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2005年11月 4日


スズキ、耐久性、耐熱性に優れた
「スズキ・スーパー・キャスト ピストン」を新開発

スズキ・スーパー・キャスト・ピストン スズキ・スーパー・キャスト・ピストン搭載車両(来春、欧州を中心に投入予定のGSR600)
スズキ・スーパー・キャスト・ピストン スズキ・スーパー・キャスト・ピストン搭載車両
(来春、欧州を中心に投入予定のGSR600)

 

 スズキ株式会社は、エンジンピストンの製造工程に「PFダイカスト法」を導入し、従来の製品に比べ、耐久性、耐熱性に優れた「スズキ・スーパー・キャスト ピストン」を新開発した。
 PFダイカスト法で製造されたピストンを二輪車エンジンで実用化するのは、業界初である。

 従来のダイカスト製法は、鍛造による製法に比べ製造時間は早いが、材料物性面でバラツキが大きく、含有するガス量が多いことから、熱処理や溶接が不可能であり、ピストンなどの機能部品には向かないという弱点があった。

 それに対してスズキは、新開発のアルミ合金を採用し、耐久性、耐熱性を向上させるとともに、酸素供給装置の追加と二次加圧を採用することで、鋳巣による問題を大幅に改善することに成功し、高品質なダイカストピストンを短時間で製造することが可能となった。


●PFダイカスト法を導入することによるメリット
金型内に充填されたアルミ溶湯の凝固スピードが速いため、組織が非常に細かく均一になり、靭性に優れたピストンが得られる。
残留ガス量が低減し、高品質なピストンが得られる。
鋳造時間が短縮できるため、生産性が高まり、従来の鍛造ピストンに対して約30%のコストダウンが可能となる。
   
●高温高強度アルミ合金の採用によるメリット
肉薄化によりピストンが軽量となる。
熱膨張が小さく耐焼付き性に対し有利となる。
ピストンピン穴、リング溝およびスカートの耐摩耗性に優れる。

スズキ・スーパー・キャスト ピストンは、2005年10月のパリショーで発表した「GSR600※」に採用される。
※GSR600は、来春、欧州を中心に投入予定。