2001年12月11日
FIA ジュニア・ワールド・ラリー選手権(Junior WRC)
「スズキ イグニス スーパー1600」参戦
|  | 「スズキ イグニス スーパー1600」 |
スズキ株式会社は、日本、フィンランド、ドイツのラリーチームで結成される新しいラリーチーム「チーム スズキ イグニス」がFIA Junior WRC(ジュニア世界ラリー選手権)に、「スズキ イグニス スーパー1600」で参戦するにあたり、これをサポートする (株)スズキスポーツを通じ、同ラリー車開発に関わる技術的支援や、チーム運営のサポートを行う。スズキの国内、海外での小型車の販売促進、並びにラリー支援活動を通じて得られる技術情報の製品へのフィードバックなどにつなげていく計画である。
●Junior WRC(ジュニア世界ラリー選手権)とは
Junior WRCは、F1に並ぶモータースポーツ界の最高峰であるWRC (World Rally Championship)
へのエントリークラスとしてFIAが若手ラリードライバーを育成する目的で推進しているカテゴリーで、2001年から始まった競技種目。初年度は「スーパー1600選手権」と呼ばれていた。2001年はWRCの内、カタルニア、アクロポリス、フィンランド、サンレモ、コルシカ、グレートブリテンの全6戦で行われた。2002年もWRC全14戦中、以下の6戦で当該選手権が争われる。
2002年 Junior WRC イベントスケジュール ※第○戦の数字はWRC のイベントナンバー
対象イベント※ |
ラリー名 |
開催国 |
期 間 |
第1戦 |
モンテカルロ・ラリー |
モナコ〜フランス |
1月17日〜20日 |
第4戦 |
ラリー・カタルニア |
スペイン |
3月22日〜24日 |
第7戦 |
アクロポリス・ラリー |
ギリシャ |
6月13日〜16日 |
第10戦 |
ラリー・ドイチェランド |
ドイツ |
8月22日〜25日 |
第11戦 |
ラリー・サンレモ |
イタリア |
9月19日〜22日 |
第14戦 |
ラリー・オブ・グレートブリテン |
イギリス |
11月14日〜17日 |
|
ベース車両は1600ccまでの自然吸気エンジンを搭載する、認証済み市販車ベースの前輪駆動車。60mmφの吸気リストリクター採用、エンジンの最高出力発生回転数は9000回転を下回ることと定められ、各車の戦闘力をほぼイーブンにするよう考慮されている。車両最低重量は950kg。
プライベートドライバーのみの参戦を許されているこのクラスでは、そのコストを軽減するために、車両販売価格は10万米ドル以下で、特殊な素材の使用も禁止されている。タイヤの使用本数の制限、メカニックは1台につき4名までなど徹底してコスト削減策がとられている。このカテゴリーにはマニュファクチャラーの直接参加は認められていない。
●「スズキ イグニス スーパー1600」 マシン概要
Junior WRCに投入されるスズキのマシンのベース車両はSUZUKI IGNIS(イグニス)(日本名:スイフト)。パワーユニットは、「M13Aエンジン」をベースに、レギュレーションにあわせ1600に変更。トランスミッションは6速シーケンシャル。
「スズキ イグニス スーパー1600」は既に2001年から「アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)」に実戦投入されており、田嶋伸博/ジュリア・ラベット組の駆る、「スズキ イグニス スーパー1600」は、第5戦のチャイナラリーにおいてスーパー1600カテゴリーで優勝。そして二輪駆動車部門でトップの総合6位を獲得した。
日本初のJunior WRC仕様ラリーカー「スズキ イグニス スーパー1600」はアジア・パシフィック・ラリー選手権において実戦を戦い、熟成・開発が積み重ねられていたマシンである。
(マシンスペックは別紙の通り)
●チーム体制とドライバー
参戦の主体となる「チーム スズキ イグニス」は、日本、フィンランド、ドイツのラリーチームで構成され、それぞれのチームの車両には下記のドライバー、コ・ドライバーが乗る。 スズキはこれらJunior WRCにエントリーする各ラリーチームをサポートする(株)スズキスポーツに対し、各種技術支援、チーム運営のサポート、キットパーツの販売支援などをおこなっていく。
| | ラリーチーム | ドライバー | コ・ドライバー |
| | にわ かずひこ | くさか こうへい |
日本 | 「チーム スズキ イグニス SWT」 | 丹羽 和彦 | 草加 浩平 |
| | ユハ カンガス | ミカ オバスカイネン |
フィンランド | 「チーム スズキ イグニス カンガス」 | Juha Kangas | Mika Ovaskainen |
| | ニコラス シェレ | ゲルハルト ヴェイス |
ドイツ | 「チーム スズキ イグニス シェレ」 | Nikolaus Schelle | Gerhard Weiss |
(ドライバー、コ・ドライバーのプロフィールは別紙の通り)
SUZUKI IGNIS Super 1600 仕様
ENGINE |
| 種類 | 水冷4気筒16バルブDOHC |
| ボアストローク | 81.0×77.5mm |
| 総排気量 | 1597cc |
| 最高出力 | 151kW(206ps)/8500rpm |
| 最大トルク | 180Nm(18.4kg-m)/7250rpm |
|
POWER TRAIN |
| トランスミッション | SUZUKI SPORT/シーケンシャル 6速 |
| デファレンシャル | FRONT | 機械式多板クラッチ |
| クラッチ | メタル・シングルプレート |
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SUSPENSION |
| 型式 | FRONT | ストラット |
| | REAR | I.T.L式 |
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BRAKE |
