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スズキは、製品の使用に伴う排出量がバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量の約85%を占めることを認識し、高効率のパワートレインの開発、ハイブリッドの拡大・強化及びEVの新規開発に取り組みCO₂排出量の低減・抑制に取り組んでいます。また、車体・機体へリサイクル可能樹脂やリサイクル材を採用して資源の有効利用を推進し、及び使用する化学物質の管理を徹底することで環境負荷の低減を図り環境保全に取り組んでいます。

CO2排出量の削減

気候変動に対する取り組み

地球環境問題は人類の持続的発展における大きな課題であり、グローバル企業としてスズキはこれに取り組んでいかなければならないと考えています。中でも地球温暖化に対しては、重要課題として取り組む必要があると考えています。

地球温暖化に対する責任とスズキの取り組み

地球温暖化に対する国際的な議論が進められ、地球温暖化を促進するCO2排出に繋がる化石燃料の使用を削減することを目指す国際ルール「パリ協定」が定められました。
またスズキ地球環境憲章で、【環境理念】を「美しい地球と豊かな社会を次の世代に引き継いで行くために、一人ひとりの行動が地球の未来を左右する大きな力を持つことを自覚し、地球環境保全に取り組んでいきます。」としています。
スズキは、化石燃料を使用する製品を造り、事業活動においてもCO2を排出していることを常に意識し、CO2排出量の低減に取り組まなければならないという、大きな課題を持っています。

製品での取り組み

スズキは「小さなクルマ、大きな未来。」をスローガンに、地球環境にやさしい製品づくりに邁進しています。全ての製品で、小型化軽量化、燃焼効率の改善、抵抗の低減、を進めることで、CO₂排出量の低減を進めています。
次世代技術の導入においても、小型乗用車・軽乗用車へのマイルドハイブリッド車の展開、スズキ独自のAGS機構と組み合わせたハイブリッド車の展開、電動スクーターの販売などにより、CO₂排出量の低減を進めています。
また更なるCO₂排出量低減を目指す為、燃料電池二輪車の公道実証試験、日常生活に適した小型EVの開発を進め、将来のCO₂ゼロエミッションを目指します。

国内販売構成の推移

事業活動での取り組み

環境計画2020でスズキはグローバルCO₂削減目標を設定し、2020年を目標に、全世界の製造拠点で生産活動におけるグローバル生産台数当たりCO₂排出量2010年度10%削減を進めます。

※国内工場の四輪・二輪・船外機の台あたりCO₂排出量比率を元に、グローバルで四輪生産台数に換算した値。

バリューチェーン全体が排出する温室効果ガスの開示

スズキは、原材料・部品の購買や製品の製造・販売を通した事業活動に伴い排出される温室効果ガスの低減に向けて、温室効果ガス排出量の把握・開示が必要であると考え、事業活動に伴い排出される温室効果ガスだけではなく、バリューチェーン※1全体の温室効果ガス排出量を把握する取り組みを2013年度より行っています。
2017年度にバリューチェーン全体が排出した温室効果ガス排出量7,862万t-CO₂のうち7,742万t-CO₂がスコープ3(その他の活動に伴う間接排出)※1に相当し、中でも「カテゴリー11 スズキが販売した製品の使用」※2による排出量が6,678万t-CO₂とバリューチェーン全体の84.9%を占めています。
このことからスズキは、バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を低減させるには製品の使用に伴う排出量を低減させることが重要であると考え、引き続き燃費向上を重視した製品の開発・改良に取り組んでいきます。

2017年度の温室効果ガス排出量の内訳

  • ※1 バリューチェーン:事業の全ての活動が最終的な価値にどのように貢献するかを、体系化する手法。算定基準である「GHGプロトコル※3」に従って算定されるスコープ1、スコープ2及びスコープ3から構成される。バリューチェーンに含まれる事業活動は、部品や原材料の調達、製造、出荷、販売、お客様サービスや、これらの活動を支えるための管理業務、技術開発業務など。当社では、環境省・経済産業省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム※4に2014年度より参加し、算定の取り組みを紹介している。
  • ※2 カテゴリー11の排出量は、当該年度に販売したスズキ製品が将来廃棄されるまでの使用に伴う排出量。
  • ※3 GHGプロトコル:米国の環境シンクタンクWRI(世界資源研究所)と、持続可能な発展を目指す企業連合体であるWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)を主体とした、GHG(温室効果ガス)の算定・報告基準を開発するための方法。
  • ※4 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム:環境省・経済産業省が地球温暖化について国内外の動向・算定方法等様々な情報を発信する、バリューチェーンの排出量に関する情報プラットフォーム。
    ホームページ http://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/index.html

