スズキ財団平成20年度科学技術研究助成について
- 計35件、56,065,000円の助成を決定-
科学技術研究助成について
財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は、2月20日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、平成20年度の科学技術研究助成として33件、助成総額40,295,000円を決定した。
今回研究助成の対象としたのは、生産関連技術5件、環境・省エネルギー関連技術10件、計測・制御・解析関連技術8件、材料関連技術5件、電子・エレクトロニクス・情報関連技術3件、人間工学・医療関連技術2件の合計33件であり、いずれも独創的、先進的な研究開発テーマである。
- 生産関連技術では、高性能な窒化物系耐磨耗保護膜の生成膜の生成を促進するための窒素プラズマガンを開発する研究。(No.14)
- 環境・省エネルギー関連技術では、電気自動車の動力伝達効率と回生エネルギー回収利用効率向上のための具体的研究、或いは、天然素材由来の複合材料の高速成形技術に関する研究。(No.4、 No.13)
- 計測・制御・解析関連技術では、燃焼効率向上のため乱流予混合燃焼現象の解明と実用的な乱流燃焼モデルの開発、或いは、自動車ボディーのプレス成形の金型と接していない部分で生じる表面あれ現象の解析モデリング手法の提案と肌あれの予測及びその制御手法の研究。(No.22、 No.26)
- 材料関連技術では、シリカゾルを用いて孔構造を制御したシリカナノ粒子凝集体を作製しPPと混練することにより耐衝撃性に優れたシリカ/PPナノコンポジットを開発する研究。(No.16)
- 電子・エレクトロニクス・情報関連技術では、光波回路とMEMSを集積化して新規な小型・高精度加速度センサを実現するための研究。(No.30)
- 人間工学・医療関連技術では、現在の滅菌方法に替わる簡便な方法として大気圧プラズマジェットの照射により枯草菌を滅菌する研究。(No.10)
同財団はスズキ(株)が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、本年で29回目の研究助成となる。
スズキ財団のその他の助成及び活動について
同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、平成15年度より、時代の要請であり、且つ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去5年で7件の研究助成を行った。平成20年度は、環境や安全に関する自動車の諸問題を解決するための、電子化、情報化、計測、制御、解析、材料に関する工学的研究として、「路面状態教示制御と仮想ステアリング特性制御による小型電気自動車の安全走行支援制御の実現」、及び、「生体内温度予測プログラムをコアにした次世代自動車の温熱環境評価・制御支援システムの開発」の2件に対し15,770,000円の助成を行った。
また、同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催費や海外の学会等への渡航・宿泊費に対する助成、ブダペスト工科・経済大学等海外からの研究留学者の受け入れ助成、財団ニュースの発行等広く活動を行っている。
設立以来の助成内容は、総件数1,015件、累計助成総額1,201,815,000円の実績となっている。また財団の平成20年3月末現在の資産総額は4,943,531,673円となっている。
スズキ財団の概要
| 財団名 | 財団法人 スズキ財団 |
|---|---|
| 理事長 | 鈴木 修(スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長) |
| 所在地 | 東京都新宿区大京町23-2 |
| TEL | 03-3356-2555 |
| FAX | 03-3356-2505 |
| 目的 | 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
| 資産総額 | 4,943,531,673円(平成20年3月末現在) |
平成20年度 スズキ財団 助成一覧
科学技術研究助成
| No. | 研究課題 | 機関名 | 役 職 | 氏 名 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 分光分析による予混合圧縮着火(HCCI)燃焼メカニズムの研究 | 日本大学 | 助手 | |
| 2 | MEMSデバイスの多品種少量生産ための光制御並列電子線リソグラフィの開発 | 東京農工大学 | 助教 | |
