こんにちは
今日はお客様から多く寄せられるご質問のひとつ
「スタッドレスタイヤは雪道以外でも走っていいの?」
について、少しわかりやすくご説明できればとおもいます
スタッドレスタイヤ と サマータイヤ(夏タイヤ)
パッと見にその違いはわかりにくいですが
じつは、
・ブロックの形状や溝のデザイン
・使用するゴムの種類
・配合剤の種類や組み合わせ
・それぞれの配合剤の分量 などが異なるんですよね。
そもそもタイヤはいくつかの異なる種類のゴムで作られいるものなのですが、その成分の
配合によってそれぞれのタイヤの特性は変わります
タイヤに使用されているゴムの種類 には
・天然ゴム(パラゴムノキの樹液を固め、燻製して作られたシート状ゴム。強度が高いのでタイヤ各部に広く使用される)
・スチレンブタジエンゴム(耐摩耗性や弾性と強度のバランスがよくウェット性能にも優れるSBR 耐摩耗性や弾性、強度のバランスに優れた合成ゴム。タイヤのトレッドに使用される)
・ブタジエンゴム(耐摩耗性に加え、低温の環境において柔軟性に優れていて、高い反発弾性を示す合成ゴム。タイヤのトレッド、サイドウォールなどに使用される)
・イソプレンゴム(天然ゴムに似た性質を持つ合成ゴム)
・ブチルゴム(空気を通しにくく、耐候性などに優れる合成ゴム)
があり、
これら(のゴム)に配合されている架橋剤には
(注)ゴム製品のほとんどは架橋された状態で使用されています
・カーボンブラック(炭素)
・シリカ(二酸化ケイ素からなる白い粉体。転がり抵抗を下げ、ウェット性能を上げる)
・オイル(ゴムを軟らかくしたり、加工しやすくする)
・樹脂(ゴムを硬くする)
・老化防止剤(ゴムの劣化を抑制する)
・亜鉛華(加硫促進剤の働きを助ける)
・ステアリン酸(加硫促進剤の働きを助ける)
・加硫促進剤(加硫時間を短縮したり、硫黄の加硫反応を促進する)
・硫黄(ゴムに強度や弾性を与える)
があります。
架橋技術がなかった頃のゴム製品は、寒い時には硬く暑いときには柔らかくなってすぐに変形し、たいへん使いづらいものだったようで、ゴム製品が作られる過程で最後に行われる<架橋> はゴムの性能を決定づけるとても重要な技術工程といえます
これらの素材の組み合わせや配分量を変えて、
サーキット走行に向いているもの、雪や氷の路面に強いもの、ウェット機能が高いもの、、、、など用途に合わせた素材が開発されているんですね
一般的に、ゴムは低温になると硬くなる性質がありますが
寒い冬に氷雪路を走行するための スタッドレスタイヤは
硬くなりにくく、柔らかさやしなやかさを保ちつつ、なおかつ摩耗しにくいといった「耐摩耗性」にも優れる低温用タイヤというタイヤのゴム自体が柔らかいもので、
逆に、ノーマルタイヤやサマータイヤ(夏タイヤ)はスタッドレスタイヤとタイヤの成分が違って、
外の気温が「7度」を下回るとゴムが硬くなってしまう性質のものです。
低い気温でゴムが硬くなってしまうと
ブレーキ性能が落ち、硬くなったタイヤはもろにすり減りますので
冬の時期は、もともとゴム自体が柔らかい成分で出来ているスタッドレスタイヤの方が、気温が低くなってもブレーキの効きやタイヤのすり減りに影響が出にくいです
というわけで、
スタッドレスタイヤは雪が積もった路面や凍った路面での性能を重視して設計したタイヤですが、乾いた路面や雨の日の濡れた路面での走行も考慮して作られているので、雪道以外でも走行可能です。
しかし、それぞれの用途に合わせて、夏には夏タイヤ、冬にはスタッドレスタイヤのご使用をお奨めします!
私たちが何気なくいつも使っている車のタイヤひとつとっても、
だれもが安心して冬のドライブを楽しめるようにと、見えないところで研究を重ねて作られた研究者の方々の研究・努力の賜物なんですね~~
改めて感謝です
そして、改めて安全安心のカーライフを送りたいなと思います!!