1958 | スズモペットSM1
日本のモペッドの草分けとなった原動機付き自転車

1954年12月に発売した自転車用補助エンジンMF型(ミニフリー号)を、プレスフレームの車体に搭載して50cc完成車としてまとめたのがSM型。日本のモペッドの草分けといえるモデルで、セルペットの前身となった。2サイクルのエンジンは最高出力2PS。クラッチ操作でエンジン駆動とペダル駆動を切り替えることができた。前輪にボトムリンク式、後輪にピボット式の本格的なサスペンションも装備。二次駆動に当初はチェーンではなくVベルトを採用していた。
(注:モペッドはヨーロッパを発祥とするペダルの付いた原動機付き自転車(Motor + Pedal)のことであるが、日本では和製英語としてモペットと呼ばれていた。)
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,840 |
全幅 | 640 | ||
全高 | 960 | ||
軸間距離(mm) | 1,170 | ||
車両重量(kg) | 50 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 50 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 38×44 | ||
最高出力 | 2.0ps/4500rpm | ||
最大トルク | |||
変速機形式 | 単速 | ||
タイヤサイズ(前) | 24×2 | ||
タイヤサイズ(後) | 24×2 | ||
価格(円) | 45,000 |
1959 | スズモペットSM2
チェーン駆動やスピードメーターも付き、バイクらしく進化

当時は14歳から運転できたスズモペットSM1の後期モデルとなるSM2は、新設計のプレスバックボーンフレーム採用などで大量生産方式によるコストダウンが図られた。また二次駆動を当初のVベルトからオーソドックスなチェーンに変更。空冷2サイクルエンジンは最高出力を2PSから2.2PSへとパワーアップし、最高速もSM1の45km/hから50km/hに向上させた。前モデルと同様に、ペダルでの人力走行も可能で始動もペダル式だったが、このモデルからスピードメーターを追加装備した。
(注:モペッドはヨーロッパを発祥とするペダルの付いた原動機付き自転車(Motor + Pedal)のことであるが、日本では和製英語としてモペットと呼ばれていた。)
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,870 |
全幅 | 630 | ||
全高 | 940 | ||
軸間距離(mm) | 1,170 | ||
車両重量(kg) | 53 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 50 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 38×44 | ||
最高出力 | 2.2ps/5000rpm | ||
最大トルク | |||
変速機形式 | 単速 | ||
タイヤサイズ(前) | 24×2-2P | ||
タイヤサイズ(後) | 24×2-4P | ||
価格(円) | 44,000 |
1960 | セルペットMA
高性能エンジンと4段ミッションを備える本格オートバイへ

スズモペットに代わってペダルをなくし、原付バイクと同様にエンジンだけで走るオートバイになった。ミドルボーンと呼ぶフレームを低い位置に通したデザインは、初心者でも乗りやすかった。本格的なダンパー付サスペンションを採用し、悪路でも良好な乗り心地を実現したのも特長。エンジンは、セルモーターを装備した最高出力4PSを発揮する2サイクル単気筒、4段ミッションを採用した。このエンジンを後に50ccレーサーに採用し、TTレース優勝を成し遂げた。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,760 |
全幅 | 605 | ||
全高 | 895 | ||
軸間距離(mm) | 1,150 | ||
車両重量(kg) | 58 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 50 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×38 | ||
最高出力 | 4.0ps/8000rpm | ||
最大トルク | 0.38kgm/7000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式4速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 58,000 |
1962 | セルペットME
日本初の電磁クラッチを採用した乗りやすい原付

スムーズな乗りやすさに主眼を置いて開発。当社独自の電磁クラッチを日本で初採用した。そのため、初心者には繁雑な機械式クラッチの手動操作を省くことができた。電磁式なのでスタート、加速、変速時のショックがなく、オイルダンパー付きのサスペンションと相まって乗り心地良くスムーズに走れた。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,760 |
全幅 | 595 | ||
全高 | 900 | ||
軸間距離(mm) | 1,150 | ||
車両重量(kg) | 69 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 50 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×38 | ||
最高出力 | 4.0ps/8000rpm | ||
最大トルク | 0.38kgm/7000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式4速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 62,000 |
1963 | セルペットM30
自動遠心クラッチで経済的で軽快に走れる

アンダーボーンタイプのモデル。MEの後継モデルで、タンクをシート下に移した。クラッチを切らずに変速できる新機構、自動遠心クラッチを採用。カウンターシャフト上に装着する構造で、故障がなく調整も不要だった。また、ナイトハルト(特殊ゴム)緩衝機構を遠心クラッチに内蔵したことによってスタートや変速時のショックを滑らかに吸収することができた。トランスミッションには3段ロータリー式を採用。エンジンも自動遠心クラッチに合わせ、特に低速での燃費を重視して開発した。定地燃費95km/Lの経済性を実現した。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,750 |
全幅 | 610 | ||
全高 | 930 | ||
軸間距離(mm) | 1,130 | ||
車両重量(kg) | 62 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 50 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×38 | ||
最高出力 | 3.3ps/6500rpm | ||
最大トルク | 0.40kgm/5000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 55,000 |
1966 | U50
初心者にも扱いやすいメカニズムを完備

