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2002 APRC Rd.3 ラリーオブロトルア いよいよスタート!! |
2002年6月27日 |
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アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)第3戦のラリー・オブ・ロトルアは、6月27日の夜にロトルア市内でセレモニアルスタートを行ない、翌28日から3日間に渡る戦いの火蓋が切られる。
ロトルアはニュージーランド北島のほぼ中央に位置している。北島の中央部にそびえる山をいくつか越し坂道を下って行くと、山間にロトルア湖が見えてくる。と同時に硫黄の匂いがクルマの中に忍び込んでくる。そう、ロトルアは日本で言えば箱根のようなところ、湖と温泉の街なのだ。多くのホテルにはスパ浴槽が完備され、街の名物である巨大なポリネシアン・バスには毎日たくさんの観光客が訪れて温泉プールで泳いでいる。街外れには地獄谷のような源泉や間欠泉もある。
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ラリー・オブ・ロトルアとは?
ここロトルアは数年前までWRCラリー・オブ・ニュージーランドの中継点であり、
かつ中心地でもあった。オークランドをスタートした競技車は1日目の夜にロトルアに到着、それから2日間はロトルア周辺のステージで覇を競い、4日目にオークランドに帰るというスケジュールだった。WRCがロトルアに来なくなってからは、地元のチームが中心になってラリー・オブ・ロトルアを開催、ニュージーランド国内選手権の1戦にまで育て上げ、昨年からはAPRCにも昇格された。つまり歴史は浅いが由緒あるラリーとも言える。
さて、ラリーは全行程1050km、その中に17ヵ所275kmのSS(スペシャルステージ)が設定されている。その最初のSS1、2は、かつての名物コース。WRCでもアベレージ70km/hも出せないほどのテクニカルなコースとしてニュージーランド名物となったモツ林道が当てられている。当時は全長50kmという超ロングステージで、ゴールしたドライバーは息も絶え絶え、腕はパンパンに張ってしまうという程厳しいステージだった。だが現在は途中で区切って2本に分けられている。2日目は主に植林地の中の林道を走り、3日目は近郊の一般道を走り、日曜の午後にゴールとなる。ほとんどのステージはニュージーランド独特のバンクのついたダートロードで、路面はメタルロードと呼ばれるほど固く締まっているのだが、月曜から水曜にかけてレキを行なった田嶋選手は、「植林地の中の道が特にそうだが、かなり荒れている」と言っている。
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シェイクダウン
6月27日(木)は朝から公式のシェイクダウンテストが行なわれた。田嶋/ラベット組はシェイクダウンステージに一番乗り、早速テストを開始した。今回のイグニスは、今までのAPRC、そしてアクロポリス・ラリーまでのWRCでの成果を積み込んだ最新バージョンであることは当然だが、出場の主目的はAPRCでのチャンピオン防衛、そしてJWRCイグニスの熟成もその大事な目的だ。この日、田嶋選手はシェイクダウンのコースがあまりにも悪いため、コースを3回ほど走行、マシンの手応えを確かめるとテストを切り上げた。
「ちょっとコースが悪過ぎて、下手をするとマシンを壊す恐れがあるので今日はこれで終了です。イグニスはもうこれまでに大分仕上げてきているので明日はスタートからガンガン行きます。」と田嶋選手。APRCでの田嶋イグニスは、ラリー中に不具合やトラブルが起きそうなパーツを事前に交換をせず、マシンを責め抜いてどこが壊れるかを探さなければならない。そういう意味では今回の悪コンディションは持って来いと言えるかもしれない。
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いよいよAPRC唯一の真冬のラリーがスタート!
シェイクダウンが終わった後、競技車はロトルアに引き上げ、夕方5時半から市内の目抜き通りでのセレモニアルスタートに臨んだ。詰め掛けた観客の前でゼッケン1番から順次選手紹介とインタビューが行なわれて、拍手と声援の中を競技車がフラッグオフ。田嶋/ラベット組イグニス・スーパー1600も一際高くエキゾーストノートを響かせてスタートランプに登った。「イグニスでロトルアを訪れるのは初めてだが、最大限のパフォーマンスを発揮して頑張ります。」という言葉に詰めかけたキウイ達(ニュージーランド人の愛称)のやんやの拍手を浴びてスタートした。
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因みに出場車は総勢48台、主な出場車両はほとんどが4WDターボマシンだ。
1600CCの自然吸気エンジンをその心臓に
持つ2WDの
イグニス・スーパー1600
が何処までこれらの4WDターボ勢に食い込めるかが大いに注目される。
またニュージーランドNo1ドライバーのポッサム・ボーン組は、前日の準備中にエンジンが壊れてしまい不出走ということになってしまったが、APRCの参加資格を満たすためにレキカーでスタートだけはこなした。カラムジット・シンを始めとするAPRCチャレンジャーは9カ国から14台が出場してきたが、そのほとんどが日本でのAPRC第4戦、9月のラリー北海道にもやって来るというから楽しみだ。
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さて、このラリー・オブ・ロトルア、本格的なラリーは明日のレグ1からスタートする。
次のレポートは7月1日(月)の予定、お楽しみに。 |
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