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2007年2月16日


スズキ財団 平成18年度科学技術研究助成について

− 27件、3,370万円の助成を決定 −

(1)研究助成について

 財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は、2月16日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、平成18年度の科学技術助成として27件、助成総額3,370万円を決定した。

 今回研究助成を行うものは、生産関連技術6件、環境・省エネルギー関連技術5件、計測・制御・解析関連技術7件、材料関連技術5件、電子・エレクトロニクス・情報関連技術2件、人間工学・医療関連技術1件、ロボット関連技術1件の合計27件であり、いずれも独創的、先進的な研究開発テーマである。

具体的には、
生産関連では、金型表面の表面改質の研究、或いは、マグネシウム合金の精密鍛造に最適な鍛造プロセスを開発する研究。(別表一覧のNo5、No.25)
環境・省エネルギー関連では、燃え残り成分から得られるCOを用いて水素への改質を排ガスの持つ余熱により達成させる新規小型改質装置の開発に関わる研究、或いは、自動車の排気ガス中のCO2を効率よく除去する新規なCaO被覆型セラミック多孔体の開発に関する研究。(No.18、No.26)
計測・制御・解析関連では、車速度センサ・GPS・慣性センサ・画像センサなどの情報を統計的に最適複合化し信頼性の高い相対航法システムの構築を目指す研究、或いは、濃霧や小雨等の状況の中でどのような波長の光が濃霧に有効かを検討できるソフトウェアの開発に関する研究。(No.13、No.19)
材料関連では、無機−有機複合ナノチューブを用いた水素、酸素、メタンなどの燃料ガスの高密度貯蔵に関する研究。(No.11)
電子・エレクトロニクス・情報関連では、小型化が困難なESPARアンテナを携帯電話などの携帯端末に適用可能なように小型化する研究。(No.8)
人間工学・医療関連では、片側での筋収縮が反対側の筋収縮を引き起こす生理的メカニズムを運動関連脳電位測定により解明する研究。(No.27)
ロボット関連では、通常は車輪機構により移動し、車輪では移動不可能な不整地では腕機構と協調して移動する知能機械の開発に関する研究(本年度は車輪機構部の開発)。(No.16)
など、今回も広い分野の研究テーマへの助成を決定した。(助成対象研究一覧は別紙の通り)

 同財団はスズキ(株)が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、昭和55年3月に設立したもので、本年で27回目の研究助成となる。

(2)スズキ財団のその他の助成及び活動について

 同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、平成15年度より、時代の要請であり、且つ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去3年で3件の研究助成を行った。平成18年度は、大気汚染や地球温暖化等の環境問題を解決・改善するための工学的研究として、「リチウム二次電池のクリーンカー搭載にむけたオリビン型正極材料の高性能化」、及び、「溶存金属種の構造・機能の制御による貴金属低減・フリーの高機能性自動車排気ガス浄化触媒の開発」の2件に対し助成を行った。

 また、同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催費や海外の学会等への渡航・宿泊費に対する助成、ブダペスト工科・経済大学等海外からの研究留学者の受け入れ助成、財団ニュースの発行等広く活動を行っている。

 設立以来の助成内容は、総件数885件、累計助成総額10億7,304万円の実績となっている。また財団の平成18年3月末現在の資産総額は約39億6千万円に達している。


スズキ財団の概要
財団名 財団法人 スズキ財団
理事長 鈴木 修 (スズキ株式会社 取締役会長)
所在地 東京都新宿区大京町23−2
TEL 03-3356-2555
FAX 03-3356-2505
目 的 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的とする。
資産総額 約39億6千万円(平成18年3月末現在)


平成18年度 スズキ財団 科学技術研究助成一覧
No. 研究課題 機関名 役職 氏名
1

超高張力鋼板のプレス成形における割れの予測

豊橋技科大学

助手

安部洋平

2

自動車加速音音質制御システムの開発

兵庫県立大学

助教授

石光俊介

3

排気系部材用高Cr フェライト系ステンレス鋼の475℃ぜい性破壊機構の解明と実用温度域における寿命推定法の確立

岐阜大学

助教授

植松美彦

4

MQL加工用マイクロエンジニアリングサーフェスを有する切削工具の開発

大阪大学

助教授

榎本俊之

5

EBポリッシングによる金型表面の新しい表面改質技術の開発

岡山大学

講師

岡田 晃

6

高熱伝導仕切り壁を用いた高性能断熱層の開発

静岡大学

講師

柿本益志

7

多機能フィードローラー順送金型によるマグネシウムの温間塑性成形

岐阜工業高専

教授

加藤浩三

8

ESPAR アンテナの携帯端末への応用

静岡大学

教授

桑原義彦

9

マイクロ金型や小型機械部品のためのMVP法による細穴内面DLC成膜法の開発

名古屋大学

講師

上坂裕之

10

DLC膜表面のグラファイト化に関する研究

宇部工業高専

助教授

後藤 実

11

無機-有機複合ナノチューブを用いた燃料ガスの低圧貯蔵の研究

静岡大学

助教授

近藤 満

12

可変形粒子群を含む場の熱流動解析に関する研究

大阪大学

助手

竹内伸太郎

13

安全な車間状態を維持するための高精度相対航法システム

愛媛大学

助教授

谷脇滋宗

14

格子ボルツマン法を基礎とした直接計算による空力音の音源についての研究

神戸大学

教授

蔦原道久

15

ハンズフリー音声認識・対話インタフェースの研究

豊橋技科大学

教授

中川聖一

16

腕を利用して不整地路面を移動可能な車輪型移動機械の車輪機構部分の開発

千葉工業大学

講師

中嶋秀朗

17

大気圧プラズマ窒化表面処理技術の開発

防衛大学校

教授

中野俊樹

18

排ガスおよび排熱を利用したCO仲介型の新規小型燃料改質装置の開発

北海道大学

助教授

中村祐二

19

水粒子の分布する空間における単色光の到達距離算定シミュレータの検討

佐世保工業高専

助教授

南部幸久

20

ゼオライトと光触媒を併用したマイクロチップ型空気清浄化システムの開発

徳島大学

教授

橋本修一

21

生産工程用人間-機械系機器の機能安全を実現する非定常制御手法に関する研究

豊田工業大学

助教授

原 進

22

層状コバルト酸化物高温熱電変換材料を実用化するための結晶配向制御技術の確立

横浜国立大学

教授

福富洋志

23

衝撃高圧力を利用したゴムメタル基複合材料の創成

大阪大学

助教授

堀川敬太郎

24

大振幅気柱共鳴を用いたコンプレッサの開発

大阪大学

招聘研究員

増田光博

25

ACサーボプレスを用いたマグネシウム合金の冷温間精密鍛造

大阪大学

助手

松本 良

26

自動車排ガス中のCO2を効率よく吸収するセラミック多孔体の開発

埼玉大学

助手

柳瀬郁夫

27

片側での筋収縮が反対側の筋収縮をも引き起こす生理学的メカニズムの解明

大分県立看護科大学

助手

吉武康栄


 *順不同、役職、所属は申請時のもの