| ディスク | FRONT | brembo/φ300mm(グラベル),φ355mm(ターマック) |
| | REAR | brembo/φ278mm |
| キャリパー | FRONT | brembo/4POT |
| | REAR | brembo/2POT |
|
TIRE&WHEEL |
| タイヤ | FRONT / REAR Michelin/ 17/63-17"(ターマック), 16/65-16"(グラベル) |
| ホイール | FRONT / REAR 17x7.0J(ターマック), 15x6.0J(グラベル) |
|
DIMENSIONS |
| 全長 | 3550mm |
| 全幅 | 1740mm |
| 全高 | 1490-1560mm |
| ホイールベース | 2360mm |
| トレッド | FRONT | 1530mm |
| | REAR | 1489mm |
|
WEIGHT |
| 最低重量 | 950kg |
|
INTERIOR |
| ステアリング | SUZUKI SPORT/φ350mm |
| シート | BRIDE/ZETA2 |
| シートベルト | Sabelt /TOP FORMULA |
●ドライバープロフィール:
「チーム スズキ イグニス SWT」− 日本
ドライバー:<丹羽和彦> にわ かずひこ
生年月日 | : 1975年11月18日 |
出生 | : 大阪府高槻市 |
ステータス | :独身 |
戦歴:ラリーデビュー: 1997年 グラベルマインドラリー |
1998年 | | 全日本ラリー二輪駆動最終戦 ツールド九州Bクラス 3位 |
1999年 | | 全日本ラリー二輪駆動 Bクラスシリーズ 9位 |
2000年 | | 第一戦ツールド九州 優勝 |
| | 第二戦ナイトin荘川 優勝 |
| | 第三戦ソネット 5位 |
| | 第四戦ラリーin北海道 リタイア、現在シリーズランキング 1位 |
コ・ドライバー<草加浩平> くさか こうへい
生年月日 | : 1954年8月11日 |
出生 | : 東京都江東区 |
ステータス | : 妻、2子 |
1977年、東京大学工学部機械工学科卒業。学生時代からナビゲーターを始め、多くの大学ラリーに参戦して好成績をおさめる。
1990、1991 年度の全日本ラリー選手権Bクラスナビゲーターチャンピオン。ナビゲーター歴20年の経験から、全国でナビ講習会を行い、実戦に裏付けられた理論的解説は初中級者に好評を博している。また、ナビゲーターの入門書も多く執筆しており、名実ともに日本のラリー界を代表するトップナビゲーターのひとりである。
「チーム スズキ イグニス カンガス」− フィンランド
ドライバー <Juha Kangas> ユハ カンガス
生年月日 | :1973年12月23日 |
出生 | :フィンランド、ヘルシンキ |
ステータス | :独身 |
戦歴:ラリーデビュー:1991年 |
これまで主にはフィンランド内のラリーに出場しており、WRCにも10回の出場経験を持つ。 |
1996-1998年 | WRCスウェーデン、フィンランド 三菱ランサー Evo Gr.N |
1998年 | WRCニュージーランド(スバルWRC)、イギリス(スバルインプレッサ)Gr.N |
1999年 | WRCスウェーデン、ポルトガル、ギリシャ、フィンランド(スバルインプレッサ)Gr.N、 |
2000年 | WRCオーストラリア(三菱ランサー Evo VI) Gr.N、フィンランド(トヨタカローラ)Gr.A/8 |
2001年 | WRCオーストラリア(三菱ランサー Evo VI) Gr.N、フィンランド(トヨタカローラ)Gr.A/8 |
| (WRC Gr.N 11位) |
コ・ドライバー<Mika Ovaskainen> ミカ オバスカイネン
生年月日 | :1967年10月30日 |
出生 | :フィンランド、ヘルシンキ |
ステータス | :妻、2子 |
戦歴:上記Juha Kangasのコ・ドライバーも務め、WRCへも多く出場している。 |
1999年 | | WRC ポルトガル スバルインプレッサ Gr.N |
1999年 | | WRC イギリス スバルインプレッサ Gr.N 3位 |
2000年 | | WRC フィンランド トヨタカローラ Gr.A/8 |
2001年 | | WRC フィンランド トヨタカローラ Gr.A/8 |
「チーム スズキ イグニス シェレ」− ドイツ
ドライバー <Nikolaus (Niki) Schelle> ニキ シェレ
生年月日 | : 1966年 8月 13日 |
出生 | : ドイツ、ションゴウ |
ステータス | : 妻、1女 |
戦歴:ラリーデビュー: 1988年 |
1997年 | | ドイツラリー選手権総合 2位、ドイツラリー選手権 Groupe " N"優勝 |
1998年 | | ラリーウィッテンバーグ(ドイツ選手権) Gr. N 優勝、ラリー・ドイツ 2位 |
1999年 | | ドイツラリー選手権 2位、ドイツラリー選手権 2L キットカークラス(OPEL ASTRA) |
2000年 | | ドイツ選手権 2L キットカークラスで優勝数回、ドイツラリー選手権 2L キットカー クラス優勝(OPEL ASTRA Evolution) |
2001年 | | ドイツ選手権出走(プライベート MTEC Ford Escort WRC)、ドイツ選手権最終戦で総合2位 |
コ・ドライバー<Gerhard Weiss> ゲルハルト ヴェイス
生年月日 | : 1958年 6月 30日 |
出生 | : ドイツ、シュタットガルト |
ステータス | : 独身 |
戦歴:ラリーデビュー:1979年、コドライバーは1980年より |
1990年 | | Mitropaカップ3位 ユーロラリートロフィー優勝 |
1997年 | | Group N. ドイツチャンピオン、ドイツ選手権総合2位 |
1999年 | | キットカー2Lクラス ドイツチャンピオン |
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