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2001年2月16日


スズキ財団 平成12年度 科学技術研究助成について


 財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は、2月16日、グランドホテル浜松(浜松市)において理事会を開催し、全国の大学等から応募のあった助成申請に対して、平成12年度の科学技術研究助成として30件、助成総額3,690万円を決定し、引き続き同会場において贈呈式および技術者の交流会を実施する。

 今回研究助成を行うものは、生産関連技術7件、環境・省エネルギー関連技術5件、計測・画像関連技術5件、材料関連技術5件、電子・エレクトロニクス関連技術5件、医療・福祉関連技術3件 の合計30件であり、いずれも独創的、先進的な研究開発テーマである。

 具体的には、環境・省エネルギー関連では、燃料電池の開発※1や内燃機関の燃焼効率を高める研究※2、また計測・画像関連では、原子間力顕微鏡を用いた超精密加工の研究※3、材料関連では、次世代の光機能材料の開発をめざした研究※4、電子・エレクトロニクス関連では電気光学高分子光回路に着目し大容量情報伝達をめざした研究※5など、広く様々な分野にわたる科学技術研究が助成の対象となっている。
※1 別紙一覧のNo.20の研究課題、※2 No.23・26、※3 No.29、※4 No.1・12、※5 No.19)


 同財団はスズキが創立60周年の記念事業として基金を寄託し、昭和55年3月に設立したもので、本年で21回目の研究助成となる。また、同財団では国際会議の開催や海外の学会等への渡航費の助成、海外からの研究留学者の受入助成等の活動も行っている。

 設立以来の助成内容は、総件数625件、累計助成総額7億9,489万円の実績となっている。また財団の資産総額は29億円に達している。

●スズキ財団の概要
財団名財団法人 スズキ財団
所在地東京都港区東新橋2-2-8 スズキビル東新橋(TEL 03-5473-7871)
理事長鈴木 修 (スズキ株式会社 取締役会長)
目 的国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に関わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与する事を目的とする。
資産総額約29億円(平成12年4月1日現在)


平成12年度 スズキ財団 科学技術研究助成一覧
No. 研 究 課 題 大 学 名 役 職 代 表 者
1 光応答性有機磁性材料の開発 愛媛大学 助教授 田中 耕一
2 イン・プロセス・モニター電流による抵抗ろう接継手の強度評価 福井大学 助教授 竹下 晋正
3 遺伝子発現モニタリング法および操作法の研究 甲南大学 教授 杉本 直己
4 水素化処理を用いた新規巨大磁歪材料の開発 東北大学 助手 藤田 麻哉
5 キャビテーション噴流式ショットレス・ピーニング法の開発 東北大学 助教授 祖山 均
6 廃タイヤ・リサイクルゴムチップ成形体の衝撃緩和特性評価 室蘭工業大学 教授 臺丸谷 政志
7 マイクロマシン技術を応用した
術中使用可能な耳小骨可動性測定装置の開発
東北大学 講師 小池 卓二
8 鉄系材料による摩耗を利用したダイヤモンドの精密加工 名古屋大学 助教授 中本 剛
9 新規高分子ミセル型診断システムの開発 東京理科大学 助教授 長崎 幸夫
10 携帯型生活機械のための省エネルギー型アクチュエータ機構の開発 山口大学 助教授 南 和幸
11 遭遇型ハプティックデバイスによる
乗用車の操作パネル模擬システムの開発
京都大学 助教授 横小路 泰義
12 オプトアジレント機能を有する窒化鉄薄膜材料の創製 静岡大学 助教授 高橋 直行
13 高分子フィルムを用いた編込み型マイクロアクチュエータに関する研究 香川大学 助教授 石原 秀則
14 ヒト脳活動の時空間計測技術の開発と
これを用いた脳における言語処理過程の探求
東京都立科学
技術大学
教授 関原 謙介
15 耐熱性インテリジェント構造材料創生のための最適設計に関する研究 島根大学 教授 芦田 文博
16 フラクタルアレーアンテナに関する研究 静岡大学 助教授 桑原 義彦
17 光音響法を用いた非破壊検査手法の研究 東北学院大学 教授 星宮 務
18 超伝導体シールドを用いた
磁気輸送アークイオンプレーティング技術の開発
豊橋技術科学
大学
助教授 滝川 浩史
19 複合微細構造鋳型作製と電気光学高分子光回路に関する研究 静岡大学 助教授 杉原 興浩
20 固体高分子型燃料電池のイオン交換膜特性改善に関する研究 横浜国立大学 教授 神谷 信行
21 実用アルミニウム合金の衝撃特性に及ぼす冷間鍛造の影響 木更津工業高
等専門学校
教授 大藤 晃義
22 遠隔超音波画像診断のためのマスタースレーブロボットの開発 芝浦工業大学 教授 小山 浩幸
23 非定常燃料噴霧の噴霧挙動と混合気形成過程 岡山大学 助手 河原 伸幸
24 高圧下における予混合気の燃焼促進 九州大学 助教授 北川 敏明
25 種々の金属板材の冷間/温間大ひずみ繰返し塑性挙動とそのモデル化 広島大学 教授 吉田 総仁
26 超低質燃料の有効利用を目指した非定常噴霧燃焼機構の解明 九州大学 助教授 田島 博士
27 次世代自動車技術におけるLES流体解析に関する研究 東京大学 教授 小林 敏雄
28 自発浸透現象を応用した高効率・高出力エンジン用複合強化ピストンの 高生産性プロセスの研究開発 広島大学 助手 吉田 誠
29 超音波振動切削可能な原子間力顕微鏡の開発と
ナノメートルスケールの表面加工に関する研究
静岡大学 助手 岩田 太
30 3D映像によって発生する視因性動揺病の原因刺激の解析と
その対策に関する研究
鳥取大学 助教授 井須 尚紀
*順不同、敬称略