
所変われば品変わる…コンパクトカーに対する要求は地域によって様々だ。日本では近距離用途中心の下駄グルマとして、性能よりもまずは経済的であることが優先されているのが現状だろう。しかし欧州では、長距離ドライブを難なくこなす優れた快適性と走行性能を備えていなければ成功はおぼつかない。そう、コンパクトカーだからこんなものでいいだろう、という甘えが一切通用しないのが欧州なのだ。
そんな地域でつくられるコンパクトカーは、当然ながら高い実力を備えている。たとえばVWポロやプジョー207は、ためらうことなく500km彼方の目的地へと走っていく気にさせてくれるコンパクトだ。もちろん、国産コンパクトでも長距離走行をこなすことは可能だが、走り終えた後の疲労度を考えると気が進まないのが実情。精神面を含め、あらゆる意味でユーザーのカーライフに制約を課さないのが欧州コンパクトの魅力である。しかし、嬉しいことに、国産車にも欧州コンパクトと同じ考え方でつくられたモデルが存在した。それが先代スイフトだ。



凝縮感のあるデザインもさることながら、先代スイフトの真骨頂は足回りを中心としたポテンシャルの高さにあった。その結果、先代スイフトは欧州でも高い人気を獲得するとともに、世界9カ国で20の賞を獲得。他ならぬ僕自身、国内出張でレンタカーを借りるときは、必ずスイフトを指名するようにしている。理由は単純で、「乗っていて楽しく、快適で、疲れない」から。そんな優秀な先代を超えるのは容易ではなかったはずだ。しかし、新型の開発に携わったエンジニアたちは、見事に難しい仕事を成し遂げてみせた。そこで展開されている入念な作りこみからは、彼らの執念すら伝わってくるほどである。








