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2002アクロポリス・ラリー
アテネ 2002/6/14
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2002 FIA JWRC第3戦、第49回アクロポリス・ラリー
レグ1レポート
厳しいアクロポリスの洗礼、スズキ勢3チームとも無念のリタイヤ。



6月14日、午前9時7分(日本時間:6月14日午後3時7分)、第49回アクロポリス・ラリーがその本格的なスタートを切った。本日行われるこのレグ1は総走行距離427キロ、うち136キロが6つのSS(競技区間)で競われる。天候は快晴、スタートを迎えた午前9時には既に27度、その後すぐに30度を越える暑さとなりいかにもアクロポリス・ラリーというコンディションとなった。



勢ぞろいしたヨーロッパの強豪たち
このラリーには、昨年からスーパー1600クラスに参戦しているプジョー、シトロエン、フィアット、そしてフォードに加え今年から参戦となったスズキ、MG、フォルクスワーゲン、オペルがエントリーしているが、このアクロにはルノーも参戦する事となった。勿論、スポット参戦だけにポイントはつかないが、満を持してのエントリーだけにニューマシンのポテンシャルが注目される。そしてスズキ勢は参戦わずか3戦目だが、マシンのポテンシャルアップが急ピッチで進みJWRC初めてのハードグラベルラリーで並み居るヨーロッパの強豪にそのスピード、耐久性、信頼性が何処まで上がったのかその成果が期待されていた。26台がエントリーしたものの最終的にスタートしたのは23台となった。また、この台数には、ルノーなどポイントのつかないマシンは入っていない。


注目のSS1、カンガス選手、早くもポテンシャルの高さを見せつける。


カンガス選手
注目のSS1でフィンランドのカンガス選手が、そのポテンシャルの高さを見せる走りを披露した。何とJWRC7位、22分14秒3という好タイムを叩きだしたのだ。このSS1は全長24,45キロ、ファーストSSとしては決してやさしいコースではない。事実、事前走行であるレッキでは、WRCチャンピオン、リチャード・バーンズがコースアウトし立ち往生するなどのハプニングが起きている。昨年の同じコースでもトップチームが何台もここでリタイヤの憂き目を見ているハードなコース、トップと比較してもその差は1キロ当たり1秒程度、以前に比べて格段に速さを増し遜色のない速さを見せた。
そして続くSS2では18,89キロという距離にもかかわらず先行車に追いついてしまった。一台ずつスタートするラリーではこの先行する車とは1分間隔でスタートするのだが、終盤で追いついたという事は先行者よりも1キロ当たり2秒ほど速く、またトップタイムを叩き出したフォード・ピューマを駆るフランソワ・デュバル選手のタイムを事実上上回るタイムを記録する事を意味する。それだけにカンガス選手のリタイヤは惜しい結果となった。
「マシンはとてもいい感じで走っていた。だけど、SS1で先行するマシンに追いついてしまいホコリで前が見えなくなった。SS2でも追いついてしまって、とにかくホコリが酷くて前が全く見えなくなってしまった。それでコースアウトして動けなくなってしまった。リタイヤは本当に残念だ。応援してくれていた人には申し訳ないと思って思っている。しかし、僕たちのやってきた事(開発の方向性)が間違っていなかった事が良く分かったしその意味では自信になった。これもラリーだ。次にまた頑張るよ。」カンガス選手は語った。
 

安定した走りを見せたシェレ、丹羽両選手。


シェレ選手
一方、シェレ選手はSS1で14位だったが、SS2では11位。シェレ選手は「JWRCの他のドライバー達は、まずは様子を見るからゆっくり走るよ、なんて言ってたくせに速いんで驚いた。SS2ではスピードをあげた。クルマは今のところ全く問題ない。」と笑顔で語った。その後も持ち前の安定感のある走りを見せSS5では9位にまで順位を上げた。

丹羽選手も、終始落ち着いたペースで走行し続々とリタイヤしていくライバル達を尻目に着々と順位を上げSS5では12位にまで順位を上げた。

丹羽選手
  
丹羽選手
 

超過酷なサバイバルラリー・アクロポリス!スズキも強烈な洗礼を受ける。


シェレ選手


フィンランドのチーム監督リスト・ライネ


丹羽選手
22台でスタートしたJWRCだが、SS5終了時で既に生き残っているのは14台のみというまさにサバイバルなラリーとなった。フィンランドのチーム監督リスト・ライネは「このラリーの特徴は暑さとそして何といってもとてもラフな路面だ。」と語る。その言葉どおり次々とライバルがリタイヤしていくなかここまで順調に走っていたシェレ選手と丹羽選手だったが、SS6でその毒牙がスズキ勢にも襲い掛かった。このSSは1本目のSS1を再走するコース。まずシェレ選手にミッショントラブルが発生しストップ。修復を試みたものの、そのままリタイアとなってしまった。そして何と丹羽選手も荒れた路面にはじかれコースアウト、20メートルほど谷を落下したが立木に当たって止まり最悪の事態は免れた。

