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JWRC第6戦 ラリー・オブ・グレートブリテン ラリーレポート
カーディフ 2002/11/15
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第58回ラリー・オブ・グレートブリテン
悪夢のレグ1、チーム スズキ イグニス、
ウェールズの森に沈む!

快晴のウェールズ、ステージは魔物が待つ森へ!

昨夜のスタート直後に行われたカーディフでのスーパースペシャル、SS1でフィンランドのユハ・カンガス選手が、いきなりジュニアWRC2番時計をマークし活躍が期待された11月15日のレグ1だが、スズキにとって最悪の結果となってしまった。このレグ1、夜明け前から満点の星が瞬く最高の天候となった。午前6時30分、未明のサービスパークには、本格的なラリーのスタートを切るべくすべてのマシンが続々と集結してくる。ラリーカーの荒々しいエキゾーストノートが2002年の最後を飾るWRCと、ジュニアWRCの最終戦を盛り上げイベントは最高の滑り出しとなるはずだった。

悪夢のSS2、SS3。続けてリタイヤを余儀なくされたスズキ勢!


丹羽/高橋組
レグ1最初のサービスを出て行ったマシンは、まずSS2、全長23,12キロのコースに挑む。天候は快晴だが一昨日まで降り続いた雨の影響で路面の一部はぬかるみ非常に滑りやすく危険な状態となっていた。各選手とも慎重に走行する中、ジュニアWRCではシトロエンのヤンニ・トゥオヒノ選手がベストタイム15分40秒8をマーク、まずはトップに踊り出る。そしてジュニアWRCのポイントランキングトップを争っている同じくシトロエンのダニエル・ソラ選手が15分45秒5、ライバルのダラビッラ選手に8秒5の差をつける。スズキ勢は昨日のカーディフスーパースペシャルで2位につけたユハ・カンガス選手が16分15秒1で11位、ドイツのニコラス・シェレ選手が16分13秒8で12位につけた。しかしこのSS2でまず第一の悲劇が起きた。なんと日本チームの丹羽/高橋組が20キロを過ぎたあたりで痛恨のコースアウト、泥沼のような路面でタイヤが空転、スタックし早々にリタイヤとなってしまった。「本当になんていうことのない左コーナーでコースからはみ出てしまったんです。すぐに戻れると思ったんですが、泥で全くタイヤがグリップせずリタイヤとなってしまいました。」とドライバーの丹羽選手。「確かに難しいコース状況だったとは思いますが、本当に残念です。」と唇をかんだ。
 
シェレ/ガイルハウゼン組
 
 
 
 
カンガス/ラークソネン組
しかし悲劇はこれだけでは終わらなかった。続くSS3では、スタート10キロ付近でなんと好調に走っていたフィンランドチームのユハ・カンガス選手がロールオーバー。マシンはぐるりと1回転、幸い選手達にダメージは無かったものの走行不能となりリタイヤとなった。「ウォータースプラッシュでコントロールを失ったんだ。そこでコースアウトしてマシンがロールオーバーしてしまった。乗れていたので残念だ。」とカンガス選手は語った。残るはドイツチームのシェレ/ガイルハウゼン組、一台のみ。地元ドイツでは3位入賞、続くサンレモでも7位と好成績をあげたコンビだけにチームの期待が一身にかかったが、同じくSS3でコースオフ、これもリタイヤとなってしまった。チームと合流したシェレ選手は「オーバースピードでタイトコーナーに入ってしまった。曲がりきれずに横転しそこでリタイヤだ。今シーズンで一番大きなミス、私のミスだ。最終戦だけに大事に行きたかったんだが、本当に残念だった。」と語った。これでスズキ勢は3台すべてがSS3までにリタイヤするという最悪の結果となってしまった。
 
ウェールズの森には魔物が住むといわれるとおりここでは数々のドラマが生まれてきた。そのままゴールさえすればチャンピオンという選手がゴール直前数百メートルでエンジンブローでリタイヤしたりと、いつも何かしら事が起こるのは決して偶然では無い。厳しいコンディションもさることながら最終戦という特殊な状況もそうしたことが起こりやすくなる理由の一つであろう。普段起きないことがここではいとも簡単におきてしまうのだ。今回、チームスズキイグニスは、まさにこの魔物に魅入られてしまったとしかいい様の無い結果となってしまった。
 
あまりの結果に声を失うチームだが、フィンランドチームのリスト・ライネチーム監督は「本当に残念です。ラリーというスポーツの怖さを改めて感じます。コースアウトは基本的にドライバーのミスといえますが、それでも路面コンディションが相当に悪いという事は言えると思います。条件が厳しかったのです。それでもカンガス選手は昨日のカーディフスーパースペシャルで2位となりました。スピードは間違いなくトップレベルに近づいています。このままマシンの開発が順調に進めば来期はもっと期待できると思います。」と語った。
 
スズキのプロジェクトリーダー松本部長も「全く残念な結果です。ここは昨年、私たちも下見に来たんですが非常に難しいラリーだなという印象をもっていました。やはりというか、厳しい結果になってしまった訳ですが、マシンの実力は確かについて来ています。後はやはり熟成です。人とマシンのマッチングや、チームマネージメントへの協力など、ソフトの部分も含めて、来年に向けて準備して行きたいですね。また、今年の経験を活かして、同じ失敗を繰り返さぬよう来シーズンを戦っていきたいです。」と語った。
 
レグ1は、シトロエンのトゥオヒノ選手がジュニアWRCのトップをキープ。2位には同じくシトロエンのダラビッラ選手、3位にはオペルのマクシェア選手が入った。チャンピオンを争うシトロエンのソラ選手は4位という結果となった。
 
このサイトでは明日もラリー・オブ・グレートブリテンのリポートを続けます。引き続きご覧ください。


 
 
 

 
 

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