スズキ株式会社の販売する電動3・4輪車「セニアカー」※の輸送用パッケージ（メーカーから代理店に輸送するための個別包装） が、スウェーデンで開催された「世界パッケージングコンテスト（ＷｏｒｌｄＳｔａｒ２０００）」（主催：世界包装機構（ＷＰＯ））で「ワールドスター賞」を受賞した。
世界パッケージングコンテストは、包装技術では最も権威のあるコンテストとして毎年1回開催され、優れた包装に対して「ワールドスター賞」が贈られる。世界パッケージングコンテストには、各国や地域で開催される大会で選ばれた包装が出展でき、日本からは、「日本パッケージングコンテスト」（主催：社団法人日本包装技術協会 ）で入賞した包装が出展資格を得る。
スズキ電動3・4輪車「セニアカー」の輸送用パッケージは、2000年7月開催の「2000日本パッケージングコンテスト」で「ロジスティクス賞」を受賞し、今回の世界コンテストに出展していた。
この輸送用パッケージは、木材を使用しないオール紙製でリサイクル性に優れ、また、従来のものよりも大幅にコンパクト化し輸送・物流のエネルギーとコストを低減、さらに開梱時の作業性にも優れたパッケージである。
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電動３・４輪車「スズキ セニアカー」輸送用パッケージの特長
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●従来のパッケージの問題
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セニアカーは総重量82〜99kgと重量物であるため、従来のパッケージでは木材パレットにセニアカーを載せ、段ボールで上部と側面を囲う梱包であった。このため、開梱後のパッケージは、処分の際に紙と木材に分別する必要があり、さらに木材は廃棄処分しなければならないという問題もあった。また、代理店での開梱時にセニアカーを一旦持ち上げてから降ろす必要があり、作業性にも問題があった。
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●受賞したパッケージの特長
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パッケージ全体をリサイクルできるオール紙製を実現した。紙製でありながら、構造の工夫により、重量物であるセニアカーを傷付けず運ぶことができ、フォーク搬送作業にも対応できる構造と強度を確保した。 |
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オール紙製としたことで木材（針葉樹）の使用を廃止した。スズキセニアカー全体で年間 約110トンの木材の使用を削減できる。 |
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従来のパッケージと比べ、容積・重量ともに12%の低減を実現した（容積：従来品1.13ｍ３→新型0.99ｍ３ で0.14ｍ３のコンパクト化、重量：従来品16.7kg→新型14.7kgで2kgの軽量化）。これにより、１台のトラックに積載できる台数が増えるなど、輸送・物流のエネルギーとコストを低減させた。 |
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簡単な開梱作業で、一人でスムーズに荷降ろしが可能となり、従来のように数人で持ち上げる必要がなくなった。また、パッケージの解体・処分も容易となり、作業性が向上した。 |
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構造の簡素化を追求し、コストを低減した。 |
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なお、このパッケージは本州静岡ダンボール(株)との共同開発である。
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「セニアカー」…高度福祉社会に向けて、簡単な操作で扱うことのできる主に高齢者のための乗り物（歩行補助具）として、スズキが1985年10月に発売した福祉機器。家庭用コンセントから手軽に充電できる電動車両のため排出ガスを出さず、また最高速度6km/hであるため歩行者と同様に歩道を利用できる。 |
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