当社対応のスコープ1・2及びスコープ3各カテゴリーの区分

区分 内容 詳細
スコープ1 直接排出 自社での燃料の使用や工業プロセスによる直接排出
スコープ2 エネルギー起源の間接排出 自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出
スコープ3 その他の間接排出  
カテゴリー1 購入した製品・サービス 原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が製造されるまでの活動に伴う排出
カテゴリー2 資本財 自社の資本財の建設・製造から発生する排出
カテゴリー3 燃料及びエネルギー関連活動 他者から調達している電気や熱等の発電等に必要な燃料の調達に伴う排出
カテゴリー4 輸送・配送(上流) 原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が自社に届くまでの物流に伴う排出
カテゴリー5 事業から出る廃棄物 自社で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出
カテゴリー6 出張 従業員の出張に伴う排出
カテゴリー7 雇用者の通勤 従業員が事業所に通勤する際の移動に伴う排出
カテゴリー9 輸送・配送(下流) 製品の輸送、保管、荷役、小売に伴う排出
カテゴリー11 販売した製品の使用 使用者(消費者・事業者)による製品の使用に伴う排出
カテゴリー12 販売した製品の廃棄 使用者(消費者・事業者)による製品の廃棄時の輸送、処理に伴う排出
カテゴリー15 投資 投資の運用に関連する排出

※カテゴリー8(リース資産(上流))、カテゴリー10(販売した製品の加工)、カテゴリー13(リース資産(下流))、カテゴリー14(フランチャイズ)は算定対象外につき除外。

CO2排出量低減を目的としたLCA(ライフサイクルアセスメント)

スズキは、製品の環境への影響を把握するため、走行段階だけではなく原材料の製造から廃車処理までのライフサイクル全体を対象に、具体的な数値で評価することのできるLCAの手法を採用しています。このLCAの結果を製品開発や事業活動に活かすことによって、環境負荷の低減を推進しています。

スズキのLCA評価段階

従来車と新型車のCO₂排出量比率(%)

車種毎のCO₂排出量比率(%)(2018年6月現在)

燃費の向上

四輪車

平均燃費の向上

スズキは地球温暖化の要因とされるCO₂排出量の削減のため、燃費向上を重視した製品の開発・改良に取り組んでいます。
スズキは燃費向上開発をグローバルに展開しています。

日本平均燃費(乗用車)

※10.15モード⇒JC08モード換算値含

欧州平均CO₂排出量(乗用車)

※2017年の平均CO₂排出量は欧州委員会の暫定値 (2018年7月現在)

インド平均CO₂排出量(乗用車)

中国平均CO₂排出量

グローバル企業平均燃費

スズキの主要な市場(日本、インド、欧州、中国)における製品使用時CO₂排出量は、2005年度比で26%改善。
スズキは燃費に優れた車をより多くのお客様に提供することで、車社会全体の燃費向上に貢献しています。

グローバル企業平均燃費(乗用車)の推移

  • ※グローバル平均燃費は日本、インド、欧州28カ国、中国を対象としています。
  • ※各国で定められた測定方法で算出したCO₂排出量(燃費値)に基づいて計算しています。

主な燃費向上技術

web : https://www.suzuki.co.jp/car/technology/

グローバル企業平均燃費(乗用車)の推移

2018年6月現在

燃費向上技術 概要 主な2017・2018年度販売新型車
ハイブリッドシステム ハイブリッドシステム コンパクトなシステムで、モーターアシストやEV走行を実現。
低燃費と力強い走りを両立したシステム
マイルドハイブリッドシステム 減速時のエネルギーを利用して発電し、加速時には、その電力を活かしてエンジンをアシストすることで さらなる燃費の向上を実現するハイブリッドシステム
低燃費エンジン ブースタージェット エンジン 高出力・高トルクを実現した直噴ターボエンジン
デュアルジェット エンジン 熱効率を高めることで、動力性能・環境性能を両立したエンジン
AGS(オートギヤシフト) MTをベースにクラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧式アクチュエーターを採用した新開発のトランスミッション
蓄冷エアコンシステム(エコクール) 空調ユニット内に内蔵した蓄冷材をエアコン使用時の冷気で凍らせ、アイドリングストップ中の送風時でも冷たい風をキープするシステム
アイドリングストップ 所定の車速以下になると自動でエンジンを停止するシステム
HEARTECT(ハーテクト) 主要構造や部品配置を全面刷新し、基本性能の向上と軽量化を実現した新プラットフォーム
エコドライブ支援装置 優れた燃費性能を誰もが実感できるように、エコドライブをサポートするメーターに設定した装置
改良サスペンション 高剛性化と軽量化を両立させるとともに、安定感のある快適な乗り心地も実現したサスペンション
超高張力鋼板 優れた衝突安全性能と燃費性能に貢献する高強度かつ軽量なボディーを構成する鋼板
空気抵抗の低減 高いデザイン性をキープしながら、プラットフォームやパーツの形状を最適化。車体まわりの空気の流れをスムーズにして空気抵抗を低減したスタイル
  • ※上記画像はイメージです。
  • 文字はSUZUKI GREEN Technology 該当技術です。

