1986 | GSX-R1100輸出車
1985年にデビューしたGSX-R750の兄貴分、1100ccフラッグシップモデル

前年に発売したGSX-R750とコンセプトは同じで、1100ccまで排気量をアップさせたフラッグシップモデル。コンピュータ解析により設計したフレームは、従来の機種に対して強度を向上させながらも約25%の軽量化を果たした。エンジンは1100cc油冷4サイクル直列4気筒DOHC 4バルブで、シリンダーヘッド部に毎分20Lのオイルを吹き付け、回収してきた熱を大型オイルクーラーで放熱する先進的なSACSを採用。最高出力は130PSを発揮した。エンジン重量は従来の空冷に比べて22%軽量化。その結果、乾燥重量197kgとなり、パワーウェイトレシオは驚異の1.51を達成した。スタイリングデザインは、GSX-R750と同じ横2灯ヘッドランプを採用して精悍なレーサー風スタイルとした。このGSX-Rシリーズの遺伝子は現在のGSX-R1000Rまで延々と引き継がれている。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,115 |
全幅 | 720 | ||
全高 | 1,235 | ||
軸間距離(mm) | 1,460 | ||
車両重量(kg) | 197(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 油冷4サイクル4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 1,052 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 76×58 | ||
最高出力 | 130ps/9,500rpm | ||
最大トルク | 10.3kgm/8,500rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 110/80VR18 | ||
タイヤサイズ(後) | 150/70VR18 | ||
価格(円) | - |
1989 | GSX-R1100輸出車
3年目のフルモデルチェンジでエンジン、車体ともに強化

1986年にデビューして以来、3年目のフルモデルチェンジ。前年にフルモデルチェンジしたGSX-R750のスタイリングデザインを踏襲。油冷直列4気筒DOHC 4バルブエンジンはボア×ストロークを76mm×58mmから78mm×59mmに変更し、排気量は1052ccから1127ccに拡大。カウリング前方へのエアインテーク導入、2本マフラーの採用などで最高出力は130PSから143PSにパワーアップした。出力向上に対応するため、オイルクーラーを湾曲タイプに変えて冷却効率を上げたほか、フレーム剛性を25%向上させて走行性能の向上を図った。マフラーを2本出しとしたこともあり、乾燥重量は初期型に対して13kg増加の210kgとなった。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,050 |
全幅 | 760 | ||
全高 | 1,175 | ||
軸間距離(mm) | 1,425 | ||
車両重量(kg) | 210(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 1,127 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 78×59 | ||
最高出力 | 138ps/9,500rpm | ||
最大トルク | 11.4kgm/7,250rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 160/60ZR17 | ||
価格(円) | - |
1993 | GSX-R1100輸出車
水冷エンジンに変えて登場したGSX-Rシリーズのフラッグシップモデル

最高出力の向上に加えて、低開度からの鋭い加速や、ヘビーユースでの高い冷却性能が求められたため、2度目のフルモデルチェンジでは水冷方式を採用した。大型ラジアルフローラジエターを搭載したほか、空冷オイルクーラー、オイルジェットピストン冷却などを採用して、強力な水冷システムを完成させた。ボア×ストロークは75.5mm×60mmとロングストローク寄りに変更し、排気量は1074ccに縮小した。しかし、最高出力は前年モデルに比べて155PSと10PSアップした。大幅に剛性を向上した新設計のフレームを採用したほか、フロントブレーキを対向6ピストンとして制動効率も向上させた。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,130 |
全幅 | 755 | ||
全高 | 1,190 | ||
軸間距離(mm) | 1,485 | ||
車両重量(kg) | 231(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 1,074 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 75.5×60 | ||
最高出力 | 155ps/10,000rpm | ||
最大トルク | 11.7kgm/9,000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 180/55ZR17 | ||
価格(円) | - |
2001 | GSX-R1000輸出車
2000年のGSX-R750をベースにした最強の1000ccスーパースポーツ

