エスクード
オンロード、オフロードを問わない快適性と走破性を両立した都市型小型SUV
1980年代まで、クロスカントリー4WD車は特殊用途車で、ユーザーも限定されていた。しかし、街中でクロスカントリー4WD車を使用するユーザーが増えるなど、使用シーンの変化傾向をいち早く捉えた当社は、コンパクトな車体に本格的なオフロード車のメカニズムを搭載する都市型SUVとして、1988年5月にエスクードを発売した。
他社のクロスカントリー4WD車の空白地帯となる1.6Lクラスの車とし、当初は3ドアのハードトップ、幌(ほろ)付きコンバーチブル、バン、レジントップのラインアップとした。また、1990年に5ドアのエスクード・ノマドを発売した。
都市型SUVというコンセプトが市場に理解されない時代もあったが、エスクードがパイオニアとして開拓したこの市場は次第に拡大した。
海外では1989年にGMとの提携により、カナダのCAMIで「Sidekick(サイドキック)」として生産、北米で販売した。また、磐田工場が「Vitara(ビターラ)」の車名で生産して各国に輸出した。「Vitara」は特に欧州で小型SUVのパイオニアとして高い評価を受け、スズキのブランド浸透に大きく貢献した。
現在、エスクードはマジャールスズキ製となっている。
1988 | エスクード 初代
オンロードも快適、ファッショナブルなコンパクトSUV
ラダーフレームをもつFRベースの本格的な4×4クロカンモデルながら、オンロードでの走行性能に重点を置き、ファッション感覚も高めた新しいタイプの都市型4WD。エクステリアはブリスターフェンダーをはじめ、曲面を多用してフラッシュサーフェイス化を図り、これまでにない新鮮なフォルムを実現した。パワートレインにはトランスミッションとトランスファーを一体設計した、シンプルで静粛性に優れるセンタースルー方式の4WD機構を採用し、オフロードでの走破性能とオンロードでのコーナリング性能を向上させた。3ドアのハードトップ、コンバーチブル、ハードトップバンを設定した。
機種情報 | 車両型式 | E-TA01W | E-TA01R | R-TA01V | |
車種 | ハードトップ | コンバーチブル | ハードトップバン | ||
機種記号 | SHXR | SCXR | SHZJ | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 3,560 | ||
全幅 | 1,635 | ||||
全高 | 1,665 | ||||
ホイールベース(mm) | 2,200 | ||||
車両重量(kg) | 1,010 | 990 | 950 | ||
エンジン | エンジン型式 | G16A | |||
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 SOHC 8バルブ | ||||
総排気量(cc) | 1,590 | ||||
最高出力 | 82PS/5,500rpm | ||||
価格 | 1,470,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1990 | エスクード ノマド
快適で使いやすいロングボディーの5ドアモデル
より使いやすい都会派オフローダーを求める声に応えた、ロングボディーの5ドア車。3ドアモデルに対して全長を415mm、ホイールベースを280mm延長した結果、ステーションワゴンとしても高い実用性を持つモデルとなった。質感の高いモケットシートやフロントベンチレーティッドディスクブレーキなど、ロングドライブを前提としたさまざまな装備も採用した。サブネームのノマド(NOMADE)はフランス語で遊牧民を意味する。たっぷりの荷物を積んで、移動に対する真の自由性を持つクルマというイメージを投影した。後にエンジンバリエーションを増やし、J20A型2000cc4気筒DOHC 16バルブ、RF型2000ccディーゼル・インタークーラーターボ、H20A型2000ccV型6気筒DOHC 24バルブ、同2500cc車も追加した。
機種情報 | 車両型式 | E-TD01W | ||
トランスミッション | 5速マニュアル | 4速オートマチック | ||
機種記号 | SNXJ-2 | SNXR-2 | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 3,975 | |
全幅 | 1,635 | |||
全高 | 1,700 | |||
ホイールベース(mm) | 2,480 | |||
車両重量(kg) | 1,160 | 1,180 | ||
エンジン | エンジン型式 | G16A | ||
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 SOHC 16バルブ | |||
総排気量(cc) | 1,590 | |||
最高出力 ネット | 100PS/6,000rpm | |||
