パイクスピーク結果速報!



1998年 7月4日 レース当日。

アメリカ合衆国独立記念日、伝統の一戦がいよいよ始まる。
スズキは、ニュージーランドに続き「エスクード・パイクスピークSPEC'98」で総合優勝を狙う。勿論、熟成進むエスクードのポテンシャルは、10分の壁を破るコースレコード更新も十分可能だ。またニュージーでは田嶋選手の後塵を浴びることになった最大のライバル、ロッド・ミレンもニューカーを投入しこの大会に挑んでいる。このライバル対決が最大の見せ場となる。

当日早朝、天候は快晴、最高のレース日和となった。しかし田嶋選手が米国空軍に天気予報を問い合わせたところスズキの出場するアンリミテッドクラスが行われる頃の天気は雨という返事だった。その結果スズキ陣営は雨が降るとの判断を下した。

これまでの予選の結果はミレンに次いでの2番手、路面の状況が大幅に変化することが逆転優勝のためには欠かせない状況になっていたスズキ陣営は必勝を期しエスクードに雨用のセッティングを施す作戦にでた。ブレーキローターをカーボンからスティールへ、そしてタイヤなどを雨用の物に変更しスタートを待つ。

   案の定、田嶋選手の読み通り競技が進むうちに雨雲が広がり雨がぽつぽつと降り出した。しかし、以外にも雨足は鈍くしかもスタート地点からコース前半のエリアしか降らないと云う状況となった。まだスタートまでは時間がある、スズキは作戦を見直す必要が出てきた。。
そんな中、ドライの状態でベストが出せるようなセッティングをしていたミレン陣営は、予選一位の特権を生かして出走順の変更を要請。本来ならアンリミテッドクラス3番目のところ1番目に出走する作戦に出た。雨足が強まる前に走りきるという戦法を取る。 一方、スズキ陣営も予想よりも少ない降水量に困惑気味、最後までレインセッティングかドライセッティングか迷う事となった。結局、ブレーキはレイン仕様、タイヤはドライのセッティングでスタートする事になった。

いよいよアンリミテッドクラスのスタート、小雨の中ミレンがスタートしていく。次は田嶋選手のエスクードだ。ところがミレンのスタート後、雨足が強まってきた。そんな状況でエスクードがスタート。しかし状況はスズキにとって最悪となった。コース前半はワイパーをフルに稼働しないと走れないコンディション。また、雨が降っていなかった後半エリアでも路面にタール状のスプレーがまかれているコースは多数のエントラントが掘り起こした砂が路面に堆積し予想を超えた悪コンディションとなっていた。タイヤは思ったようにグリップしない。それでも田嶋選手は勝利に向けてアクセルを踏み続ける。



しかし、健闘むなしく決勝結果はスズキにとって厳しいものになった。
田嶋選手   10分32秒57
ロッドミレン 10分7秒70
アンリミテッドクラス優勝はロッドミレン、田嶋選手は惜しくも2番手、綜合でも2位を獲得したが総合優勝と夢の10分台を切るという夢はついえた。
  

結局、天候に関してはスズキ陣営の読みはあたったものの、ライバルミレンに有利となった、その上スタート時間が変更がされるなど様々なトラブルで作戦が裏目に出てしまった。

田嶋氏のコメント
  「路面と天候につきがなかったね。ちょうど自分のスタートの時に雨が降ってきたし雨とタールでタイヤと路面が合わなかった。非常に難しいレース展開で思うように力を発揮できなかった。10分を切りたかったね。しかしコンディションがめまぐるしく変わる中スタッフは良くやってくれた。それにしても運が悪い。下も上も(コースは)よく滑ったよ!2,3回落ちそうになったしね。しかし与えられた条件の中でベストは尽くした。ミレンにはおめでとうといいたい。」