新設計の250cc水冷2サイクル2気筒エンジンを搭載。新開発のSIPC機構、フラット・スライド・キャブレター、多段膨張型マフラーなどの装着により、最高出力45PSのハイパワーを発揮した。足まわりはリヤにフルフローターサスペンション、フロントにセミエア・サスペンション、ANDF 、16インチホイールと偏平タイヤを採用。さらに制動にはトリプルディスクブレーキを採用した。乾燥重量131kgの達成に貢献した市販車世界初のアルミ角パイプ製ダブルクレードルフレームAL-BOXや、先進的なメカニズムの数々、レーサーさながらのハーフカウルやワークスカラーの採用も相まって、発表と同時に爆発的な人気を博し、レーサーレプリカ全盛時代の先駆となった。

RG250Г(1983)のフルモデルチェンジ車。最高出力45PSを発揮する新設計の水冷2サイクル90°V型2気筒エンジンは、高い燃焼効率や振動の低減を実現したほか、一般車両としては初めてニッケル･リン合金とボロンナイトライドのメッキを施したSBCシリンダーを採用し、耐摩耗性を向上させた。また、一体式で容易に取り出せるカセット式トランスミッションを採用して、レース対応のクロスミッションへの取り換えも容易になった。足まわりはフロントにインナーチューブφ41mmの大径フロントフォークを、リヤにニューリンク式フルフローターを採用するなど強靱さを高めた。また、新設計のフレームは、内部にリブを持ったアルミ引抜き材を使用したDC-ALBOXフレームとし、高い剛性を持たせた。

レーサーと同型式の水冷2サイクル70°V型2気筒エンジンを搭載した。新型電子制御キャブレターや新気導入エアインテークの組み合わせなどにより、高効率な吸気と理想的な出力特性を実現。最高出力40PSという高性能と扱いやすさが両立したエンジンとなった。また、レーサー同様に軽量で高剛性なアルミツインスパーフレームを採用｡また、コンパクトなエンジンとしたことで、ショートホイールベース化でき軽快で扱いやすいハンドリングを実現させた。さらにレーサーからフィードバックした空力特性に優れたカウル類を装備した。伝達機構はギヤ交換が容易なカセット式トランスミッションや、メカロスの小さい乾式クラッチなど、レーサーと同一の仕様とした。

バイクを気軽に楽しみたいライダーのために設定。RGV250Γの水冷2サイクル90°V型2気筒エンジンをベースとし、二次減速比を上げるなどして、低・中速域を重視したシティユースでの使い勝手に配慮した。冷却効率に優れるラジアルフロー･ラジエターや、鋭いレスポンスを実現するスリングショットキャブレターの採用も相まって力強い走りも可能であった。外観はカウリングのないネイキッドタイプとし、機能的な美しさを感じるスタイリングとした。リヤに路面追従性を高めたニューリンク式フルフローターサスペンションを採用したのも特長であった。車名のWOLFは狼（おおかみ）の力強さ、スピードをイメージして命名。