価格 | 1,778,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1990 | エスクード (レジントップ)
脱着式ルーフで新しい走りの楽しさを実現
1990年8月には全車に16バルブエンジンと4速フルオートマチックを搭載するマイナーチェンジを行った。ニュージャンルの都会派4WD車エスクードに同年9月に加わった、よりファッショナブルなボディーバリエーションがレジントップ。前席上部に脱着可能な樹脂製のサンルーフを備え、コンバーチブルの開放感とハードトップの気密性を兼ね備えたモデルとなった。音質に優れた4スピーカーのオーディオや、パワーウインドー、パワーステアリング、パワードアロックなどの装備も充実させた。
機種情報 | 車両型式 | E-TA01R | ||
トランスミッション | 5速マニュアル | 4速オートマチック | ||
機種記号 | SRXJ-2 | SRXR-2 | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 3,560 | |
全幅 | 1,635 | |||
全高 | 1,695 | |||
ホイールベース(mm) | 2,200 | |||
車両重量(kg) | 1,050 | 1,070 | ||
エンジン | エンジン型式 | G16A | ||
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 SOHC 16バルブ | |||
総排気量(cc) | 1,590 | |||
最高出力 ネット | 100PS/6,000rpm | |||
価格 | 1,830,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1997 | エスクード 2代目
正常進化させ、洗練された乗り心地と走破性を両立
世界で135万台を販売した初代エスクードの後継車。「洗練されたデザインで軽量・コンパクトな本格クロスカントリー4×4」という初代の特長をさらに進化させた上で、衝突安全性や快適性、乗り心地、静粛性、操縦安定性などの性能を一層向上させた。エンジンは1600cc SOHC 16バルブと2000ccDOHC 16バルブの2種類を設定。走行中に2WDと4WDの切り替えができる「ドライブセレクト4×4」を搭載した。リヤサスペンションに新開発の5リンクリジッドサスペンションを採用した結果、新設計の高剛性ラダーフレームを備えたボディーと相まって、乗り心地や操縦安定性が一層向上した。1998年には5ドアにH25A型2500ccV型6気筒DOHC 24バルブ、RF型2000ccディーゼル・インタークーラーターボを搭載し、3ナンバー車幅のワイドボディーを追加した。
機種情報 | 車両型式 | GF-TD02W | GF-TD52W | GF-TA02W | |
グレード | 5ドア1600JM | 5ドア2000JM | 3ドア1600JM | ||
機種記号 | SNMR | YNMR | SHMR | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 4,090 | 3,810 | |
全幅 | 1,695 | ||||
全高 | 1,685 | ||||
ホイールベース(mm) | 2,480 | 2,200 | |||
車両重量(kg) | 1,280 | 1,330 | 1,220 | ||
エンジン | エンジン型式 | G16A | J20A | G16A | |
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 SOHC 16バルブ |
水冷 4サイクル 直列 4気筒 DOHC 16バルブ |
水冷 4サイクル 直列 4気筒 SOHC 16バルブ |
||
総排気量(cc) | 1,590 | 1,995 | 1,590 | ||
最高出力 | 107PS/6,000rpm | 140PS/6,500rpm | 107PS/6,000rpm | ||
価格 | 1,498,000円(消費税を含まず)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
2005 | エスクード5ドア 3代目
伝統を守りながらさらに快適に進化
3代目のコンセプトは、「エスクードのオリジナリティと本格オフロード性能を継承し、進化させた新しいSUV」。スタイリッシュなデザインに、ビルトインラダーフレーム構造やLSD付センターデフ方式フルタイム4WDシステム、新開発の四輪独立サスペンションなどを新たに開発、採用した。オフロード走行性能をより向上させるとともに、オンロードでのスムーズで快適な走行性能も両立させた。エンジンは直列4気筒2000ccとV型6気筒2700ccを設定。2000ccエンジンには可変吸気システムを新たに採用して扱いやすさを向上させた。2008年にはV型6気筒の3200ccと直列4気筒の2400ccの新開発エンジンを搭載した。全車、5ドア、5人乗り。
