2011年5月19日
スズキ、「低コストでの軽量化を実現した
アルミ押出し材製リヤロアアームの開発」により
「第61回自動車技術会賞 技術開発賞」を受賞
公益社団法人自動車技術会から「第61回 自動車技術会賞」が発表され、スズキの技術者3名が「技術開発賞」を受賞した。
受賞テーマは、「低コストでの軽量化を実現したアルミ押出し材製リヤロアアームの開発」である。「リヤロアアーム」とは、自動車のサスペンションフレームとナックルを連結する足回り部品で、この部品にアルミ押出し材を用いる新発想とこれを実現するための新技術を開発し、低コストと軽量化を実現したことが評価された。
スズキでは現在この技術を四輪車「キザシ」に採用しており、今後は軽量化が必要となる車体への適用に向けて取り組んでいく。
受賞内容: | 技術開発賞 | ||
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受賞テーマ: | 「低コストでの軽量化を実現したアルミ押出し材製リヤロアアームの開発」 | ||
受賞理由: | 「サスペンションの構造部材にアルミ中空押出し材を活用して、独自の部品構造と新しい接合技術を開発し、低コストで軽量な新規部材を実用化した。設計、材料、および生産技術が連携して最適仕様を造りこみ、それを具現化した点は高く評価できる。構造と生産プロセスを工夫し、材料をうまく使いこなす技術開発の見本となる開発事例であり、同様の発想による他部品の軽量・低コスト化にも展開できる可能性が大きい。また、この発想をヒントにした新しい技術開発の参考にもなり、安価で軽い製品開発に従事する者にとって工学的価値は高い。材料・工法・形状の工夫を融合させた技術開発の本成功事例をステップとし、さらなる飛躍を期待したい。」 | ||
受賞者: | スズキ株式会社 | 開発推進部 四輪シャシー設計部 |
四谷 剛毅、山内 亮、 木下 和重 |
表彰日: | 2011年5月19日 | ||
表彰会場: | 神奈川県横浜市パシフィコ横浜 |
自動車技術会賞の概要
自動車技術会賞は、「自動車工学及び自動車技術の向上発展を奨励すること」を目的として1951年に創設された。創設以来、自動車技術分野及び自動車技術会を代表する賞として常に注目を集め、受賞者の功績は高い評価を得ている。現在、授賞対象別に6種の賞が設けられている。
アルミ押出し材製リヤロアアームの開発の概要
- 強度と成形性を両立させた新アルミ押出し合金を開発した。
- アルミ押出し合金から成形可能なリヤロアアームの新構造を開発した。
- アルミ押出し材製リヤロアアームの実現に不可欠なアームとブッシュの新しい接合技術を開発した。
- 従来の手法に捕らわれないアルミ化に適した材料、構造、工法の徹底した追求とその開発および融合により、従来の鋼板製に対して50%の軽量化を、従来のアルミ化手法に対して20%以上のコストダウンを実現した。
- これまではスポーツカーなどに採用が限定されていたアルミリヤロアアームを小型車にも採用可能となった。