丹羽選手は「僕達は、完走狙いで走っていたので決して無理なスピードで走っていたわけではないんですが、2回目の走行で路面が荒れていてペースノートにないワダチやくぼみがたくさん出来ていました。そこではじかれてしまいコースアウトしてしまいました。僕も井出上さんも幸い体は無事ですが、本当に残念です。」と唇を噛んだ。これで何とスズキ勢は3台がすべてレグ1で姿を消すという結果となった。

こうしてスズキ勢の第49回アクロポリスラリーは終わりを告げた。 「こうした事は、モータースポーツでは良くある事です。こういった経験を一つ一つ積んでいって初めてマシンもスタッフもドライバーも強くなっていくんです。まだわずか3戦目のJWRCですよ。大事なのはこれからです。」と語るのは現スズキスポーツ顧問の伊藤光夫氏だ。「我々が2輪でどれだけリタイヤして、そこから様々な事を学んで来たか、そして勝てるまで何年かかったか思い出せば、こうゆう経験がどれほど大事なものかよくわかるはずです。すべてはこれからですよ。」と続けた。事実、スタートした22台中SS6を終了したのは僅か12台、今年からこのカテゴリーに参戦したマシンはほとんどがリタイヤしてしまった。まさに過酷なラリー、アクロの洗礼を受けたわけだが、この3台リタイヤという結果は一つ一つ重ねていく貴重な経験の一つとなるだろう。


またスズキスポーツの田嶋代表も「本当にスズキにとっては残念な結果です。しかし今までのマシン開発で決してトップチームにもその速さで負けていない事は証明できました。これからどんどん経験を積んでどんどん強くなっていきますので、引き続き応援をよろしくお願いします。」と語った。


2002 JWRC、次のラウンドは8月22日から25日にかけて開催されるラリー・ドイッチェランド。初めてのWRCイベントとなるこのラリーは美しいブドウ畑の中を走るターマックラリーとなる。





伊藤光夫氏
 

2002 FIA JWRC第3戦、第49回アクロポリス・ラリー レグ1結果
SS1
POS. NO. DRIVER CAR OVERALL TIME DIFF LEADER
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 0:21:49.1 0:00:00.0
2. 67 Daniel CARLSSON (S) FORD Puma Super 1600 0:21:56.8 +0:00:07.7
3. 65 Daniel SOLA (E) CITROEN Saxo 0:22:03.8 +0:00:14.7
7. 59 Juha KANGAS (FIN) SUZUKI Ignis Super 1600 0:22:14.3 +0:00:25.2
17. 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600 0:23:00.3 +0:01:11.2
21. 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600 0:23:42.1 +0:01:53.0
SS2
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 0:35:02.2 0:00:00.0
2. 67 Daniel CARLSSON (S) FORD Puma Super 1600 0:35:06.1 +0:00:03.9
3. 53 Giandomenico BASSO (I) FIAT Punto Kit 0:35:23.8 +0:00:21.6
15. 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600 0:36:27.1 +0:01:24.9
19. 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600 0:38:03.4 +0:03:01.2
retire 59 Juha KANGAS (FIN) SUZUKI Ignis Super 1600    
SS3
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 0:50:56.5 0:00:00.0
2. 67 Daniel CARLSSON (S) FORD Puma Super 1600 0:51:02.0 +0:00:05.5
3. 53 Andrea DALLAVILLA (I) CITROEN Saxo Super 1600 0:51:36.4 +0:00:39.9
14. 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600 0:53:04.6 +0:02:08.1
18. 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600 0:55:18.9 +0:04:22.4
SS4
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 1:12:50.4 0:00:00.0
2. 56 Jussi VALIMAKI (FIN) CITROEN Saxo VTS 1:14:01.8 +0:01:11.4
3. 53 Janne TUOHINO (FIN) CITROEN Saxo VTS 1:14:07.9 +0:01:11.4
11. 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600 1:15:38.0 +0:02:47.6
15. 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600 1:19:13.8 +0:06:23.4
SS5
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 1:33:01.1 0:00:00.0
2. 56 Jussi VALIMAKI (FIN) CITROEN Saxo VTS 1:34:03.6 +0:01:02.5
3. 53 Martin STENSHORNE (N) OPEL Corsa 1.6 Super 1600 1:34:19.7 +0:01:18.6
8. 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600 1:35:59.3 +0:02:58.2
12. 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600 1:40:17.1 +0:07:16.0
SS6
1. 55 Francois DUVAL (B) FORD Puma 1:33:01.1 0:00:00.0
2. 56 Jussi VALIMAKI (FIN) CITROEN Saxo VTS 1:34:03.6 +0:01:02.5
3. 53 Martin STENSHORNE (N) OPEL Corsa 1.6 Super 1600 1:34:19.7 +0:01:18.6
retire 68 Nikolaus SCHELLE (D) SUZUKI Ignis Super 1600    
retire 75 Kazuhiko NIWA (J) SUZUKI Ignis Super 1600    


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