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1998.12.01
スズキ株式会社は、このほど中国の合弁会社「重慶長安鈴木汽車有限公司(長安鈴木)」が同国政府より正式認可を受け、合わせて乗用車年間10万台の生産認可を取得した、と発表した。日本の自動車メーカーの乗用車合弁プロジェクトで正式認可の下に本格的な生産を開始するのは、スズキが初めて。 スズキは1993年4月、日商岩井株式会社、および長安汽車有限責任公司(長安汽車)との3社で、日本の自動車メーカーとして初めて中国における乗用車の生産・販売に関する合弁契約に調印し、当時の制度に基づいて同年5月に長安鈴木を設立、四川省の認可を受けた。同社は1995年5月、スズキの小型乗用車「アルト」(中国名「奥拓」)の生産を開始し、現在四川省を中心に販売している。また長安汽車は、1984年以来技術提携関係のパートナーとしてスズキの小型商用車を生産しており、1997年には長安集団(グループ)単独で11万4千台と初めて10万台を超えるスズキ車の生産を行った。 近年中国では個人向け小型乗用車の市場が拡大傾向にあり、また中国政府も個人需要の拡大には、低価格、低燃費の経済型乗用車の普及が不可欠と位置付け、1994年に自動車工業産業政策の見直しを行い、生産性の高いメーカーを積極的に育成する方針を打ち出している。この中で乗用車については年間15万台達成がメーカーとしての存続の条件とし、自国産業の育成とモータリゼーションの促進を図っている。 長安鈴木は、この新しい自動車政策に呼応して中国政府に対し認可申請を行ってきたが、この度正式に中央の認可を受けたもの。これにより、長安汽車の持つ5万台の生産認可と合わせ、乗用車メーカーとしての存続の条件である15万台が、長安集団として認可された。日本の自動車メーカーの乗用車合弁プロジェクトで正式認可の下に本格的な生産を開始するのは、スズキが初めてとなる。 また長安鈴木は、12月中に1,000万米ドルの増資を実施し、スズキ、日商岩井、長安汽車の3社が引き受ける。長安鈴木はこれを設備資金に充当し、順次市場の拡大に応じて設備の増強を行う。増資後の資本金は7,000万米ドル。スズキの出資比率は35%で従来と変わらない。 【重慶長安鈴木汽車有限公司の概要】
以 上
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