経営会議等の重要な会議への出席
  • 人事・報酬等委員会、コーポレートガバナンス委員会、月次報告会、商品計画会議、品質対策委員会、環境委員会等への出席
  • 重要な決裁書類等の閲覧
  • 本社及び主要な事業所における業務及び財産の状況の調査
  • 子会社等の取締役及び監査役等との意思疎通及び情報交換、並びに必要に応じた子会社からの事業報告の確認
  • 会計監査人の会計監査への立ち会い
  • 代表取締役、社外取締役との意見交換

なお、事業年度終了後、監査役会の実効性の評価及び課題の洗い出しを行い、翌事業年度の監査役会の実効性向上を図っています。

社外役員の独立性

スズキが社外取締役及び社外監査役候補者を選定する際は、東京証券取引所が定める独立性に関する判断基準を踏まえて定めたスズキの「社外役員の独立性基準」に基づいて独立性を判断しています。スズキは、選任しているすべての社外取締役及び社外監査役を独立役員として東京証券取引所に届け出ています。

<社外役員の独立性基準>

当社は、社外取締役及び社外監査役については、以下に該当しない場合に独立性を有する者と判断する。

1.当社及び当社の子会社(以下、当社グループといいます。)の関係者

  • (1)社外取締役については、現在又は過去において、当社グループの業務執行者(注1)である者、又はあった者
  • (2)社外監査役については、現在又は過去において、当社グループの取締役、執行役員又は使用人である者、又はあった者
  • (3)当社グループの現在の取締役又は執行役員の配偶者又は二親等内の親族

2.取引先、大株主等の関係者

  • (1)次のいずれかの業務執行者である者
    • ① 当社グループを主要な取引先とする企業(注2)
    • ② 当社グループの主要な取引先(注3)
    • ③ 当社の総議決権の10%以上の議決権を保有する大株主
    • ④ 当社グループが総議決権の10%以上の議決権を保有する企業
  • (2)現在又は過去5年間に、当社グループの会計監査人の代表社員又は社員である者、又はあった者
  • (3)当社グループから役員報酬以外に多額の報酬を受けている者(注4)
  • (4)当社グループから多額の寄付を受けている者(注5)
  • (5)上記(1)から(4)に該当する者の配偶者又は二親等内の親族
  • (注1)業務執行者:
    業務執行取締役、執行役、執行役員又は使用人
  • (注2)当社グループを主要な取引先とする企業:
    過去3年のいずれかの事業年度において、取引先グループの直前事業年度の連結売上高の2%以上の支払いを当社グループから受けている取引先グループに属する企業
  • (注3)当社グループの主要な取引先:
    過去3年のいずれかの事業年度において、当社グループの直前事業年度の連結売上高の2%以上の支払いや連結総資産の2%以上の融資を当社グループに行っている取引先グループに属する企業
  • (注4)多額の報酬を受けている者:
    過去3年のいずれかの事業年度において、
    • ・個人として、役員報酬以外に年1,000万円以上の報酬を受けているコンサルタント、法律、会計等の専門家
    • ・年間総収入の2%以上の報酬を受けている団体に所属するコンサルタント、法律、会計等の専門家
  • (注5)多額の寄付を受けている者:
    過去3年のいずれかの事業年度において、
    • ・個人として年1,000万円以上の寄付を受けている者
    • ・年間総収入の2%以上の寄付を受けている団体に所属し、寄付の目的となる活動を運営する者

取締役及び監査役に対するトレーニング

スズキでは、取締役及び監査役がそれぞれの役割・責務等に関する理解を深めるための研修を実施します。この研修には、原則として取締役及び監査役が同時に参加して、互いの役割・責務等について共有を図る機会とします。
新任の社外取締役及び社外監査役に対しては、就任時に、当社の経営理念、事業内容、財務、組織等に関する説明を行います。また、社内の役職員との面談、経営・業務執行に関する各種会議や工場視察への出席などにより、当社についての理解を深める機会を設けます。