50ccではスズキとして初のロータリーディスクバルブを採用した、扱いやすい2サイクル単気筒エンジンを搭載。トランスミッションは交差点でもたつく心配のないロータリーチェンジ式の3段を採用。トップからワンタッチでニュートラルに戻せた。また、ギヤ位置に関係なくクラッチを切ったままで始動できるプライマリーキック方式を採用するなど、初心者でも簡単かつ気楽に乗れるように配慮した。燃費は95km/Lと経済的だった。後にスーパーフリーを経てバーディーへと発展する基盤にもなった。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,800 |
全幅 | 615 | ||
全高 | 985 | ||
軸間距離(mm) | 1,180 | ||
車両重量(kg) | 72 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 47 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 38×42 | ||
最高出力 | 4.5ps/7000rpm | ||
最大トルク | 0.51kgm/5000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 58,000 |
1969 | スーパーフリー50
二輪車初のリードバルブ採用で走りと燃費を向上

主に低回転域でパワーアップさせるために、二輪車で初めてリードバルブを採用した2サイクルエンジンを搭載。発進・登坂性能の向上と、優れた燃費を実現した。当社独自の給油方式であるCCIも採用し、オイル消費量の低減と高い耐久性も実現した。スタイリングはリヤフェンダーをフレームから分離した上で、2トーンに塗り分け、モダンで軽快にしたのが特長。また、美しいラインを描くU型フレームは乗りやすさを重視した設計とした。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,815 |
全幅 | 650 | ||
全高 | 1,030 | ||
軸間距離(mm) | 1,180 | ||
車両重量(kg) | 70 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 49 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×37.8 | ||
最高出力 | 4.5ps/7000rpm | ||
最大トルク | 0.52kgm/5000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 58,000 |
1973 | バーディー50
誰にでも乗りやすいよう設計したビジネスバイク

アンダーボーンタイプでは1969年発売のスーパーフリー50で初めてリードバルブを採用し、信頼性を高めた。バーディー50では、このエンジンをさらに改良し、低中速での出力を向上させ滑らかで粘り強い性能を引き出した。自動遠心クラッチとロータリー式3段ミッションを採用して、初心者でも簡単な操作で気軽に取り扱うことができるようにしている。二輪車初のガソリン残量がわかるフューエルランプを標準装備。フロントブレーキの操作でも点灯するブレーキランプや薄暮灯など、安全装備も充実させた。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,825 |
全幅 | 650 | ||
全高 | 1,050 | ||
軸間距離(mm) | 1,180 | ||
車両重量(kg) | 73 | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 49 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×37.8 | ||
最高出力 | 4.5ps/6000rpm | ||
最大トルク | 0.56kgm/5000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 66,000 |
1990 | RC50
効率的な冷却方式を採用したタフなビジネスバイク

ビジネスの幅広い用途に応えた実用車で、大型リヤキャリアとフロントキャリアを標準装備。前輪にテレスコピックフォークを採用して快適な乗り心地も実現した。最高出力4.9PSの新設計50cc 2サイクル単気筒エンジンは、シリンダーヘッド部分を自然空冷で、シリンダー部分をファンで冷却する効率的なジェットクールド方式を採用。熱ダレせず安定した性能を発揮するとともに、低燃費と4.4Lの大型フューエルタンクが相まって、長距離走行を可能とした。また、軽快なシフトチェンジができるPECSを採用して快適でスムーズな走りができた。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,875 |
全幅 | 650 | ||
全高 | 1,010 | ||
軸間距離(mm) | 1,175 | ||
車両重量(kg) | 80(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 49 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×37.4 | ||
最高出力 | 4.9ps/6000rpm | ||
最大トルク | 0.62kgm/5500rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-4PR | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-4PR | ||
価格(円) | 169,000 |
1995 | バーディー50
ビジネスの幅広い用途に応えられる性能と装備を採用

RC50の名で販売してきた2サイクルビジネスバイクをマイナーチェンジ。積載性に優れたボトムリンク式前輪サスペンションの採用や、悪天候に強いエアクリーナーボックス、ウインカースイッチの位置変更、ヘッドランプの照度アップなど、さまざまな仕様・装備を見直すことにより、ビジネスで求められる幅広い用途に応えた。強化サイドスタンドや、ブレーキとリヤタイヤのサイズアップなどを施した新聞仕様などの豊富なバリエーションも設定した。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 1,855 |
全幅 | 635 | ||
全高 | 1,005 | ||
軸間距離(mm) | 1,160 | ||
車両重量(kg) | 80(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 空冷2サイクル単気筒 | |
総排気量(cc) | 49 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 41×37.4 | ||
最高出力 | 4.9ps/6000rpm | ||
最大トルク | 0.62ps/5500rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式3速ロータリー | ||
タイヤサイズ(前) | 2.25-17-33L | ||
タイヤサイズ(後) | 2.25-17-33L | ||
価格(円) | 149,000 |