11月14日、すっかり日が落ちたウェールズ地方の首都カーディフのスタート会場周辺は、今年最後のラリーイベントとなるラリー・オブ・グレートブリテンの記念すべきスタートを一目見ようとする道を埋め尽くさんばかりの観客に包まれた。待ちに待ったラリー・オブ・グレートブリテンの開催につめかけた大観衆は興奮を隠せない。普段はラグビーで盛り上がるここカーディフもこの週末はラリー一色に包まれる。ここまで多くの観客が押し寄せたのはここカーディフでも久しぶりというが、さすがにラリーの本場だけのことはある。
セレモニアルスタートは6時30分に始まるが既に大観衆で街は麻痺状態、出遅れた観客はあまりの人の多さにラリーカーを見ることなく家路に着くほどの大盛況となった。総出場台数は85台、うちジュニアWRCは19台がスタートランプを通過した。ドイツチームのシェレ/ガイルハウゼン組、フィンランドチームのカンガス/ラークソネン組、そして日本チームの丹羽/高橋組も無事、大観衆の中スタートを切った。
スタート直後のスーパーSS、SS1でカンガス選手ジュニアWRC2位につける!
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このグレートブリテンでは、毎年スタートの直後、カーディフ市内の港に設置されたスーパーSSでまずその速さを競うことになっている。今日は夜空に月が明るく輝くほどの好天に恵まれ25000人を超える観客が見守る中、スズキ勢は素晴らしいスタートを切った。このスーパーSSは全長2.45キロの短いコースだがカーディフスーパースペシャルとして有名。2台が同時にスタートしラリーカー同士のバトルを堪能できる数少ないSSだけに観客も熱狂する。
そのカーディフスーパースペシャルでフィンランドチームのカンガス/ラークソネン組が、なんとジュニアWRCで2位の好タイム2分22秒7を叩きだした。この好成績にカンガス選手は「最初のSSだし2.5キロ程度の短いコースなのでここでのタイムに特別に大きな意味があるわけではないが、明日に向けて気分はいいね。ここのような高速グラベルは好きだし自分のペースで走ればいい結果が出ると信じているよ。」と語った。またドイツのシェレ/ガイルハウゼン組は12位、丹羽/高橋組は19位で、SS1、カーディフスーパースペシャルを終えた。ジュニアWRCトップは、MGのエバンス、タイムは2分21秒8、3位はシトロエンのバリマキ選手、4位も同じくシトロエンのソラ選手となっている。
久しぶりのグラベル(ダート路面)だけに気合が入るカンガス選手だが、もともと得意な路面だけに明日からの活躍が期待される。またシェレ選手も「このラリーは初めてだがコース自体は嫌いではない。高速コースだし走っていて楽しいところだからね。出来ればポイントが取れればいいと思っている。」と最終戦に向け抱負を語る。丹羽選手は「滑りやすくて難しいコースだと思います。一日のうちですべての天候が体験できる凄いところですよ。霧が出れば何も見えないし、雨が降ればドロドロになるところもありますし一筋縄では行かないラリーですね。出来れば一桁台を目指して頑張りますので応援よろしくお願いします。」と語った。
本格的なラリーは明日のレグ1から始まる。レグ1は、6つのSS約139キロで競われる。このレグ1の最終ステージは今日のSS1と同じカーディフのスーパースペシャルステージだ。またまた大観衆の前で走ることとなる。
明日の戦いも目が離せない。
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