人事・報酬等委員会

取締役及び監査役候補者の選任や取締役の報酬の決定における透明性及び客観性の向上を目的に、任意の委員会として、委員の過半数を社外取締役とする人事・報酬等委員会を設置しています。
人事・報酬等委員会では、取締役及び監査役候補者の選任基準、候補者の適正性、及び取締役の報酬体系・報酬水準の妥当性等を審議し、取締役会は、その結果を踏まえて決定することとしています。また、一部の事項は取締役会から人事・報酬等委員会に決定を委任します。
なお、上級の執行役員の選任や執行役員の報酬体系につきましても、人事・報酬等委員会の審議の結果を踏まえて取締役会で決定しています。
2022年度における主な検討内容は次のとおりです。

  • 2022年度の取締役の個人別の報酬等の決定方針の妥当性
  • 2022年度の取締役の基本報酬の個人別の具体的な内容の決定(取締役会から人事・報酬等委員会へ決定を委任)
  • 2022年度の執行役員の報酬の決定方針・手続の妥当性
  • 2023年以降の定時株主総会に上程する取締役又は監査役候補者の選定方針・候補者案の妥当性
  • 副社長人事案の妥当性

■取締役会、監査役会及び人事・報酬等委員会の構成(2023年6月23日付)と2022年度の出席状況

◎:議長又は委員長、○:出席メンバー、△:オブザーバー

地位 氏名 取締役会 監査役会 人事・報酬等委員会
代表取締役社長
男性
鈴木 俊宏 ◎(15回/15回)   ◎(7回/7回)
代表取締役社長
男性
石井 直己 ○(ー)   ○(ー) 注1
取締役専務役員
男性
長尾 正彦 ○(15回/15回)    
取締役専務役員
男性
鈴木 敏明 ○(15回/15回)    
取締役専務役員
男性
齊藤 欽司 ○(15回/15回)    
取締役
独立役員男性
堂道 秀明 ○(15回/15回)   ○(7回/7回)
取締役
独立役員男性
江草 俊 ○(12回/12回)   ○(6回/6回) 注2
取締役
独立役員女性
高橋 尚子 ○(ー)   ○(ー) 注1
常勤監査役
男性
豊田 泰輔 ○(15回/15回) ◎(13回/13回)  
常勤監査役
男性
笠井 公人 ○(15回/15回) ○(13回/13回)  
監査役
独立役員男性
田中 範雄 ○(15回/15回) ○(13回/13回) △(7回/7回) 注3
監査役
独立役員男性
長野 哲久 ○(15回/15回) ○(13回/13回) △(7回/7回)
監査役
独立役員男性
福田 充宏 ○(12回/12回) ○(10回/10回) △(6回/6回) 注4
(注)
  • 1 石井直己及び高橋尚子は2023年6月23日付で取締役に就任しました。
  • 2 江草俊は、2022年6月29日付で取締役に就任しました。
  • 3 田中範雄は、人事・報酬等委員会の全7回のうち、委員として2回、オブザーバーとして5回出席しました。
  • 4 福田充宏は、2022年6月29日付で監査役に就任しました。

■取締役及び監査役の有する経験・専門性・知識

※1 ◎:社長経験、○:業務執行経験
※2 ◎:インド・新興国での経験

地位 氏名 企業経営(※1) 技術/研究
開発/調達/
製造/品質
営業/
マーケティ
ング
財務/会計 法務/
リスクマネ
ジメント
ESG/
サステナビ
リティ
人材開発/
労務/
人事
海外事業/
国際経験
(※2)
IT・
デジタル
代表取締役社長 鈴木 俊宏        
代表取締役副社長 石井 直己      
取締役専務役員 長尾 正彦            
取締役専務役員 鈴木 敏明              
取締役専務役員 齊藤 欽司            
取締役 堂道 秀明        
取締役 江草 俊            
取締役 高橋 尚子              
常勤監査役 豊田 泰輔            
常勤監査役 笠井 公人            
監査役 田中 範雄              
監査役 長野 哲久                
監査役 福田 充宏              
(ご参考)複数の領域を管掌する取締役を兼務しない執行役員が有する経験・専門性・知識
副社長 鮎川 堅一          
専務役員 加藤 勝弘            
常務役員 鳥居 重利          

