ホームに戻るニュースリリーストップに戻る
2000年11月24日



先進安全技術の研究試作車
スズキ「スカイウェイブASV-2」「SV650 ASV-2」(二輪車)、
「ワゴンR ASV-2」(四輪車)について


「スマートクルーズ21 Demo2000」(運輸省・建設省主催 11/28〜12/1)に出展


 スズキ株式会社は、1995年より運輸省の提唱する先進安全自動車推進検討会に参加し、これからの交通社会に求められる安全機能を研究している。この度、その研究成果の一部を搭載したASV(Advanced Safety Vehicle 先進安全自動車)の研究試作二輪車「スカイウェイブ ASV−2」「SV650 ASV−2」と、研究試作軽四輪車「ワゴンR ASV−2」を製作し、11月28日(火)〜12月1日(金)に茨城県つくば市で開催される「スマートクルーズ21 Demo2000」(運輸省・建設省主催)に出展する。

 スズキのASVは、「運転を支援する情報の提供、万一のミス防止を支援する機能の提供」をテーマに開発し、車載センサーからの車両情報・周囲情報をもとに動作する自律システム、路側通信機からの情報利用システムから成る。

 具体的には、二輪車ではヘルメットのシールド(風防)に各種の情報を映像で表示し、運転者が安全に走行する上で必要な情報を提供する支援システムや、四輪車ではレーザーレーダーを用いて前方車との距離と相対速度を計測し警報を発したり、ブレーキを作動させるシステムを搭載している。さらに、スズキが小さいクルマづくりを得意とし、また二輪車・四輪車を生産するメーカーである特長を生かし、二輪車・軽四輪車に求められる先進安全技術のコンパクト化技術、二輪車と四輪車が安心して混走できる二輪車存在情報の送受信システムも開発し搭載している。


「スカイウェイブ ASV−2」「SV650 ASV−2」に採用した研究技術
1. 運転者に車両情報・周囲情報を提供する「ヘルメットマウントディスプレイ」(スカイウェイブ搭載)
ヘルメットのシールド(風防)の内側にコンバイナ(半透明スクリーン)を取り付け、運転中の視界を確保しながらスクリーンの一部に車両情報や周囲情報を表示する装置。運転者はわずかな視線移動で有益な情報を得ることができる。例えば、路側通信機からの情報を利用し、目視では見えない前方のカーブの存在や渋滞情報などがヘルメット内に表示できるなど、様々な走行支援システムの表示装置として利用できる。
 
2. 路面を適切に照らす「高輝度前照灯、配光可変型前照灯」(SV650搭載)
高輝度前照灯(ヘッドランプ)を採用して夜間の視認性を向上させるとともに、カーブや交差点で二輪車が傾いた状態でも、ヘッドランプに内蔵したジャイロセンサーを利用し路面を適切に照らすように配光を制御する。
 
3. ヘルメットのシールドの曇りを防止・除去する「視界向上ヘルメット」
ペルチェ素子(電子冷却素子)を用いて除湿した空気をヘルメット内に供給する機能と、シールドを断熱構造(二層構造)とし内側のシールドにヒーター機能を持たせた2つのシステムで雨天時等に発生するシールドの曇りを防止・除去する。
 
「ワゴンR ASV−2」に採用した研究技術
1. 二輪車の存在を周囲の四輪車に知らせる「二輪車存在情報提供装置」
(ワゴンRに受信・表示機能を搭載。二輪車は、スマートクルーズ21では市販スクーターに送信装置を搭載)
二輪車から微弱電波を常時送信して自分の存在を周囲の四輪車に通報する。四輪車は、二輪車の存在の有無と存在方向を判定して、情報をモニターに表示、例えば、後ろから接近する二輪車を早期に発見することができる。
 
2. 「前方障害物警報装置」「衝突軽減制動装置」「ブレーキ併用式車間距離制御機能付定速走行装置」
レーザーレーダーを用いて車間距離と相対車速を計測、情報提供・警告をドライバーに伝える。あるタイミングまで運転者の減速操作がなかった場合には、ブレーキが作動する。
ブレーキとアクセルを制御することにより車両を一定速度に保ち、前方に遅い速度の車両が現れた場合には、車間距離、相対速度に応じて速度を落とし、車間距離を保つようにする。また、渋滞時には停止を含めた制御が行える。
 
3. 走行レーンから車両がそれないように警告する「車線逸脱警報装置」
ルームミラー内に搭載したCCDカメラで車両前方を撮影し、コンピューターが車線を認識、走行レーンからの逸脱が予測された場合、警告を発し運転者に伝える。
 
4. 「後側方・側方情報提供装置」
左右のドアミラー下に内蔵した軽量・小型の距離検出センサーが後側方から接近する車両を認識し、左折や車線変更時に運転者へ情報を伝える。
 
5. 事故発生前後のデータ−を自動的に保存する「ドライブレコーダー」
ルームミラー部に下向きに取り付けた魚眼レンズで、車両内・車両周辺の広範囲の画像を一台のカメラで撮影することができる。加速度センサーにより事故の発生を認識し、事故発生前後の映像と車両データを自動的に保存する。
事故の発生原因を科学的に分析できる。