2011年3月9日

スズキ、燃料電池スクーターで
世界初となる「欧州統一型式認証」を取得

バーグマン フューエルセル スクーター

スズキ株式会社が現在英国で実証実験を行っている燃料電池スクーター「バーグマン フューエルセル スクーター」が、二輪車、四輪車の燃料電池を搭載した車両としては世界で初めて「欧州統一型式認証:WVTA(*1)」を取得した。

燃料電池スクーター「バーグマン フューエルセル スクーター」は、スズキが2009年10月の第41回東京モーターショーに出品した、燃料電池システムを搭載した二輪車である。
スズキは、英国の燃料電池システムの開発企業である「インテリジェント・エナジー」社と共同で、英国の技術開発を促進する政府機関(TSB (*2))が主催する燃料電池車の実証実験に、2010年2月より参加している。実証実験は英国中部のラフバラ大学を中心とした地域で行なわれており、スズキは「バーグマン フューエルセル スクーター」1台を使って実証実験中で、今後さらに台数を追加する予定である。

これまで実証実験を行なう場合は、個別認証(車両1台ごとの検査制度:SVA=Single Vehicle Approval)を取得したうえで行なっていたが、今回「バーグマン フューエルセル スクーター」がその高い環境性能、安全性能が認められ、燃料電池搭載車として世界で初めて「欧州統一型式認証」を取得した。スズキでは、今後欧州域内の水素ステーション等のインフラ整備の進展状況にあわせ、環境性能に優れた燃料電池スクーターの普及に努めていく。

「バーグマン フューエルセル スクーター」は、街乗りに適したスクーター「バーグマン」をベースに、軽量コンパクトな空冷式燃料電池を搭載し、水素タンクをフレーム内にレイアウトしている。燃料電池で発電した電力でモーターを駆動し、水だけを排出する環境性能に優れた二輪車として実用化に取り組んできた。

  • (*1) WVTA:欧州においては、車両の販売を行う際にEU(欧州連合)の各加盟国毎の型式認証を個別に受ける必要があるが、「欧州統一型式認証:WVTA= Whole Vehicle Type Approval」の取得により、全ての加盟国での販売が可能となる。
  • (*2) TSB (Technology Strategy Board):イノベーション、新製品、新規サービス等、産業振興の為、資金援助などを通して技術開発の促進を図っている英国の政府機関。
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