経営会議その他の経営・業務執行に関する会議

経営上の重要課題・対策を迅速に審議、決定するために、業務執行取締役、執行役員及び本部長等並びに監査役が出席する経営会議や経営・業務執行に関する情報を報告・共有する会議を定期的かつ必要に応じて随時開催しています。
また、業務計画等の審議や月次の業況報告等を行う各種会議を定期的かつ必要に応じて随時開催し、的確な計画の立案、早期の課題抽出、業務執行状況の把握ができるようにしています。
これらにより、取締役会における意思決定や業務執行の監督の効率性を高めています。

コーポレートガバナンス委員会

スズキグループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のため、コンプライアンスの徹底やリスク管理等に関する事項を検討し、対策や施策の実行を推進するコーポレートガバナンス委員会を設置しています。また、同委員会は、金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づく財務報告に係る内部統制の有効性評価結果の検証を行っています。
なお、2023年3月の取締役会決議を経て、2023年4月より、社長を委員長、副社長並びに専務役員及び常務役員の一部を副委員長、その他の執行役員及び本部長を委員、オブザーバーとして常勤監査役が出席する体制に改め、コンプライアンスを含むリスク管理全般を統括する運用を開始しています。

内部監査

社長直轄の組織として監査本部を設置し、会社業務の各分野に精通した人員を中心とするスタッフが監査計画に基づいて、定期的に当社各部門並びに国内・海外の関係会社の業務監査を実施しています。
業務監査においては、業務全般の適正性や効率性、法令及び社内ルールの遵守状況、資産の管理・保全状況等の内部統制の整備・運用状況を現場及びリモートによる監査や書面調査などで確認しています。業務監査の結果は、監査の都度、指摘事項の改善案とともに社長、関係部門責任者及び常勤監査役に報告し、定期的に監査役会で監査結果報告及び意見交換を行い、かつ半期に一度、取締役会で報告しています。改善については、完了するまで助言・指導を行い、問題点の早期是正に努めています。
また、金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づく財務報告に係る内部統制の有効性評価についてはコーポレートガバナンス委員会のもと実施し、その結果をコーポレートガバナンス委員会から取締役会、監査役会へ報告しています。
なお、内部監査部門を有する子会社に対しては、それら内部監査部門の活動状況を確認するとともに、監査計画や監査結果の報告を受け、必要に応じて助言・指導を行っています。
会計監査人とも相互に監査結果を随時共有し、定期的に意見交換会を実施することで情報共有、意思の疎通を図り、緊密な連携を維持しています。

取締役及び監査役の報酬に関する方針

a.取締役の報酬等

取締役の個人別の報酬の決定方針(以下、決定方針といいます。)は、委員の過半数を社外取締役とする人事・報酬等委員会に決定方針案の妥当性を諮問し、その答申を踏まえて取締役会の決議で定めています。本レポート発行時点の決定方針の概要は次のとおりです。
取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能するよう、基本報酬、各事業年度の業績に連動する賞与及び中長期的な株価に連動する譲渡制限付株式報酬で構成し、その割合は、概ね基本報酬40%、賞与30%、譲渡制限付株式報酬30%を目安としています。なお、社外取締役の報酬は、その職務に鑑みて基本報酬のみとします。
取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、職務・職責、他社水準及び従業員給与の水準等を考慮して決定し、支給します。賞与は、連結営業利益に連動する役位別の計算式に基づいて算定し、毎年、一定の時期に支給します。また、譲渡制限付株式報酬は、役位別の基準に基づいて内容を決定し、毎年、一定の時期に交付します。
2022年度の報酬の決定方針は、2022年6月15日開催の人事・報酬等委員会への諮問を経て、同日開催の取締役会の決議で定めました。
2022年度の基本報酬の個人別の具体的な内容の決定は、2022年6月15日開催の取締役会の決議に基づいて人事・報酬等委員会に委任しました。かかる委任をした理由は、報酬決定のプロセスの透明性を高めるためです。また、2022年度の賞与については同日開催の取締役会において役位別の具体的な算定方法を決議し、譲渡制限付株式報酬については、事前に取締役会において概要を説明のうえ、会社法第370条の規定に基づくいわゆる取締役会の書面決議により、2022年7月12日付で個人別の具体的な支給の内容を決議しました。以上により、取締役会は、2022年度の取締役の個人別の報酬の内容が決定方針に沿うものであると判断しています。

