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1999.2.19


スズキ財団 平成10年度 科学技術研究助成について


 財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は、2月19日、グランドホテル浜松(浜松市)において理事会を開催し、全国の大学、研究所等から応募のあった助成申請に対して、平成10年度の科学技術研究助成として27件、助成総額3,425万円を決定し、引き続き同会場において贈呈式および技術者の交流会を実施する。

 今回研究助成を行うものは、環境・省エネルギー技術関連8件、計測・画像技術関連5件、材料技術関連5件、電子・エレクトロニクス技術関連4件、生産技術関連4件、医療・福祉技術関連1件、の合計27件であり、いずれも独創的、先進的な研究である。

 環境・省エネルギー関連では、将来の有望なエネルギー源とされる燃料電池および燃料電池自動車普及のための社会インフラシステムの研究や、計測・画像関連では画像解析による三次元動体認識システムの開発、電子・エレクトロニクス関連ではマルチメディア情報を用いた知能ロボットに関する研究、など、広く様々な分野にわたる科学技術研究が助成の対象となっている。

 (助成対象研究一覧は下記の通り)

 尚理事会に先立ち、スズキ本社で同財団の主催により、スズキの研究・技術者などに対して、慶應義塾大学 大学院 相磯 秀夫教授(演題:「デジタル社会はどこまで便利か?」)、および東京電機大学 理工学部 佐藤 太一教授(演題:「サウンドデザイン技術の開発」)の講演会が行われる。

 同財団はスズキ(株)が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、昭和55年3月に設立したもので、本年で19回目となる研究助成とともに、普及・海外等の助成活動を行っている。設立以来の助成内容は、総件数546件、累計助成総額7億1,204万円の実績となっている。また財団の資産総額は28億円に達している。

スズキ財団の概要
・財団名 財団法人 スズキ財団
・所在地 東京都港区東新橋2−2−8 スズキビル東新橋
     TEL03−5473−7871
・理事長  鈴木 修 (スズキ株式会社 社長)
・目 的 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に関わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与する事を目的とする。
・資産総額 約28億円(平成10年4月1日現在)
平成10年度 科学技術研究助成一覧
番号 研 究 課 題 大 学 名 役 職 代 表 者
1 高速切削用動力計の開発 金沢大学 助教授 平尾 政利
2 植物に見る折畳み・展開構造の工学的研究 室蘭工業大学 助教授 小林 秀敏
3 音響の位相遅れを利用した丸棒加工物形状の測定方法の開発 福山大学 教授 一宮 亮一
4 生物に学ぶ新素材の開発 東京工業大学 教授 本川 達雄
5 自動車利用が促進する地球温暖化の防止に関する総合的研究 東京大学 助教授 大矢 禎一
6 形状記憶合金を用いたインテリジェント複合材料の解析設計法と評価に関する研究 筑波大学 助教授 河井 昌道
7 フォトリフラクティブ光メモリによる3次元物体の認識 名古屋大学 助教授 新美 智秀
8 炭化珪素系複合アモルファス物質の創製 高松工業高等専門学校 教授 齋藤 順雄
9 流体中に噴出される固体粒子運動の支配因子の解明 群馬大学 文部教官
助手
石間 経章
10 知識処理システムと三次元材料流動解析を複合した逆解析手法による鍛造工程設計エキスパートシステムの研究 群馬大学 助手 大橋 隆弘
11 大気中環境における接触熱抵抗に関する研究 神戸商船大学 教授 福岡 俊道
12 燃料電池の負荷変動特性に関する研究 豊橋技術科学大学 教授 恩田 和夫
13 省資源・無毒性の新型Cu2ZnSnS4系薄膜太陽電池の高効率化 長岡工業高等専門学校 助教授 片桐 裕則
14 エンジンシリンダ内乱流予混合火炎構造に関する研究 岡山大学 教授 冨田 栄二
15 サウンドデザイン技術の開発 東京電機大学 教授 佐藤 太一
16 インテリジェントハイブリッド変形・応力場計測法の基礎研究とその開発 神戸商船大学 教授 西岡 俊久
17 高周波変動電磁力を利用した細管内面の超精密仕上げ法とその加工装置の開発 宇都宮大学 助手 山口 ひとみ
18 画像解析による三次元動体認識システムの開発 大阪産業大学 教授 近江 和生
19 超音速流中における保炎現象の機構解明に関する研究 岐阜大学 助手 高橋 周平
20 水素ジェット点火法による燃焼制御 豊田工業高等専門学校 講師 鬼頭 俊介
21 アルミニウム合金のレーザ溶接モニタリング技術に関する研究 千葉大学 教授 渡部 武弘
22 マルチメディア情報を用いた知能ロボットのインテリジェント化 大阪府立大学 教授 大松 繁
23 タイムサイドローブ零の符号化信号を用いた地中レーダの研究 電気通信大学 教授 荒井 郁男
24 太陽電池用薄膜プロセスのための大面積・高密度マイクロ波プラズマ源の開発 埼玉大学 助教授 白井 肇
25 自発浸透性プリフォームによる低コスト・高生産性複合材料の製造 広島大学 助手 吉田 誠
26 車両運転の快適性評価法の確立 帝京平成大学 教授 武者 利光
27 燃料電池自動車普及のための社会インフラシステム構築 東京大学 助手 瀧口 信一郎
*順不同、敬称略