機種情報 | 車両型式 | CBA-TD54W | CBA-TD94W | ||
グレード | 2.0XE | 2.0XG | 2.7XS | ||
機種記号 | YNEX | YNGX | YNST | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 4,390 | ||
全幅 | 1,810 | ||||
全高 | 1,695 | ||||
ホイールベース(mm) | 2,640 | ||||
車両重量(kg) | 1,550 | 1,620 | |||
エンジン | エンジン型式 | J20A | H27A | ||
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 DOHC 16バルブ | 水冷 4サイクル V型 6気筒 DOHC 24バルブ |
|||
総排気量(cc) | 1,995 | 2,736 | |||
最高出力 | 107kW(145PS)/6,000rpm | 135kW(184PS)/6,000rpm | |||
価格 | 1,942,500円(消費税込み)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
2006 | エスクード3ドア(1600cc)
アウトドア志向のユーザーに向けたコンパクトな本格4WD
登場当初は5ドアのみだった3代目エスクードに3ドア車を設定。コンパクトな本格的四輪駆動車を求めるアウトドアレジャー志向のニーズに応えた。1600ccエンジンを搭載したほか、専用デザインの16インチアルミホイールや、悪天候時の視認性を高めるフォグランプを装備したほか、フルオートエアコンを標準で装備した。トランスミッションは5速MTのみとした。
機種情報 | 車両型式 | CBA-TA74W | |
グレード | 1.6XC | ||
機種記号 | YHCJ-2 | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 3,950 |
全幅 | 1,810 | ||
全高 | 1,695 | ||
ホイールベース(mm) | 2,440 | ||
トレッド(mm) | 前 | 1,540 | |
後 | 1,560 | ||
車両重量(kg) | 1,420 | ||
エンジン | エンジン型式 | M16A | |
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 DOHC 16バルブ | ||
総排気量(cc) | 1,586 | ||
最高出力 | 78kW(106PS)/5,900rpm | ||
価格 | 1,764,000円(消費税込み) |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
2015 | エスクード 4代目
高度なメカニズムでオンとオフの性能を高次元で両立
4代目エスクードはハンガリーの製造子会社、マジャールスズキ社で生産し、自社ブランドの輸入車として日本で販売。高性能と低燃費を両立した1600ccエンジンと、新開発の6速ATを搭載。また、新世代四輪制御システム「ALLGRIP」を採用して、伝統的な高い悪路走破性能を確保した。一方、欧州での徹底的な走り込みによって安定した足まわりとハンドリング性能を追求。オンロードの軽快な走りが楽しめる2WD車も設定した。また、2017年にはスポーティーな1400cc直噴ターボ車も加えた。2018年にはスズキ初の全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールを標準装備した。
機種情報 | 車両型式 | DBA-YD21S | DBA-YE21S | |
トランスミッション | 6AT | フルタイム4WD 6AT | ||
機種記号 | MBSK | MBSL | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 4,175 | |
全幅 | 1,775 | |||
全高 | 1,610 | |||
ホイールベース(mm) | 2,500 | |||
車両重量(kg) | 1,140 | 1,210 | ||
エンジン | エンジン型式 | M16A | ||
エンジン種類 | 水冷 4サイクル 直列 4気筒 DOHC 16バルブ VVT | |||
総排気量(cc) | 1,586 | |||
最高出力 ネット | 86kW(117PS)/6,000rpm | |||
価格 | 2,127,600円(消費税8%込み)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。