■取締役(社外取締役を除く。)の報酬の割合の目安

賞与(業績連動報酬)に係る指標、額の決定方法

各事業年度の業績向上に対する意識を高め、企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能することを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して支給しているものです。個人別の具体的な支給額は、取締役会であらかじめ定める業績指標に、取締役会であらかじめ定める一定割合及び役位別乗率を乗じることによって算定します。業績指標は会社の収益性の観点から連結営業利益としています。

譲渡制限付株式報酬の内容

企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能すること、また、株主の皆様とのさらなる価値共有を進めることを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して交付しているものです。交付対象の取締役は、取締役会決議に基づいて支給される報酬(金銭報酬債権)の全部を現物出資財産として払い込むことにより、当社の普通株式の交付を受けます。なお、譲渡制限期間は取締役の地位を退任する日までの間であり、取締役会が正当と認める理由以外での退任等、一定の事由に該当した場合は、交付した株式を当社が無償で取得します。

b.監査役の報酬等

監査役の報酬は、月例の固定報酬のみとし、監査役の協議により決定して支給します。

■2022年度の取締役及び監査役の報酬

役員区分 報酬の総額
(百万円)
報酬の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数
(名)
固定報酬 賞与 譲渡制限付株式報酬
取締役
(社外取締役を除く。)
506 204 196 105 6
社外取締役 30 30 5
536 234 196 105 11
監査役
(社外監査役を除く。)
57 57 2
社外監査役 36 36 4
93 93 6
(注)
  • 1 上記の取締役(社外取締役を除く。)の賞与及び譲渡制限付株式報酬は、2022年度に費用計上した額です。
  • 2 上記の社外取締役の報酬は、2022年6月29日開催の第156回定時株主総会の終結の時をもって退任した2名及び2022年9月21日をもって辞任により退任した1名に対する支給額を含んでいます。
  • 3 上記の社外監査役の報酬は、2022年6月29日開催の第156回定時株主総会の終結の時をもって辞任により退任した1名に対する支給額を含んでいます。

株主等とのミーティングの状況

スズキは、中長期的な視点での株主と建設的な対話により株主の関心や懸念を把握することが、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると考え、株主との対話の促進に努めています。

■2022年度実績

実施回数 報会社数 人数
全体 うち、ESGミーティング
363回 22回 891社 1,185人

(主な対話のテーマ)

スズキが主力とする四輪インド市場に関するものが多く、ほかにも四輪日本市場、電動化戦略、財務数値、株主還元等、幅広く意見交換を行いました。

(ESGミーティングにおける主な対話のテーマ)

カーボンニュートラルへの施策、成長戦略、人権、女性活躍、コーポレートガバナンスなど幅広く意見交換を行いました。

■取締役の出席

■ミーティングの形式

■海外機関投資家の比率

対話の内容等は、経営陣・取締役会にフィードバックをしています。

政策保有株式の状況

スズキは政策保有株式の保有の適否を、毎年、取締役会で検証し、保有に伴う便益やリスク等について、取引の性質や規模等に加え、企業価値向上等の定性面や、資本コストとの比較等の定量面の判断基準を設けて総合的に判断し、売却対象とした銘柄は縮減を進めています。
なお、2023年3月末時点で保有している上場株式60銘柄のうち、5銘柄を売却対象とすることを決定し、売却を進めています。