スーパースポーツのフラッグシップモデル、GSX-R1100は1998年に生産を中止したが、排気量を1000ccに変えて再登場。ベースとしたのは2000年のGSX-R750。ロングストロークとすることでシリンダーピッチがGSX-R750と同じ、エンジンサイズもほぼ同じとなった。フレームはGSX-R1100初代から踏襲してきたダブルクレードルに変えて、軽量高剛性のツインスパーを新たに採用。結果として主な車体寸法がGSX-R750と同程度となったほか、エンジンと車体の徹底した軽量コンパクト化が実現した。GSX-R750からの重量増はわずか4kgで、乾燥重量は170kg。1998年のGSX-R1100と比べて51kgの重量軽減となった。GSX-R1100のエンジンがキャブレター仕様だったのに対し、新設計のエンジンではセカンダリーバルブをステッピングモーターで駆動する最新のフューエルインジェクションシステムを搭載。160PSという高出力を発生しながらも扱いやすさも兼ね備えた最強のエンジンとなった。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,045 |
全幅 | 715 | ||
全高 | 1,135 | ||
軸間距離(mm) | 1,410 | ||
車両重量(kg) | 170(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 988 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 73×59 | ||
最高出力 | 117.7kW(160ps)/10,800rpm | ||
最大トルク | 109.8Nm(11.2kgm)/8,500rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ||
価格(円) | - |
2003 | GSX-R1000輸出車
進化し続けるトップパフォーマー

常に進化し続けるために、さらなる出力向上と軽量化を進めたほか、新設計のフレームとアグレッシブに一新したスタイリングでアップデートを図ったニュートップパフォーマー。スロットルバルブの連結リンク数を減らすとともに、インジェクターをマルチホール化するなど改良したフューエルインジェクションシステムの採用、SETシステムの改良、より精度が高くなったエンジンマネージメントシステム、効率が向上したSRADなどによって最高出力は4PS向上し、164PSを達成。横2灯から縦2灯に変更したヘッドランプの採用によって、精悍なスタイリングとしたのも特長。また、高剛性軽量化を実現するため、ツインスパーフレームのサイドチューブは2002年モデルのプレス溶接方式に対して、センター補強リブ入りの押出し材に変更した。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,070 |
全幅 | 715 | ||
全高 | 1,145 | ||
軸間距離(mm) | 1,410 | ||
車両重量(kg) | 168(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 988 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 73×59 | ||
最高出力 | 120.6kW(164ps)/10,800rpm | ||
最大トルク | 110.7Nm(11.3kgm)/8,400rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ||
価格(円) | - |
2005 | GSX-R1000輸出車
圧倒的な性能を誇るトップパフォーマー

新設計の1000cc水冷直列4気筒DOHC 4バルブエンジンは、2004年モデルに対してシリンダーボアを0.4mm広げて73.4mmとし、圧縮比を12から12.5に高めた。また、スロットルボディー径を42mmから44mmに拡大。さらにインジェクターをツイン化するなど改良した結果、最高出力は178PSと2004年モデル比で8.5%向上した。最大トルクは6%の向上で12kgmを発揮。エンジンの高性能化に対応するため、大型湾曲ラジエターは冷却性能を12.7%向上させた。このほかシートからハンドルバーまでの距離を40mm近くしたり、フットレストの幅を17mm狭くしたりしてコンパクト化を図り、クイックで安定したコーナリング性能の向上につなげた。また、クラッチシステムにバックトルクリミッターを採用してスムーズな減速を可能とした。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,030 |
全幅 | 710 | ||
全高 | 1,130 | ||
軸間距離(mm) | 1,405 | ||
車両重量(kg) | 166(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 999 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 73.4×59 | ||
最高出力 | 131kW(178ps)/11,00rpm | ||
最大トルク | 117.6kW(12.0kgm)/9,000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ||
価格(円) | - |
2007 | GSX-R1000輸出車
高速化エンジンとS-DMSを搭載したトップパフォーマー

