スズキのクルマでめぐるおすすめスポット情報

美瑛・富良野の丘と道を
ソリオで巡るドライブ。
〜初めて見る景色と感動の記憶〜
今回は、取材に訪れたライター自身が、
スポット情報だけでは伝えきれない、
美瑛・富良野の魅力をお届けします。
※掲載の内容は2023年9月現在の情報です。
※臨時休業や営業日、営業時間変更の場合もあり、確認の上お出かけください。
“あの景色” を求めて美瑛・富良野へ。
都会を離れて癒される丘と道の旅
キーボードから手を離し、ふと「どこか遠くへ行きたいな」とパソコンの画面に “旅行” の文字を浮かばせていた。 SNSを見ていると、「美瑛・富良野」の文字と写真に釘付けになる。日々の忙しさと都会の喧騒から離れるにはピッタリなのではないか?遥か遠くに感じる美瑛・富良野。
そんな時に取材の話が飛び込む、聞けば行き先は北海道!自分へのご褒美もこっそりと期待して美瑛・富良野へ足を運ぶことに決めたのだった。
パッチワークの路
自然のおもてなし。
自然が作り上げた丘と道の景観を堪能する。
旭川から国道沿いを走り、まずは美瑛へ向かうことにした。慣れない土地と新しい出会いにドキドキしながらのドライブ。最初に目に入ったのは、市街地から少し離れた先に広がる黄金色の田園風景だった。目に染みるほどの空の青さと目の前に広がる田園風景とのコントラストは、北海道に来なければ見られなかった景色。その雄大な景色が、日々の疲れを癒してくれるような予感がした。
到着したのは「パッチワークの路」。種類の異なる畑のコントラストがまるでパッチワークのように広がるエリアだ。
あなたは “丘をドライブする” と聞いてどんな情景を思い浮かべるだろうか?ひとつの丘を、頂上から見える景色を目指して車を走らせる、そんなイメージを抱いていた。けれど、すぐにそれは覆された。そこで目にしたのは、小さな丘がいくつも連なりできた、見渡すかぎりに広がる大地。目にした光景に、圧倒されてしまった。
まさに美瑛・富良野の “自然のおもてなし” に思わず「はぁ……」とため息をついた。
路肩にある駐車スペースにソリオを停めて、大きく息を吸って伸びをした。吸い込んだ空気は東京にいるときよりも胸の奥深くまで入り込んで、全身を透き通った酸素が巡るような清々しさを感じたのだった。
ジェットコースターの路
まるでジェットコースター!
丘と道が与えてくれる自然の魔法に魅了される。
パッチワークの路を後にし、窓から大きな空と広がる大地を眺めながらの穏やかなドライブ。午後から雨の予報だったため、流れる雲は足早に進んでいた。そんな変わりゆく空の表情を見られるのもこの土地の醍醐味だな、と思いながら、鼻歌混じりに車を走らせた。
20分ほど走ると「ジェットコースターの路」に到着。そこには「パッチワークの路」とはまた違った独特な景観が広がっていた。先が見えないほど遠くに向かってひたすら真っ直ぐ道が伸びており、そのうえ、アップダウンを繰り返す、まさに “ジェットコースター” 。写真で見た時よりも奥行きも距離もあり、迫力満点だ。
走り出すと窓を開けて声を出したくなるほどの開放感と気持ちよさが押し寄せてくる!目の前に続く道と鮮やかな緑と、窓の外から薫る木々の香りのコンビネーションが心地良く、走るほど自然に溶け込んでいくような気がした。
よく見ると道の近くには木々だけでなく絶え間なく田園や小さな丘も顔を出している。なるほど、北海道、特に美瑛・富良野という土地はさまざまな自然が組み合わされて広大な大地を作り出しているのだ。
初めて見る光景に魔法にかかったかのように、自然の力がどんどん心を軽くして行くよう。
坂を下るごとに、美瑛・富良野の自然に魅了された人々の気持ちが少しずつわかってきたような気がした。
VIVA食堂
旅のはじめの食事はグラタン専門店へ。
一皿で表現された “北海道バイブス” を頬張る。
美瑛・富良野の自然のおかげで心も身体も解放された途端、「ぐぅ〜……」とお腹がなり始めた。時計を見ると時刻は12時過ぎ。自然のパワーで腹時計も正確になったようだ。
美馬牛駅の方へ戻り、824号線を進んで丘を切り開いた道へ入っていく。だんだんと大きな雲が空に広がり、フロントガラスに雨粒が落ちてきた。左手に流れていく丘や田園風景に降り注ぐ恵の雨が神々しく美しい。
大きなとうもろこし畑を目印に小道へ入ると、そこには森の中に溶け込むように佇むログハウスがあった。グラタン専門店「VIVA食堂」だ。
食券機の前でさんざん迷って選んだのは、富良野ソーセージ付きのシーフードマカロニグラタンと美瑛パン、富良野にんじんジュース。どれもこれも魅力的だったが、ここにきたからには“美瑛・富良野” を食すのみ!
東京から移住してきたご主人いわく「北海道バイブス」を一皿で表現したい!と作ったのが「VIVA食堂」のグラタンなのだそう。こだわりの詰まった一品が待ち遠しい。
窓の外を眺め富良野ジュースを飲みながらゆったりと待っていると、運ばれてきたのは大きなソーセージがのった熱々のグラタンと美瑛パン。早速スプーンですくってみると表面のパン粉が「サクッ」と軽やか。頬張れば想像以上に濃厚でクリーミーなソースが口の中に広がり、ホクホクとした具から旨味が溢れ出す!月並みな表現だが……「こんなグラタン食べたことない!」食材にこだわり丁寧に作られた味は定番のあの味を越えるのだ。ジューシーなソーセージと自然な甘味で歯ごたえ抜群の美瑛パンと共に、熱々のグラタンをあっという間に食べ終えてしまった。
まさに「北海道バイブス」。北海道の自然を一皿にしたグラタンは雨で冷えた身体と心を温めてくれたのだった。

