
今年の釣りを振り返ってみると、忘れてならない様々な魚との出会いの中に、画像のブラウントラウトがいます。
釣り場は中禅寺湖。6月になると下界より一足も二足も早く蝉しぐれに包まれるようになります。ミンミンゼミや
アブラゼミとは違い、肌寒い季節から盛んに繁殖活動に勤しむエゾハルゼミの大合唱が始まるからです。桜の花が
5月に咲き乱れる中禅寺湖畔には、平野部にはない時間の流れがあります。今頃はおそらく氷の世界になっている
のではないかと想像しますが、釣りの禁漁期に日光方面へ行った事がない私にはさっぱり窺い知ることのできない
世界です。
記憶の中の中禅寺湖は、汗ばむ陽気。山歩き。八丁出島の手前からスタート。サーフのどシャローに40クラスの
トラウトを発見。ワカサギを追い回している模様。敢えて蝉ルアーをポンっと。
ん!食った!!!あまりにもあっさりとファーストキャストでバイトを取れるとは思っていず、びっくりしてアワセ
てしまいすっぽ抜けました。トップの釣りというのはアワセが極めて難しく、慌てればすっぽ抜け、待ちすぎると
吐き出されるという、タイミングと力加減がバッチリきまらないとフッキングしないのがもどかしく、またそのせいで
達成感も大きく、バイトの瞬間の水面の炸裂音とも相まって最高にエキサイティングな釣りなので、トップ専門の
釣り雑誌があったり、専門の釣り具メーカーもあったりするほどです。そしてその殆どがブラックバスや雷魚などの
魚を対象としていて、トラウトのトップの釣りを知っている人はかなり稀有な存在といえるのではないでしょうか。
とまあ、そんなコアな釣りを日光の山上湖でひっそりと展開し、ひとりで悔しさにもんどりうったり、歓喜に雄叫びを
人知れずあげたりしているわけです。小寺ヶ崎の奥の先の手前の東サイド。ヒメマスの群れがちょうどよく入っていて
かわいいライズがチャポチャポあちこちで起こっています。再び敢えての蝉ルアーを!
バシャ!!! 今度は焦らず、それでいて待ちすぎず、スイープ気味に徐々にテンションを掛けて、、、フッキング
が決まりました。小さかったけどこの日のファーストキャッチとなる30ちょいのブラウントラウトはジャンプしまくる
元気な魚でした。阿世潟の奥、過去の一番の実績ポイントへ向かう途中、気になるワンドを投げまくりながら歩を
進めると、ふとした瞬間に蝉ルアーがガポっと消えました。ドラグゆるゆる作戦と勝手に名付けていますが、慌てて
リーリングでフッキングをしようとしてもゆるゆるのドラグがするする滑って、すっぽ抜けないようにから回って
徐々にドラグを掛ければ徐々にテンションを掛けられるという、反射神経をスポイルさせてのフッキングが決まって
この日、久々の50オーバーの中禅寺ブラウンをキャッチしたのです。感動。。。 その後は過去に実績ポイントでは
思うように反応がなく、諦めつつ帰り道に向かったのでしたが、最後の最後にちょっと気になっていた栂で一勝負だけ
しようと崖を降りていきました。何度かすっぽ抜けを繰り返してしまい、猛省しながらキャストしていました。隣の
フライマンが帰ったのでふとそっちの方へ蝉ルアーをポンと・・・ 来た!!!最後の最後も50オーバーのブラウンが
釣れました。あんなに釣れないことで有名だった中禅寺湖で、50オーバー2本とか、昔では考えられないような
湖になっていて、嬉しいやら悲しいやらで複雑なところもありつつ、どの釣りもやはりメモリアルだなと、感慨に耽る
私でした。。。。