| 3 | フィードバック型クラスタ制御による閉空間内の音響エネルギ密度抑制手法に関する研究 | 首都大学東京 | 助教 | |
| 4 | 電動車の高効率化に関する研究(電力回生システムの高効率化と実装技術の確立) | 仙台電波工業高等専門学校 | 教授 | |
| 5 | セラミックスナノ粒子の自己組織化機能による多元超格子構造形成 | 大阪大学 | 准教授 | |
| 6 | 希土類金属酸化物ナノ複合粒子による排ガス浄化用材料の創製 | 名古屋工業大学 | 教授 | |
| 7 | 汎用機による複雑形状歯車の設計・加工システムの開発 | 新潟大学 | 准教授 | |
| 8 | 不確定性を有する力学モデルを利用したモデルベース診断に関する研究 | 豊橋技術科学大学 | 教授 | |
| 9 | 金型用セラミックスの高精度表面平滑化技術の開発とその応用展開 | 熊本大学 | 助教 | |
| 10 | 大気圧プラズマジェットを用いた枯草菌の殺菌に関する研究 | 東海大学 | 講師 | |
| 11 | 非平衡低温プラズマと光触媒の複合効果を用いた超希薄燃焼の制御技術 | 立命館大学 | 准教授 | |
| 12 | 光照射によって連鎖的にモノマーまで分解する高分子材料の開発 | 東京理科大学 | 准教授 | |
| 13 | 天然素材を用いた複合材料の紫外線硬化による高速成形技術の確立 | 静岡大学 | 准教授 | |
| 14 | 高品質窒化物耐摩耗保護膜コーティング用窒素プラズマガンの開発 | 豊橋技術科学大学 | 教授 | |
| 15 | MEMS融合酸化物歪み薄膜による動的感度制御可能な赤外線センサーの開発 | 大阪大学 | 教授 | |
| 16 | シリカナノ分散による耐衝撃性に優れたポリプロピレン樹脂の開発 | 名古屋大学 | 助教 | |
| 17 | 脊椎固定用高加工硬化性チタンロッドの開発 | 東北大学 | 助教 | |
| 18 | 自動車エンジン排気熱の化学再生による熱効率向上に関する研究 | 早稲田大学 | 准教授 | |
| 19 | ディザーを用いた自動車用ディスクブレーキの鳴き抑制対策の検討 | 東京工業大学 | 助教 | |
| 20 | CCDカメラを用いた工作物の機上計測による工程設計支援システムの開発 | 大阪大学 | 助教 | |
| 21 | 希薄混合気に対する電気火花およびレーザーブレイクダウンによる点火機構の解明 | 大阪府立大学 | 助教 | |
| 22 | 高レイノルズ数乱流予混合燃焼の直接数値計算と乱流燃焼モデリング | 長岡技術科学大学 | 助教 | |
| 23 | 近赤外分光技術を応用した燃料電池内水分・温度のマルチイメージングシステムの開発 | 京都工芸繊維大学 | 講師 | |
| 24 | 車室内アクティブ騒音制御のためのFiltered-X FHF アルゴリズムの検証 | 岩手大学 | 教授 | |
| 25 | LCAを考慮した触媒用貴金属ナノ粒子合成 | 東北大学 | 助教 | |
| 26 | アルミニウム合金板及び自動車用鋼板の自由表面あれ挙動の解析 | 首都大学東京大学院 | 助教 | |
| 27 | ボロハイドライド燃料を用いたマイクロ燃料電池電気自動車の基礎研究 | 東京理科大学 | 准教授 | |
| 28 | 自動車衝突時の乗員挙動解析、評価のための機械学習を用いた高精度近似モデルの構築 | 山梨大学 | 助教 | |
| 29 | 湿潤路面スリップ防止を目的としたセンサ直接描画技術を用いたインテリジェントタイヤ | 東京工業大学 | 助教 | |
| 30 | 自動車の制御・衝突試験に用いられる石英系ガラス平面光波回路・MEMS集積型加速度センサの基礎検討 | 群馬大学 | 助教 | |
| 31 | 無段変速機の開発 | 岩手大学 | 准教授 | |
| 32 | Si添加アルミニウム合金切削に有効なDiamond Like Carbon(DLC)被膜の開発 | 奈良工業高等専門学校 | 教授 | |
| 33 | 双ロール法によるMg-Alクラッド薄板の製造および成形性評価 | 群馬大学 | 准教授 |
課題提案型研究助成
| No. | 研究課題 | 機関名 | 役 職 | 氏 名 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 路面状態教示制御と仮想ステアリング特性制御の相互干渉制御による小型電気自動車の安全走行支援制御の実現 | 慶應義塾大学 | 教授 | |
| 2 | 生体内温度予測プログラムをコアにした次世代自動車の温熱環境評価・制御支援システムの開発 | 北海道大学 | 教授 |
