対処すべき課題

1.会社の経営の基本方針

 当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品・サービスの提供に努めてまいります。
 法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小・少・軽・短・美」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。
 スズキのこだわりは「世界の『生活の足』を守り抜く」こと、「新興国は今後も成長の柱」としていくことです。次の100年もお客様の立場になって、「小・少・軽・短・美」による価値ある製品・サービスの提供に挑戦してまいります。


2.対処すべき課題

 スズキは本年2月、「中期経営計画(2021年4月~2026年3月)~「小・少・軽・短・美」~」を策定いたしました。初年度となる2021年度は、中期経営計画にて定めた取り組み事項について着実に推進してまいります。
 今後、カーボンニュートラル化を実現することが益々重要になると考えています。スズキはモビリティのカーボンニュートラル化を積極的に推進してまいります。そのためにはモビリティの電動化やソフトウェアの高度化が必要になってきます。電動化やソフトウェアが高度化され、モビリティが外と繋がる世界では、今まで以上に品質を重視する必要があります。そこで、「走行時CO2排出」、「製造時CO2排出」、「高品質な製品づくり」の3つの課題に優先的に取り組んでまいります。

a. 走行時CO2排出
 2025年までに、ハイブリッドシステム・EV等の電動化技術を整え、2025年から電動化技術を製品に全面展開、2030年からは電動化製品の量的拡大を図ってまいります。
 四輪以外につきましても、二輪ではEVスクーターの投入を計画しています。船外機でも電動化等の新技術への対応に取り組んでまいります。

b. 製造時CO2排出
 2050年の製造時CO2排出「0」に向けて挑戦いたします。カーボンニュートラルに向けて、省エネや再生可能エネルギーの活用などを通したCO2削減とともに、様々なカーボンニュートラル化の技術開発を積極的に進めてまいります。第一歩に実証実験モデルとして、浜松工場のカーボンニュートラルの2030年達成に挑戦してまいります。

c. 高品質な製品づくり
 品質につきましては、お客様の立場になって品質が良くお求めやすい価値ある製品をつくってまいります。迅速な原因究明と対策、ばらつきを抑えた製品づくり、トレーサビリティ管理の拡充など、品質問題の発生防止、早期発見、流出防止に取り組んでまいります。


d. 四輪事業
 日本は、軽自動車シェア30%以上、登録車販売1.5倍(2021年3月期比)を目標に取り組んでまいります。業販網の維持強化を図るとともに、拠点の大型化と、それに伴って人材確保も進めることで、直販力を強化し、登録車拡販を目指します。ソフト面でも販売のデジタル化を進めます。
 インドは、ハイブリッド車の普及促進やEVの投入に取り組み、環境問題に対し社会から求められる電動化を率先して推進してまいります。さらに、販売力の強化や商品力の強化、及び生産体制の整備を通して、乗用車シェア50%以上を目指してまいります。

e. トヨタとのアライアンス
 電動車の協業、アフリカでの協業、商品・ユニット補完など提携を深化させてまいります。電動車の協業につきましては、ハイブリッド車の相互供給、インドで生産するハイブリッド車用の電池の相互利用、小型EVプラットフォーム開発を推進してまいります。アフリカでの協業につきましては、インドからの商品投入、物流・サービス体制構築の推進など、市場開拓を推進してまいります。商品・ユニット補完につきましては、車両とパワートレインの相互補完を拡大してまいります。

f. 二輪事業
 プラットフォームの共通化や魅力的で多様なラインナップを構築し、中期経営計画で掲げた販売200万台・営業利益率5%以上を目指し活動してまいります。

g. マリン事業
 「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のスローガンのもと、中期経営計画で掲げた売上高目標1,000億円を目指し活動してまいります。また、SUZUKI CLEAN OCEAN PROJECT を推進し、美しい海を守る活動を世界中で展開いたします。

h. SDGsへの取り組み
 当社は環境に配慮した製品の開発・普及、新興国の雇用創出に、これまでも貢献してまいりました。今後も、サステナブルな社会の実現に向け、スズキの特長を活かした事業活動を通じて、収益を上げながら、様々な社会課題の解決に取り組んでまいります。

※1 「次世代を担う人材・専門性を持った人材の確保・育成」
 カーボンニュートラル化やCASEに迅速に対応していくためには、これを担う人材も変化していく必要があると考えます。
 電動化に伴い、造るものに関して電池やモーターへの対応を加速します。また、売るものに関してモビリティサービスへ対応していく必要があります。さらには、コネクテッドや自動運転等の新技術への対応も必要となります。こうした造るもの・売るものの変化や新技術への対応のためには、一人一人の意識改革とともに、必要な人材の確保・育成が重要であり、今後対応体制や教育体系の機動的な見直し等に取り組んでまいります。

※2 「不適切事案の再発防止策の実効を伴う継続」
 完成検査における不適切な取扱いに対しては、経営陣によるコミットメント、全社的な意識改革及び組織風土改善に関するものを含め合計120項目の再発防止策に取り組み、これら全項目の実施が完了した旨を2020年6月に国土交通省に対して報告いたしました。
 その中で、完成検査業務に関しては、検査員の増員、検査設備の改修、規程類の整備、検査員教育の徹底、現場のコミュニケーションの改善等に取り組んでまいりました。引き続き、検査のしやすさを追求し、検査のさらなる厳格化を図った新たな検査ラインの整備を四輪及び二輪の全工場で進めつつ、このような改善活動を通じて、検査で決して問題を起こさない強固な仕組みや意識の定着を図ってまいります。
 また、全社的なコンプライアンスの取り組みとして、全社員に配布したコンプライアンス・ハンドブックの活用によるコンプライアンス意識の底上げや2016年の燃費・排出ガス試験問題及び2018年の完成検査問題を決して風化させないための活動である「リメンバー5.18」及び両問題についてパネル展示した品質学習室のさらなる充実や活用を図るとともに、社内のコミュニケーションの改善にも注力し、このような不適切事案を発生させないように努めてまいります。


i. 中期経営目標値
 経営目標値につきましては、新型コロナウイルス影響からの回復、インド市場の成長を見込み、連結売上高は過去最高となる4兆8千億円を目指します。
 営業利益目標につきましては、電動化対応など5年間で1兆円になる積極的な研究開発投資もあり、営業利益率5.5%とさせていただきました。
 配当性向につきましては30%を目標として掲げることといたします。
 成長のための投資と経営基盤の強化とのバランスをとりながら、企業価値の向上に向けた取り組みを着実に進めてまいります。

(注)

為替レート前提…1米ドル=104円、1ユーロ=124円、1インドルピー=1.42円

※ 中期経営計画の詳細につきましては、2021年2月24日発表の「中期経営計画(2021年4月~2026年3月)~「小・少・軽・短・美」~」をご参照願います。

当社ホームページ IR情報 https://www.suzuki.co.jp/ir/

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2021/06/25 12:00:00 +0900
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