■政策保有株式の銘柄数の推移

2022年度の非上場株式の4銘柄増加は、次世代モビリティの技術開発に関わるスタートアップへの出資、脱炭素に資する事業に関わる出資によるものです。

コンプライアンス

基本的な考え方

スズキグループが持続的に成長・発展するためには、社会から信頼され、その活動が支持され理解を得られなければならず、そのためには、法令や社内規程を守るだけでなく、社会規範も遵守し、高い倫理観に基づいて活動することが不可欠と認識しています。
スズキでは、創業以来受け継がれてきた伝統や精神を母体として、1962年にスズキグループ全体で価値観を共有することを目的に、スズキが「どのような会社でありたいか」という企業理念を表した「社是」を制定しました(詳細は「企業理念」をご参照ください)。
また2016年には、社是の精神に則り、スズキグループで働く人々が健全かつ効率的、精力的に職務に専念することを可能にするためのルールとして「スズキグループ行動指針」(以下、「行動指針」)を策定しています。この行動指針は、スズキグループの全従業員が常に携行できるよう冊子化し、日本語版の他に、国内の外国人従業員向けに英語版・ポルトガル語版を作成して配布しています。また、海外の子会社においても、それぞれの母国語で書かれたものが従業員に配布されています。
さらに2020年には、行動指針に基づいて、コンプライアンスの視点からスズキグループで働く人々が実践しなければならないことや、やってはいけないことを具体的にまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」を発行して国内の全従業員に配布しています。こちらも日本語版の他、英語版・ポルトガル語版を作成して、日々の業務において随時確認・振り返りができるようにしています。

コンプライアンス体制

コーポレートガバナンス委員会

スズキでは、取締役会の下にコーポレートガバナンス委員会を設置しています。同委員会は、コンプライアンスの徹底やリスク管理等に関する事項を検討し、関係部門と連携しながら組織横断的な課題への対策や施策を推進しています。また、金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づく財務報告にかかる内部統制の有効性評価結果の検証を行っています。
なお、同委員会は、2023年3月の取締役会決議を経て、2023年4月より社長を委員長、副社長、専務役員及び常務役員の一部を副委員長、その他の執行役員及び本部長を委員とし、オブザーバーとして常勤監査役が出席する体制に改め、コンプライアンスを含むリスク管理全般を統括する運用を開始しています。
従業員のコンプライアンス意識の啓発や個別の法令遵守のための注意喚起を全社に向けて行うとともに、コンプライアンス事案が生じた場合は、都度これを審議して必要な措置を講じ、その内容は適宜取締役及び監査役に報告しています。

内部通報制度(スズキグループ・リスクマネジメント・ホットライン)

スズキは、コンプライアンス違反の未然防止や早期是正を図るために、内部通報制度に基づく通報窓口(スズキグループ・リスクマネジメント・ホットライン。社内窓口2つ、社外窓口(法律事務所)ひとつ。)を設け、国内海外問わずスズキグループの全役員・従業員(派遣社員、期間社員等の他、退職者も含む)や、取引先等社外の関係者からの通報を受け付けています。通報窓口では、通報者の匿名性確保や通報内容の秘密保持など、通報者の保護に関するルールを設け、利用者が不利益な取り扱いを受けることなく法令違反等やその可能性を通報できる体制を整えています。
また、内部通報制度の認知や利用に関するアンケートを実施して、従業員の声を改善につなげる取り組みも行っています。
過去5年間(2018〜2022年度)の内部通報実績は以下の通りです。

■内部通報件数の推移

※コンプライアンス関係のみを集計

コンプライアンスに関する教育

スズキグループ社内ではコンプライアンスに係る教育・研修を実施しています。主に階層別の集合教育の中で、計画的・継続的な学習の機会を提供しています。

■2022年度実績

対象 スズキ株式会社 スズキグループ
国内代理店・販売関係
会社等
受講者数 1,063名 2,517名
対象研修
  • 新入社員研修
  • 新任役職者研修(係長/組長/班長/管理職/部長格)
  • 新入社員研修
  • 入社2年目/5年目研修
  • 新任拠点長研修
  • 新任役職者研修(係長/課長)
主なテーマ 労務管理、安全衛生管理、防火管理、内部通報、ハラスメント、知的財産(著作権など)、下請法、安全輸出管理 他

