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1999.4.20
金型加工システムを新開発
スズキ株式会社は、バーチャルリアリティ技術を応用した新しい金型加工システムを、米国マサチューセッツ工科大学(以下、MIT:Prof. Sanjay Sarma)と共同で開発した。 このシステムは、プレス成形などの金型を製作する加工機の加工データを作成するもので、通常3軸で操作している加工機を5軸で操作する。3軸の操作では複雑な曲面を持つ金型の場合、切削中に加工機が金型とぶつかって必要な位置に行けないことがあるのに対し、5軸の操作では、下図のように加工機の角度を自由に設定して切削ができる。 ![]() 5軸の場合、加工機の動作が3軸に比べて複雑化するため、設計データから加工データを自動的に作成することが難しく、実用化が遅れていた。今回5軸化が可能となったのは、スズキがバーチャルリアリティ技術を応用し開発した力覚提示装置と、MITが開発した高速で物体間の接触判定を行うプログラムを導入したことによる。 力覚提示装置はコンピュータの仮想現実上でモノに触れる操作をするとその感触を手に伝える装置で、触れたモノの硬さに応じた反力がこの装置を通じて操作者の手に伝わる。またMITの開発した接触判定プログラムでは、金型と5軸加工機の工具のような複雑な立体形状間の接触判定を高速で行うことができる。
このようにバーチャルリアリティ技術を応用することで、5軸化により複雑な処理を必要とする加工データの作成が感覚的に容易に行えるものとなる。この結果、複雑な曲面の金型を高い品質で効率的に加工することができ、製品の品質向上、開発期間の短縮、コスト低減が可能となる。 本システムの開発にあたって、スズキとMITは1997年から共同で研究を行い、スズキが主に力覚提示装置などハード面を、MITが接触判定プログラムなどソフト面を担当した。既に日本および米国での特許申請を行っており、1年後を目安にスズキグループ内で本システムの実用化を予定している。また金型の切削システムとして社外に販売することや、CAD/CAM等の設計支援、ゲーム機器等のアミューズメント、手術のトレーニングシステムなど他の分野に応用することについても、今後検討する。 |