温もりある心地よい店内。大きな窓からは森が見える

森に囲まれ溶け込んだ建物がひっそりと佇む
白金青い池
美瑛を訪れたなら寄ってみたい名所。“美瑛ブルー” で四季の美しさに思いを馳せる。
満腹感と幸福感に満たされ外へ出ると、ちょうど雨が止んでいた。雨が降った後の土の香りがまた幸福感を膨らませる。 ひと休みできたところで、次の目的地へ向かうことに。
国道966号線を南下し真っ直ぐ進んでいく。さっきまでの大きな雲から切れ間ができ、陽の光が差し込んでいた。大地はキラキラと光り、黄金色の稲が輝く風景が続いていく。流れる景色を見ていると、「ここで四季を感じて生きてみたいな。」と思った。
白樺街道を抜け、到着したのは「青い池」。人気の観光スポットなだけあって駐車スペースには多くの人がいた。先ほどの雨で池が濁っているかもしれないという心配はあるものの、この目に焼き付けるぞ!と意気揚々と池に向かった。
駐車場から少し入った道を進んでいくと広がるその景色に息を飲んだ。ターコイズブルーの水面が広がり、立ち枯れた多くのカラマツの影が水面に浮かんで、見たことのない神秘的な景色を作り出していたのだ。雨による濁りもなく、お昼過ぎのちょうど日の光が水面に入るタイミング。
池の周りの遊歩道を歩きながら水面を覗いてみる。自然の中では目にしたことのない独特な青い色なのに、どこか人工的には思えない不思議な透明感に吸い込まれてしまいそうだった。季節によって表情を変えるという青い池。「どの季節も素敵なんだろうな。」と四季折々の青い池を思い浮かべて、また来てみたいと思った。美瑛・富良野の自然には、四季を感じていたい日本人の本能をくすぐらせる魅力があるようだ。
三愛の丘
丘と道めぐり後半戦は
緩やかにうねる広大な大地に広がる丘。
五感が繊細になっていく心地よさを感じる。
「青い池」を後にし、行こうと決めていた三愛の丘へ向かうことにした。
太陽が少し落ち始めると、空気が柔らかくなるのを感じた。窓を少し開けるとひんやりとした風が車内を包み、外は午後の柔らかな明かりで照らされている。今日一日、ドライブをしながら様々な場所へ向かったが、目的地の丘や道と同じくらい美瑛・富良野の風景に癒されていた。ふと、「東京ではこんなに空の移り変わりや肌に触れる空気や匂いを感じてはいなかったな。」と思った。車を走らせるほどに、鈍った五感が繊細になっていくようだ。
20分ほど走ったところで三愛の丘に到着。高台にあるパーキングから振り返れば広大な丘が連なり遠くに山並みが広がっていた。今まで、漠然と捉えていた自然の姿にこんな違いを感じたことなどあっただろうか。「三愛の丘」は「パッチワークの路」と同じ丘であるのにまるで異なった景色に映った。遠くの山々まで見渡せる、丘というよりは大地が波打っているような立体的な風景。ブラウンの土は太陽に照らされ宝石のようにキラキラと光り、大地の深い緑色とのコントラストがより奥行きを感じさせていた。丘や畑、山や森林。すべてが詰まった風景なのに、まるでバランスをとって配置されている、美しい絵画のような風景が深いため息を誘う。自然が呼吸のやり方を教えてくれたような気がした。
四季彩の丘
旅の最後は虹色のカーペット。
「明日から頑張ろう。」自然のパワーで充電する。
旅の最後はここ、と決めていた場所がある。自宅には花を欠かさず飾るほど花が好きな私は、“花のカーペット” を見られることを楽しみにしていた。道中で遠くに見える色とりどりの丘に、できるだけ目をやらないようにしてとっておいた風景を、やっとこの目に収めることができる!旅を締めくくる「四季彩の丘」だ。
駐車場から売店を抜け、外に出るとそこにあったのは念願の虹色のカーペット!風に揺れる色とりどりの花が輝く。丘いっぱいに広がる花は列ごとに違う種類の花が咲き、遠くには山々と空が広がる。花畑の通路をいくと、そのストライプ模様を美しく見ることができた。花畑の観光地は日本各地にあるが、ここは丘の両側に広がる傾斜一面に花が咲いているため、入り口から下った中央辺りから見上げると視界のすべてが花に囲まれているようだった。
虹色のカーペットはどこまでも続く。花畑と呼ぶには広すぎる、まさに “花の大地” だ。全体を歩くには坂も多く時間がかかるため、トラクターバスに乗って移動すれば、また違った眺めと面白さを体験できる。
華やかな花たちが奏でる「色彩」と空の青さに魅了され、いつまでもここで眺めていたいと思った。
ひそかに「自分へのご褒美」も狙った今回の取材は、美瑛・富良野の自然と景観から、想像以上の感動とパワーをもらい、満ち足りた気持ちで、またこの地にくることを約束したのだった。
今回のドライブルート
周辺スポット情報
カフェロッジ Touch Wood
カフェスペースでは丘を眺めながら美味しい食事を取ることも出来る。
喫茶 山の分室
- 所在地:
- 〒071-0500 北海道空知郡上富良野町西2北20
※冬季休業