1000cc水冷直列4気筒エンジンは、2006年モデルに対して最高出力は185PSと3.9%向上。発生回転数も11,000rpmから12,000rpmに高速化した。これはマフラー2本化、吸気ポート10%拡大、排気ポート20%拡大、ツインインジェクターの多孔小型化、イリジウムプラグの採用、気筒間ベンチレーションホール拡大などによるもの。また、走行状況に合わせて走行モードが選べるS-DMSを初めて採用したのも特長。さらにフットレストポジションも3つの中から選べるなど、ライダーが自分の走り方に合わせて設定を変える楽しみが増えた。フレームは新設計で、ヘッドパイプ、左右メインスパーなどのコンポーネントパーツすべてを鋳造化するとともに、溶接によってアッセンブリー化する形式とした。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,045 |
全幅 | 720 | ||
全高 | 1,130 | ||
軸間距離(mm) | 1,415 | ||
車両重量(kg) | 172(乾燥) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 999 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 73.4×59 | ||
最高出力 | 136kW(185ps)/12,000rpm | ||
最大トルク | 116.6Nm(11.9kgm)/10,000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ||
価格(円) | - |
2009 | GSX-R1000輸出車
「走る」「曲がる」「止まる」の基本性能を追求した1000ccスーパースポーツ

ボア×ストロークを73.7mm×59mmから74.5mm×57.3mmにショートストローク化することでピストンスピードを下げた。それによりレース用として高回転化、高出力化するチューンナップを行う際のポテンシャルを高めた。また、圧縮比、カムプロフィール、燃焼室形状などを変更し、全領域においてユーザーフレンドリーでフラットなトルク特性を実現した。新設計のフレームはホイールベースを10mm短くし、スイングアームは逆に32mm長くすることでコーナリング性能とトラクション性能を向上させた。また、溶接ビードをフレームサイド面から目立たない位置に変更したことにより、外観を向上させるとともに最適な剛性バランスを実現した。フロントブレーキにモノブロックキャリパーを採用した結果、560gの軽量化を果たしながらキャリパーボディー剛性が23%高くなったため、ブレーキ効力が向上した。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,045 |
全幅 | 710 | ||
全高 | 1,130 | ||
軸間距離(mm) | 1,405 | ||
車両重量(kg) | 203(装備) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 999 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 74.5×57.3 | ||
最高出力 | 136kW(185ps)/11,500rpm | ||
最大トルク | 116.6Nm(11.9kgm)/10,000rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ||
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ||
価格(円) | - |
2017 | GSX-R1000R
No.1スポーツバイク、初の日本仕様

8年ぶりに全面改良した6代目GSX-R1000で初めて日本仕様を設定。欧州仕様と同程度の最高出力145kW、最大トルク117N・mを実現した新開発直列4気筒1000ccエンジンには、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構ブロードパワーシステムを採用。低・中速域のパフォーマンスを損なうことなく最高出力を向上させながら、スムーズな出力の伝達と全回転域での強力な加速性能を実現した。車体はフレームの軽量化と強度の最適化を図り、エンジンの搭載角度を変更することで、コーナリング性能と操縦性を高めた。また、制動時の姿勢を安定させるモーショントラック・ブレーキシステムや、エンジン出力を制御し10段階から選択できるモーショントラック・トラクションコントロールなどの装備に加え、スムーズな変速を支援するクイックシフトシステムを採用した。
寸法・重量 | 寸法(mm) | 全長 | 2,075 |
全幅 | 705 | ||
全高 | 1,145 | ||
軸間距離(mm) | 1,420 | ||
車両重量(kg) | 203(装備) | ||
エンジン | エンジン種類 | 水冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ | |
総排気量(cc) | 999 | ||
ボア(mm)×ストローク(mm) | 76×55.1 | ||
最高出力 | 145kW(197ps)/13,200rpm | ||
最大トルク | 117Nm(11.9kgm)/10,800rpm | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17M/C(58W) | ||
タイヤサイズ(後) | 190/55ZR17M/C(75W) | ||
価格(円) | 2,041,200 |