コンプライアンスに関する取り組み

完成検査等の不適切事案に関する再発防止策の実施状況

2016年の燃費・排出ガス試験問題及び2018年の完成検査問題を風化させないための毎年の取り組みである「リメンバー5.18活動」を、社長をはじめ役員及び従業員全員が参加する形で実施しており、コンプライアンス意識とコミュニケーションの向上により不正が起きない職場風土の醸成に努めています。
2023年度は、総点検として「業務と法令の関連」について全社で棚卸活動を実施(4月20日から5月10日まで)し、8,986件の事例について検証しました。これまでの取り組みに形骸化の兆候が見られたことから、PDCAサイクルを回していくことに重点を置き、事例の分析から見えた傾向を踏まえ法令遵守のための行動四カ条(①法令を理解する、②法令をもとに自分の業務に落とし込み、行動する、③不具合が発生した場合は、他部門と共有する、④他人任せにせず、自分事として行動する)を定め、全従業員に日々の業務での実践を要請しています。
また、スズキ株式会社のすべての本部・工場・拠点に社長が直接訪問し、法令遵守や新たな業務の取り組みについて従業員と意見を交わす職場対話を継続しています。2022年度はスズキ株式会社の国内41ヵ所の事務所、拠点を訪問しました。

リメンバー5.18活動の様子(2023年5月18日実施)

日本国内販売代理店

販売代理店では「お客様から信頼いただけるスタッフ」を育成するため、業種及びキャリアに応じた教育システムを策定して社員を教育しています。また、人材が活躍する組織づくりやリスク管理のため、ハラスメントやSDGsについても学ぶ機会を設け、受講させています。

SDGs研修
株式会社スズキ自販徳島

ハラスメント研修
株式会社スズキ自販沖縄

リスク管理

リスク管理体制

取締役会の下に、コーポレートガバナンス委員会を設置しています。同委員会はコンプライアンスの徹底やリスク管理に関する施策を展開し、また関係部門との連携により組織横断的な課題への取り組みを推進しています。
各部門で発生または認識した問題は、緊急性や重要度に応じて、コーポレートガバナンス委員会その他の会議体で速やかに審議し、解決につなげています。製品の品質、認証、完成検査等に関する問題、半導体をはじめとした部品・原材料不足の問題や、気候変動・低炭素社会への移行等に関する新たな課題などによる事業への影響を、迅速に把握して必要な経営判断を下すべく、各本部より懸念される影響と対策を週次で確認しています。特に重要な課題については取締役会にて審議・報告しています。

品質問題への対応

品質問題への対応の長期化によりお客様に多大なご迷惑をお掛けし対策費用も増大する事態を回避するため、迅速な原因究明と対策を行う体制の強化に取り組んでおり、週次及び月次の経営会議等で品質問題の最新状況を常に把握しています。なお、リコール等の市場措置については、関係する役員、本部長、部長等で構成する品質対策委員会で審議のうえ決定しています。

税務方針の制定

税務コンプライアンスを徹底し、適正な納税を行うための基本方針として、2022年12月に「スズキグループ税務方針」を制定しました。

スズキグループ税務方針

スズキグループは、お客様の立場になって価値ある製品・サービスをお届けすることを社是の第一として事業を行うとともに、納税の重要性を理解し、納税を通じた利益の社会への還元によって納税者としての義務を果たし、社会に貢献することに努めます。

(法令遵守)

各国の税法、OECD移転価格ガイドライン、BEPS行動計画、租税条約等、税金に関わるあらゆる法令秩序を遵守するとともに、不当な租税回避的行為を行いません。

(ガバナンス)

スズキグループは、税務リスクに対する適切な管理、報告体制を構築しています。特に緊急性や重要性の高い税務リスクについては、経営陣が必要に応じて各会議体での審議を含めて解決に努めます。また、定期的な社内教育を通じて、社員一人一人の税務コンプライアンスに関する理解と認識を深めていきます。

(税務当局との関係)

税務当局とは、あらゆる機会を通じて信頼関係の醸成に努めます。また、相互の理解に齟齬がある場合には、速やかにコミュニケーションを図るとともに、税務調査に誠実に対応し、透明性の高い納税に努めます。

(二重課税の防止)

移転価格課税など、国際課税における二重課税のリスクを十分理解し、独立企業間原則に従ったルーリングに基づいて国際取引を行います。また、二重課税が生じた場合には、専門家への相談、各国税務当局との協議、各種救済措置の実施を通じて、二重課税の排除に努めます。

