スズキ財団平成25年度の助成について
総額5,102万円、内研究助成として27件、4,482万円の助成を決定
公益財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は2月14日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、平成25年(2013年)度の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として27件、4,482万円の助成を決定した。その他の助成とあわせ、本年度の助成総額は5,102万円となる。
科学技術研究助成について
本年度の科学技術研究助成は、生産関連技術、環境・資源エネルギー関連技術、計測・制御・解析関連技術、材料関連技術、電気・電子・情報関連技術、人間工学・医療関連技術、ロボット関連技術の7つの研究分野を対象に公募され、計25件の研究テーマへの助成を決定した。いずれも独創的、先進的な研究開発テーマで、総額3,002万円を助成する。(助成対象研究一覧は以下の通り)
課題提案型研究助成について
同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、2003年度より、時代の要請であり、かつ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去11年で16件の研究助成を行った。
平成25年度は、地球環境の保全やエネルギー資源の節約のための「自動車の軽量化」につながる工学的研究として、自動車の軽量化・高機能化を実現する方向性気孔を持つポーラス金属およびその製造方法を開発する「自動車の軽量・高機能化を実現する方向性気孔を有するポーラスアルミニウムの開発」および自動車の軽量化の足掛かりとなる先進的な破断予測技術の確立と、車両衝突時の破断限界を推定のため、鋼板の破断応力経路及びひずみ速度の依存性を明らかにする「実用応力経路を受ける自動車用材料の破断限界の基礎的研究」の2件に対し助成を行う。(助成対象研究は以下の通り)
本年は、新規決定の2件と昨年度決定1件の2年目分をあわせ、総額1,480万円を助成する。
その他の助成及び活動について
また、同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催費や海外の学会等への渡航・宿泊費に対する助成、ブダペスト工科・経済大学等海外からの研究留学者の受け入れ助成、財団ニュースの発行等広く活動を行っている。これらの活動に総額620万円を助成する。
同財団はスズキ(株)が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、2011年4月1日、新しい公益法人制度に則り公益財団法人となった。研究助成は本年で34回目となる。
設立以来の助成件数及び金額は、総件数1,316件、累計助成総額14億7,566万円の実績となっている。また財団の2013年3月末現在の資産総額は約58億6千万円となっている。
スズキ財団の概要
財団名 | 公益財団法人 スズキ財団 |
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理事長 | 鈴木 修(スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長) |
所在地 | 東京都新宿区大京町23-2 |
TEL | 03-3356-2555 |
FAX | 03-3356-2505 |
目的 | 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
資産総額 | 約58億6千万円(平成25年3月末現在) |
平成25年度 科学技術研究助成内定者一覧
科学技術研究助成
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | |
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1 | 安心・安全のための車載単眼カメラによる非侵襲およびローコストな歩行者センシング技術に関する研究 | 岩手大学 | 准教授 | |
2 | 地域活性化のために開発された低速モビリティの活用に関する実証的研究 | 群馬大学 | 教授 | |
3 | すす生成制御のための拡散火炎場における微小液滴列が形成する輝炎の観察 | 金沢大学 | 准教授 | |
4 | 熱硬化性及び熱可塑性CFRPのリサイクル技術の開発 | 静岡大学 | 助教 | |
5 | 自動車用高強度鋼板の一貫製造最適化による材質制御指針の確立 | 木更津工業高等 専門学校 |
助教 | |
6 | 自動車の自動運転システムにおけるドライバーのシステム監視能力向上のための情報提示に関する研究 | 東京理科大学 | 助教 | |
7 | 木材組織を模擬したセル構造からなる衝突エネルギー吸収部材の開発研究 | 兵庫県立大学 | 教授 | |
8 | 液体内部の微小発熱体周りの温度分布測定 | 首都大学東京 | 准教授 | |
9 | ハイポイドギヤ・ベベルギヤの歯面形状修正システムの開発と汎用NC工作機械による歯車加工への応用 | 新潟大学 | 准教授 | |
10 | 可変圧力プロファイル/金型温度制御の最適プロファイルによる射出成形法の開発 | 金沢大学 | 准教授 | |
11 | 未利用木質バイオマスを利用したプラスチック用機能化フィラーの作成と複合化 | 静岡大学 | 准教授 | |
12 | 有機導体からなるナノアクチュエーターの創製とその電気・磁気評価 | 東京農工大学 | 講師 | |
13 | 三次元測距センサユニットの高機能・高性能化に関する研究 | 北陸先端科学技術 大学院大学 |
教授 | |
14 | TSVDを用いたプローブアレイによる高機能画像再構成システムの開発 | 産業技術総合研究所 | 主任研究員 | |
15 | 逆可塑化機構を利用したポリカーボネートの力学特性と表面特性の向上 | 北陸先端科学技術 大学院大学 |
助教 | |
16 | 筋骨格モデルを用いた自動車乗降動作の生体力学評価 | 首都大学東京 | 教授 | |
17 | Turbo charger 用TiAl金属間化合物耐酸化コーティングのペスト酸化の影響 | 徳島大学 | 教授 | |
18 | マイクロチューブ用の全温プローブの開発 | 鹿児島大学 | 准教授 | |
19 | 高圧力二次電池の充放電技術の開発 | 兵庫県立大学 | 教授 | |
20 | 交通事故における電動車いす乗員の衝突挙動に与える乗員保護装置の影響 | 東京都市大学 | 教授 | |
21 | ガラス基板への0.5ミリ径ねじ穴加工 | 徳島大学 | 准教授 | |
22 | 視覚的顕著性に基づく電動車いすのオートパイロットシステムの研究 | 秋田県立大学 | 助教 | |
23 | 上肢切断肢の皮膚表面形状変形と回転式センサを利用した5指同時駆動方式による実用志向型電動義手の製作 | 岐阜工業高等 専門学校 |
准教授 | |
24 | 液中パルスアーク放電による高品位窒化アルミニウム粉末の製造法の開発 | 静岡理工科大学 | 専任講師 | |
25 | ドラッグデリバリーシステムの流体解析における粉末薬剤特性モデルの開発 | 上智大学 | 准教授 |
課題提案型研究助成
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | |
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1 | 実用応力経路を受ける自動車用材料の破断限界の基礎的研究 | 東京農工大学 | 教授 | |
2 | 自動車の軽量・高機能化を実現する方向性気孔を有するポーラスアルミニウムの開発 | 早稲田大学 | 教授 |