2011年9月22日

スズキ、フォルクスワーゲンAGに反論書を送付

スズキ株式会社は本日、去る9月11日にフォルクスワーゲンAGからスズキに対してなされた包括契約違反(スズキが、契約違反を犯している)という通告に対し、反論書を会長兼社長鈴木修の名でDr.マルティン・ヴィンターコルン 同社取締役会会長に宛てて送付しました。

フォルクスワーゲンAGは、フィアット・パワートレイン・テクノロジー社(以下フィアット社)が生産するディーゼルエンジンをスズキが購入することに関連して、スズキが包括契約違反であると指摘し、一定の是正期間を通告してきました。

当社は9月12日の記者会見でも明らかにした通り、包括契約違反を一切行っていないと断言します。

当社が送付した反論書の内容につきましては、両社間協議の詳細に関わるので開示は控えますが、反論の一部を紹介します。

両社は昨年、数ヶ月間にわたり、フォルクスワーゲンAG製エンジンを用いる条件について協議しましたが、スズキの要件が満たされることはありませんでした。本年1月に、浜松でヴィンターコルン会長と弊社 鈴木修が会談した際、理由も付した上で、フォルクスワーゲンAG製ディーゼルエンジンをスズキが使用しない旨を伝えました。これに対して、ヴィンターコルン会長から同社製ディーゼルエンジンを採用しないのであれば、それを書面でも通知して欲しいとの要請があったので、数日後にその旨を書面で正式に連絡しました。その直後には、この件を担当する両社の技術者同士でも、スズキがフォルクスワーゲンAG製ディーゼルエンジンを使用しないことをお互いに確認しました。

フォルクスワーゲンAGは、今回の通告書において、同社製ディーゼルエンジンとフィアット社製ディーゼルエンジンとを比較するプロセスの実施を、是正措置として求めています。スズキが使用しないということを両社間で確認しあっているエンジンについて、確認後相当長期間を経た9月11日に当該プロセスが欠けていたと指摘し、契約違反であると主張することの不合理性は容易に理解されると考えます。

本日送付した反論書では、この他にも2009年12月9日の提携契約調印以前からの経緯を含め、両社間で交換されたレターなどを詳細に引用しつつ、当社は十分な反論を行いました。

今回のフォルクスワーゲンAGの発表により、当社の名誉は著しく傷つけられましたので、9月30日までにスズキが契約違反を犯しているという通告を取り下げ、その旨を公表することを同社に要請しました。

会長兼社長 鈴木修コメント

「提携は、フォルクスワーゲンからの働きかけで始まりました。

スズキの提携の目的である技術移転を進めるには一定の資本関係が必要と同社から要請されたので、当社株式を提供しました。私共も、フォルクスワーゲン株式を取得しました。

しかしながら、19.89%というマイナーな出資比率では、フォルクスワーゲンから提携当初にお約束いただいた技術へのアクセスが実際には進まないことが、次第に明らかになりました。

辛抱強く、両社のバランスの取れた協力ができないかと、その後も私共は努力しました。しかし、この提携は、スズキが期待したメリットをもたらさないどころか、逆に、スズキの自主独立経営にとっての「足かせ」にすらなってきました。

この9月11日にフォルクスワーゲンは、当社に対して契約違反の通告書を送付し、その事実を公表しました。これも、私共には新たな「足かせ」となりました。

スズキは、契約違反を一切犯しておりません。フォルクスワーゲンの通告と公表は、必死に新商品を開発しようとしている私共の努力を妨げるものであり、またスズキの名誉を著しく傷つけるものです。

スズキがなぜ、フォルクスワーゲンとの提携および資本関係を解消したいのかという理由の一端が、これでご理解いただけるものと考えます。」

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