スズキ財団平成23年度の助成について
総額4,790万円、内研究助成として計31件、3,914万円の助成を決定
公益財団法人 スズキ財団(理事長 鈴木 修)は2月17日、全国の大学等研究機関から応募のあった助成申請に対して、平成23年度の科学技術研究助成および課題提案型研究助成として計31件、3,914万円の助成を決定した。その他の助成とあわせ、総額は4,790万円となる。
科学技術研究助成について
今回の科学技術研究助成は、生産関連技術、環境・資源エネルギー関連技術、計測・制御・解析関連技術、材料関連技術、電気・電子・情報関連技術、人間工学・医療関連技術、ロボット関連技術の7つの研究分野を対象に公募され、計30件の研究テーマへの助成を決定した。いずれも独創的、先進的な研究開発テーマである。助成総額は2,989万円。(助成対象研究一覧は以下の通り)
課題提案型研究助成について
同財団では、自然科学分野の基礎的・独創的な研究に対する助成に加えて、平成15年度より、時代の要請であり、且つ、可及的速やかに解決が求められる問題等につきテーマを設定して応募を募る「課題提案型研究助成」も実施している。研究期間は2年間、過去9年で13件の研究助成を行った。
平成23年度は、大気環境や地球温暖化等の「環境問題」を解決・改善するための工学的研究として、カルシウムとアルミニウムと酸素から成る新しい電極材料を開発する研究「ナノ粒子の凝集制御による新規金属―空気電池用電極材料の開発に関する基盤研究」の1件に対し助成を行う。
本年の助成総額は、新規決定の1件と昨年度決定2件の2年目分をあわせ、925万円。
その他の助成及び活動について
また、同財団では研究成果を普及させ、研究の更なる充実・発展を図るため国内外で行われるシンポジウム・フォーラム等の開催費や海外の学会等への渡航・宿泊費に対する助成、ブダペスト工科・経済大学等海外からの研究留学者の受け入れ助成、及び財団ニュースの発行等広く活動を行っている。これらの助成総額は、876万円。
同財団はスズキ(株)が創立60周年の記念事業として基金を寄託し、1980年3月に設立したもので、本年で32回目の研究助成となる。
設立以来の助成内容は、総件数1,202件、累計助成総額13億7,596万円の実績となっている。また財団の平成23年3月末現在の資産総額は約46億3千万円となっている。
スズキ財団の概要
財団名 | 公益財団法人 スズキ財団 |
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理事長 | 鈴木 修(スズキ株式会社 代表取締役会長兼社長) |
所在地 | 東京都新宿区大京町23-2 |
TEL | 03-3356-2555 |
FAX | 03-3356-2505 |
目的 | 国民生活における利便の増進に資する機械等の生産及び利用、消費に係わる科学的研究の助成とその成果の普及を通じて、日本の機械工業の総合的な発展と国民福祉の増進に寄与することを目的とする。 |
資産総額 | 約46億3千万円(平成23年3月末現在) |
平成23年度 スズキ財団 助成一覧
科学技術研究助成
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | |
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1 | 細胞から任意形状の組織を磁場により構築するTissue-CAMの開発 | 大阪大学 | 講師 | |
2 | ベアリングレスモータの高効率化・高出力密度化 | 静岡大学 | 准教授 | |
3 | 排熱利用型熱光起電力発電セルのための低バンドギャップ有機半導体を用いた赤外線吸収材料の開発 | 静岡大学 | 教授 | |
4 | 曲げ加工による形材の断面変形を積極的に発生させる技術の開発 | 埼玉大学 | 准教授 | |
5 | 高密度・精密階層酸化チタンナノ結晶担持グラフェンの開発と展開 | 東京理科大学 | 嘱託助教 | |
6 | ゴム材の摩擦特性の負荷履歴依存性に関する研究 | 横浜国立大学 | 助教 | |
7 | 超高張力鋼板の重ね継手を可能にするクリンチ接合法の開発 | 石川工業高等専門学校 | 教授 | |
8 | アルコール燃料の着火制御へ向けた低温酸化反応機構の解明 | 名古屋大学 | 助教 | |
9 | TPAとSEAによる振動源同定と振動伝達経路の評価手法に関する研究 | 長崎総合科学大学 | 准教授 | |
10 | 超高強度鋼板のせん断加工に関する基礎的研究 | 日本工業大学 | 教授 | |
11 | 革新的表面改質プロセスによる小型歯車の高強度・長寿命化 | 慶應義塾大学 | 教授 | |
12 | ハイブリット自動車搭載高性能長寿命メカニカルバッテリーの開発 | 宇宙航空研究開発機構 | 助教 | |
13 | ダイヤモンド半導体の高温動作に向けた非貴金属配線材料の開発 | 大阪府立大学 | 准教授 | |
14 | 手触りで加工面粗さがその場で判別出来るハンディーな指サック型触覚センサシステムの開発 | 福島大学 | 教授 | |
15 | パーソナルモビリティビークルの人間中心安全制御 | 慶應義塾大学 | 准教授 | |
16 | サイン輝度が弱視者(白内障)の視認性に及ぼす因子の評価法に関する研究 | 名城大学 | 准教授 | |
17 | 舶用機関を目的とする噴霧モデルの構築を目指した非定常噴霧の微粒化機構に関する基礎研究 | 九州大学 | 助教 | |
18 | ミクロ構造制御による高エネルギ吸収能を有する繊維強化複合材料積層構造設計 | 東京理科大学 | 助教 | |
19 | 定容容器における予混合燃焼に及ぼすNOxの影響 | 九州大学 | 助教 | |
20 | 高精度化およびサイクルタイム低減を目的としたアルミニウム合金金型を適用したHeat&Cool射出圧縮成形による薄肉樹脂製品製造技術の確立 | 岐阜大学 | 助教 | |
21 | 微小振動型発電素子の混変調振動を利用した高効率化に関する研究 | 東北大学 | 助教 | |
22 | ヒト型双腕ロボットによる自動化生産技術を目指したプレート操り動作の開発 | 同志社大学 | 教授 | |
23 | 繰り返し学習同定法を用いた小型無人ヘリコプタのモデリングと飛行制御 | 山梨大学 | 教授 | |
24 | エレクトロスピニング法を用いたLiおよびNaイオン電池次世代材料開発 | 産業技術総合研究所 | 研究員 | |
25 | ヘビ型ロボット群システムの提案および実現化検討 | 静岡大学 | 助教 | |
26 | 高出力回転直動モータの開発とサブミクロン制御 | 豊橋技術科学大学 | 特任助教 | |
27 | 技術者のモチベーション・スキル・パフォーマンスの相互促進モデルの研究 | 埼玉工業大学 | 教授 | |
28 | 大型セダンと同等の高速操縦安定性を、軽自動車で実現する | 山梨大学 | 教授 | |
29 | FBG光ファイバセンサー体成形による複合材料スマート接着構造の開発 | 静岡大学 | 准教授 | |
30 | 水素脆化の迅速検査技術の開発と自動車用高強度部材への適用 | 大阪大学 | 助教 |
課題提案型研究助成
No. | 研究課題 | 機関名 | 役職 | |
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1 | ナノ粒子の凝集制御による新規金属―空気電池用電極材料の開発に関する基盤研究 | 静岡大学 | 教授 |