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1999.2.24


新しい二輪車排出ガス浄化システムを開発

2サイクル50ccの二輪車で、排出ガス規制をクリアした新浄化システム。
新触媒・新製造技術の開発により、十分な浄化性能を確保しながら、浄化装置の構造を単純にでき、製造コストは従来の2分の1。
スズキとして初めて浄化装置(触媒を含む)を内製化。

新開発の触媒を組み込んだマフラーのカット写真
新開発の触媒を組み込んだマフラーのカット写真


 スズキ株式会社は、二輪車の排出ガス浄化の新システムを開発し、3月に発売するスクーター「レッツII」シリーズ(2サイクル50ccエンジン)より採用を開始する。


今回開発した排出ガス浄化システムの特長
(1) プラチナ−ロジウムを利用する三元触媒※1で、触媒の能力を向上させて、従来品と比較し低温での炭化水素の浄化性能と高温での耐久性能に優れたものとした。
(2) 触媒を担体※2に塗布する工程の新技術を開発。従来品ではセラミックや特殊なステンレスなど担体の材質が限られていたが、今回開発した技術は、従来品より幅広い材質・形状の担体に塗布できる。


新システムのメリット
(1) 低温での炭化水素の浄化性能に優れ、また生産コスト、生産効率に優れるため、技術・コスト的に厳しい量販50ccスクーター(2サイクルエンジン)に搭載できた。
(2) 従来品では複雑なハニカム形状の担体に触媒を塗布していた。今回のシステムでは、触媒、塗布技術の向上により、穴を開けたパイプに触媒を塗布した単純な構造ながら、従来品と同等の浄化性能を実現。浄化装置の生産コストを2分の1に下げた。
(3) 50cc2サイクルエンジンから大型の4サイクルエンジンまで対応可能な技術で、また設備の汎用性も高いため、順次採用機種を拡大し量産効果を一層高められる。

 なお、この排出ガスの浄化装置はスズキとして初めてグループ内で内製化する。

※ 1 三元触媒…排気ガス中の有害な炭化水素と一酸化炭素の酸化、窒素酸化物の還元を促進し排気ガスの浄化を助けるもの。担体に薄い皮膜状に塗布されている。
※ 2 担  体…触媒を塗布するもの。触媒の効率を上げるために、従来品では表面積の広いハニカム(蜂の巣)形状となっている。