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1998.12.24


環境に配慮したパイプ曲げ加工技術を開発


 スズキ株式会社は、環境に配慮したパイプ曲げ加工の新しい成形技術を開発し、このほど四輪車の排気管の生産ラインに導入する。この技術は、環境改善に加え製品のコスト低減・品質向上にも有効なシステムとなっている。

パイプ曲げ加工 説明用写真


※技術の概要

 今回開発した技術はエンジンの排気管などに使用する二重パイプ(パイプの中にもう一本のパイプがある)の内管と外管を均等に曲げ加工する工程で使われる技術で、特殊な塩(えん)を使い次の手順を自動で行うことが大きな特徴。

(1) 塩を加熱溶解させ、水のような粘度にしておく。
(2) この塩を溶解した状態で内管と外管の間に充填し、凝固点以下に冷やし結晶状に固化させる。
(3) 塩が詰まった状態でパイプを曲げ加工する。
(4) 加工後、パイプ内の塩を再び溶解、排出させ製品とする。排出した塩は再度利用する。
※従来の方法

 スズキで従来から行われている二重パイプの曲げ加工は、内管と外管の間に砂を充填する方法で、二重パイプ全体を振動させながら砂を充填、加工後、再び振動させながら砂を排出しており、工程における振動や騒音、粉塵の飛散による作業環境上の課題があった。

※新技術のメリット

(1) 振動・騒音・粉塵が大幅に減少し作業環境が改善。
(2) 充填するものを、何度もリサイクルできる塩に変更したことによる省資源。
(3) 塩のリサイクルと成形の自動化により、加工コストを低減。
(4) パイプの品質(真円度・同軸度)の向上。