スズライト
日本における軽自動車のパイオニア
戦後、四輪車の再開発に踏み切った当社が初めて生産した軽四輪シリーズ。
1954年1月に研究を開始し、同年9月1日に試作第1号車を、10月25日に試作第2号車完成を待って、箱根で登坂テストを行った。
その結果、誕生したのがスズライトシリーズである。日本のモータリゼーション発展のため、当時の通産省が打ち出した国民車構想に対するスズキの回答でもあった。
名称は「スズ=スズキの略+ライト=軽い・光明」に由来する。
1955 | スズライトSS
日本初の量産軽自動車

スズライトシリーズの1号車でセダンとして発売した。エンジンは空冷2サイクルエンジンを搭載。バックボーン型のモノコック・ボディーや、乗り心地が良い四輪独立懸架式サスペンション、日本初のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式採用など、当時の最新技術を満載した。
機種情報 | 車名 | スズライトSS (セダン) | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,990 |
全幅 | 1,298 | ||
全高 | ― | ||
ホイールベース(mm) | 2,000 | ||
車両重量(kg) | 520 | ||
エンジン | エンジン型式 | L型 | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 360 | ||
最高出力 | 15.1PS/3,800rpm | ||
価格 | 420,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1955 | スズライトSL
ファストバックスタイルの貨物兼用ライトバン

当時、乗用車に課せられていた15%の物品税を免除されるために開発した。形は乗用車だが、後部を開閉ドアとし、荷室面積1㎡、積載量 200㎏の荷台を設けた。折り畳み式の内部補助席を起こせば3人まで乗車可能であり、貨客兼用車として活躍した。
機種情報 | 車名 | スズライトSL (ライトバン) | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,990 |
全幅 | 1,298 | ||
全高 | ― | ||
ホイールベース(mm) | 2,000 | ||
車両重量(kg) | 520 | ||
エンジン | エンジン型式 | L型 | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 360 | ||
最高出力 | 15.1PS/3,800rpm | ||
価格 | 390,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1955 | スズライトSP
スズライトSSをベースとしたピックアップ

広いスペースの荷台に防水・防じん用の巻き上げ式のカバーを備え、多くの手荷物が搭載できた。商用はもちろん、乗用車代わりに顧客の送迎に使われるなど、便利な運搬車として利用された。
機種情報 | 車名 | スズライトSP (ピックアップ) | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,990 |
全幅 | 1,298 | ||
全高 | ― | ||
ホイールベース(mm) | 2,000 | ||
車両重量(kg) | 500 | ||
エンジン | エンジン型式 | L型 | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 360 | ||
最高出力 | 15.1PS/3,800rpm | ||
価格 | 370,000円(東京価格)より |
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1955 | スズライトSD
スズライトSSをベースとしたデリバリーバン

一見すると大型車に見えるエクステリアと、室内の合理的な処理によってライトバンのスズライトSLよりも広い荷室スペースを確保し、かさばる荷物の運搬に利用された。
機種情報 | 車名 | スズライトSD (デリバリーバン) | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,990 |
全幅 | 1,298 | ||
全高 | ― | ||
ホイールベース(mm) | 2,000 | ||
車両重量(kg) | ― | ||
エンジン | エンジン型式 | L型 | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 360 | ||
最高出力 | 15.1PS/3,800rpm | ||
価格 | ― |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。
1959 | スズライトバンTL
当時、市場の中心にあった商用車として開発

フロントガラスに曲面ガラスを採用したほか、「大きな居住空間と荷室」、「力強く加速性の高い軽自動車」として高い評価を得た。またマイナーチェンジ時に、バックドアを上下2分割式に変更し使い勝手を向上させたところ、TLの人気はさらに高まり、当社の軽自動車生産は急激な伸長を見せた。発表3カ月後の1959年12月には当初の目標であった月産200台に達し、1960年には年産5,824台の生産実績を上げている。
機種情報 | 車名 | スズライトバンTL | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,990 |
全幅 | 1,295 | ||
全高 | ― | ||
ホイールベース(mm) | 2,050 | ||
車両重量(kg) | 490 | ||
エンジン | エンジン型式 | T型 | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 360 | ||
最高出力 | 21PS/5,500rpm | ||
価格 | 385,000円(工場裸渡し価格)より |
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1963 | スズライトバンFE
オイルとガソリンの自動混合「セルミックス機構」を採用

新設計のスクエアタイプのエンジンを搭載し、TLに比べて加速性能を15%アップ、室内も20%広くした。オイルとガソリンの画期的な自動混合装置「セルミックス機構」を採用し、燃費を20%向上させた。また、1964年初めのマイナーチェンジからボール型等速ジョイントを採用し、耐久性を向上させた。エンジンは、空冷2サイクル2気筒360ccを搭載。
機種情報 | 車名 | スズライトバンFE | ||
グレード | スタンダード | デラックス | ||
機種記号 | ― | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,995 | |
全幅 | 1,295 | |||
全高 | ― | |||
ホイールベース(mm) | 2,050 | |||
車両重量(kg) | 530 | 535 | ||
エンジン | エンジン型式 | FE | ||
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | |||
総排気量(cc) | 359 | |||
最高出力 | 21PS/5,500rpm | |||
価格 | 360,000円(現金正価)より |
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1965 | スズライトバンFEⅡ
軽ライトバンの完成モデル

スズライトバンTLをベースとしつつ、ライトバン本来の機能や使い勝手を重視して大幅なモデルチェンジを加えた軽ライトバンの完成モデルが1963年に発売したスズライトバンFEであった。その後継が1965年のFEⅡであり、新開発のCCISを採用して、エンジンの耐久性や、高速性をさらに向上させた。また、車内の乗用車ムードを高めるためにデラックスな装備とした。
機種情報 | 車名 | スズライトバンFEⅡ | |
グレード | ― | ||
機種記号 | ― | ||
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,995 |
全幅 | 1,295 | ||
全高 | 1,380 | ||
ホイールベース(mm) | 2,050 | ||
車両重量(kg) | 535 | ||
エンジン | エンジン型式 | FE | |
エンジン種類 | 空冷 2サイクル 直列 2気筒 | ||
総排気量(cc) | 359 | ||
最高出力 | 22PS/5,000rpm | ||
価格 | 360,000円(東京価格)より |
※代表するグレードの諸元値を表示しています。