腐敗防止の取り組み

スズキグループは、独占禁止法等の競争関係法令、その他公正な商取引に関する法令、社会規範が国や地域によって異なる可能性があることを認識しつつ、それらを把握した上で、スズキグループの社員がそれぞれの国や地域の法令、社会規範を遵守するよう教育を徹底します。贈収賄などあらゆる腐敗の防止に取り組みます。

贈収賄防止の取り組み

スズキは、スズキグループ行動指針の中で公務員への贈賄を禁止し、さらにコンプライアンス・ハンドブックにおいて具体的なNG行為(例:ファシリテーションペイメント、企業活動に影響力のある公務員などの接待等)を例示するなどしてその防止に努めています。
また、すべてのお取引先様と公正で節度ある関係を構築・維持するため、お取引先様から受ける接待に関する社内規程を制定し、全役員・従業員にルールの遵守を要請しています。

反競争的行為防止の取り組み

スズキは、スズキグループ行動指針の中で競争法令等の遵守を謳い、その教育を徹底しています。
また、コンプライアンス・ハンドブックにおいて具体的なNG行為を分かりやすく例示するなどして従業員の理解の底上げを図っています。

サプライチェーンにおける法令遵守・人権尊重・環境の取り組み

スズキでは事業活動のグローバル展開に伴い、お取引先様をはじめとするステークホルダーの多国籍化・多様化が進んでおり、各国の法令・社会規範に従うことはもとより、文化や歴史に配慮して社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)を果たすことへの期待が高まっています。
かかる社会的要請を踏まえて、ビジネスパートナーであるお取引先様とともに果たすべき社会的責任の基本的な考え方、実践すべき事柄を「スズキお取引先様CSRガイドライン」としてまとめ、スズキとサプライヤーが一体となったCSR活動を推進しています。
また、当社では2022年12月に「スズキグループの人権尊重についての基本方針」を新たに定めました。「人権の尊重」はすべての企業活動の基本であると考え、スズキグループの各社にその周知徹底を図っています。さらに、お取引先様や販売店を含む事業に関連するすべてのビジネスパートナーの皆様にも、当方針にご理解をいただき、人権尊重の取り組みを期待するとともに、積極的な働きかけを行い、協力して取り組みを進めていきます。
→スズキグループの人権尊重についての基本方針

事業継続計画(BCP)

自然災害への対策の一環として、南海トラフ巨大地震を想定した事業継続計画(BCP)を策定して、これに基づき必要な手元資金、借入枠の確保をしています。

スズキの災害対策

スズキは、南海トラフ巨大地震など自然災害の発生に備えて、「従業員の命を守ること」「お客様のために早く事業を復旧すること」を最優先に考え、被害の影響を最小限に抑えるべく、建物・設備等の耐震対策、防火対策、災害対策組織の設置を含む行動マニュアル・事業継続計画(BCP:BusinessContinuity Plan)の策定、地震保険への加入等、さまざまな対策を講じています。

災害対策

当社グループは、従来より南海トラフ巨大地震を想定したさまざまな予防策を講じてきましたが、東日本大震災の発生を受け、津波被害が想定される静岡県磐田市竜洋地区拠点の浜松市北部の都田地区への移転、相良工場に集中していた軽自動車用エンジン生産の湖西工場への分散、四輪車開発拠点である相良コースのリスク分散も兼ねたインドの研究施設の拡充など、海外も含めた生産・研究拠点分散を実施しています。また、災害発生時に設置される災害対策本部の機能を向上させるため、本社では専門のコンサルティング会社の協力を得て、役員や本部各係員が参加しての訓練を定期的に実施しています。これらの活動を通じて、引き続き災害に対する対応能力を高めていきます。

地震や津波に対する地域住民への取り組み

スズキは、施設の一部を地域住民の方々の津波避難場所として登録し、年1回避難場所の見学会を開催しています。また地震が起きた時は、本社屋上に監視員を配置し、津波の発生状況を確認し、津波を発見した場合にサイレンを鳴動して従業員や周辺の住民の方々に知らせる仕組みを作っており、本社屋上に手動と電動のサイレンを設置し、電動サイレンは停電時に備え、専用の発電機でも起動できるようになっています。

津波避難場所見学会

地震や津波に対する従業員への取り組み

本社及び各工場、製造関係会社では、従業員の命を守ることを目的に、緊急地震速報を導入し、緊急地震速報が鳴ったら自分の身の安全を守り、津波の危険がある事業所では浸水被害の想定がない場所に安全に避難できるよう全従業員参加の地震・津波避難訓練を繰り返し実施しています。災害発生時の緊急連絡手段として、各工場や全国の代理店に衛星電話や無線機等の通信機器を設置し、速やかに従業員の安否確認を行える体制をとっており、毎月定期的に通信訓練を行い、非常時に備えています

津波避難訓練の様子

また、勤務時間外の従業員の安否確認方法として地震・津波災害発生時の「安否情報システム」を導入しています。震度5弱以上の地震が発生した際、従業員・家族の安否が確認できるよう、各自が登録したメールアドレスに、“安否を問い合わせるメール”が自動送信され、メールを受け取った従業員は、自らの安否を送信し、役職者が安否を把握できるシステムとなっており、震災時に迅速な安否確認ができるように、年2回訓練を実施しています。
さらに、各家庭で地震や水害に備えてもらうため、全従業員に「ご家庭での災害(地震・水害)への備えについて」のリーフレットを配布しています。各自の連絡先や避難場所の確認、ハザードマップによる自宅等のリスク確認、備蓄品の準備等を呼び掛け、災害が発生する前の準備の重要性を伝えています。

リーフレット、2021年配布

火災に対する取り組み

当社では、どんなに小さな火種であっても真因を究明し、有効な対策を横展開する取り組みや火災予防運動に合わせ、全社一斉の自主点検活動に取り組んでいます。そして、いざと言う時には被害を最小限にするため、職場の誰もが初期消火活動ができることを目標に、消火器、消火栓を使用した消火訓練及び自衛消防隊による消防車放水訓練や小型可搬ポンプ放水訓練などを行っています。
また、それぞれの工場・事業所で防火上の不備がないかお互いにチェックし合う防災監査に加え、保険会社と合同で防災監査を実施及び火災を起こさないための防災基準を定め、海外工場を含めたグローバルな防災体制の構築に取り組んでいます。

火災避難訓練

自衛消防隊放水訓練

遠州灘沿岸の防潮堤建設に寄付

スズキは、地震による津波対策として防潮堤の整備を進めるために、「浜松市津波対策事業基金」に対して、2014年9月末までに総額5億円の寄付を行いました。また、津波避難基地や緊急救援ヘリポート機能などを併せ持つスポーツ施設の建設に協力するために、2015年3月末までに「浜松市スポーツ施設整備基金」へ5億円の寄付を行いました。これにより浜松市防潮堤整備事業への協力は、「浜松市津波対策事業基金」と「浜松市スポーツ施設整備基金」を合わせて総額10億円となりました。
さらに、当社の工場や関連施設、取引先が多い静岡県西部8市町の地震津波対策として、2019年3月末までに総額3億4千万円の寄付を行いました。また磐田市へは防潮堤整備促進のため、2020年8月に28億円の寄付、2021年12月に竜洋コースの土地の一部を寄贈しました。

TOPICSグローバルリスクマネジメントの取り組みを開始

"火災事故を起こさない/起こりにくい/起こっても最速で回復できる体制"の構築を目指す「グローバルリスクマネジメント(以下GRM)」の取り組みを、リスク管理に知見を持つ東京海上日動火災保険株式会社および東京海上ディーアール株式会社と協力し、2022年度から開始しています。

  • ①グローバル統一防災基準の策定
  • ②合同防災監査の実施
  • ③統一防災スコアの算出

GRMの取り組みによって上記3つのPlanとCheckを強化し、日々取り組んでいるDoとActionの実効性向上を図りながらPDCAサイクルを回しています。
2022年度はスズキ株式会社の国内主要工場や国内製造子会社の一部から取り組みを開始し、開発部門の施設、営業拠点、海外拠点に順次範囲を広げています。

レポート目次

ESGインデックス