二輪車

グローバル企業平均燃費

燃焼改善、フリクションロス低減、軽量化等を進め、燃費の向上に取り組んでいます。

グローバル企業平均燃費の推移

主な燃費向上技術

燃費向上技術・取り組み 概要 主な2017年度販売新型車
パワートレイン SEPエンジン 燃費効率を上げ、フリクションロスを低減することにより、パワーを落とすことなく低燃費を実現したエンジン アドレス125
デュアルスパークテクノロジー 高い燃焼効率により、スムーズな出力特性と高い燃費性能、排出ガス低減に貢献する1気筒あたり2本のスパークプラグを持つ機構 SV650X ABS
インジェクションシステム 様々なコンディションで最適な制御を実現し、パワフルさと高い燃費性能を両立させる6つのセンサー*を搭載したインジェクションシステム。
*O2センサー、水温センサー、吸気温センサー、スロットルポジションセンサー、吸気圧センサー、クランクポジションセンサー
GSX‐S125 ABS
フレームの改良 メインフレームの肉厚及び断面形状の適正化 RM-Z450
エコドライブ支援装置 燃費計と燃費の良い運転をひと目で確認することができるエコドライブインジケーターを装備 バーグマン 400 ABS
LEDヘッドライト
LEDテールランプ
消費電力の削減と長寿命化を目的 GSX-R125 ABS

※上記画像はイメージです。

  • *SEPはスズキ・エコ・パフォーマンス
  • *SCEMはSuzuki Composite Electrochemical Materialの略

船外機

主な燃費向上技術

グローバル企業平均燃費の推移

燃費向上技術・取り組み 概要 主な2017年度販売新型機
リーンバーン(希薄燃焼)
制御システム
高効率な燃焼が得られるよう、エンジン出力に応じて希薄な混合気を自動調整し、燃費向上を実現するシステム。 DF350A DF100B
ダイレクトインテーク
システム
高出力、高圧縮比で高効率な燃焼が得られるように、エンジンカバー外部の冷気をエンジン内部に効率的に取り込むシステム。 DF350A
デュアルインジェクター
システム
燃料の霧化を促進し、燃焼温度を下げるために、最適な燃料噴射量、噴射時間を実現した1気筒あたり2本の燃料噴射装置を装備したシステム。 DF350A
プレシジョンコントロール リモコンによるスロットル操作およびシフト操作を、従来のケーブルから、摩擦や抵抗などの機械的な要因を排除した、電子配線に置き換え、制御するシステム。 DF350A
デュアルプロップシステム 反転する2枚のプロペラを前後に組み合わせることで、エンジン出力をより効率的に推進力に変換。
さらに小型化したギヤケースが水中抵抗を低減することで、高い走行性能と直進安定性を実現したシステム。
DF350A
  • ※上記画像はイメージです。 
  • 文字はSUZUKI GREEN Technology 該当技術です。

次世代車両の開発

燃料電池車の取り組み

小型・軽量・低コストの空冷式燃料電池システムを搭載した「バーグマン フューエルセル」は燃料電池二輪車として国内で初めて型式認定を受け、2017年3月より公道走行を開始しました。国内に加えて2018年1月からは英国ロンドン市に運用の範囲を拡げています。
四輪車とは異なる二輪車ならではの車両特性も考慮し、燃料電池二輪車の市場性確認のためのデータ収集を行っています。

バーグマン フューエルセル 空冷式燃料電池ユニット 浜松水素ステーション(移動式)での水素充填(2017年3月から実際の運用開始)

Topics 電気自動車(EV車)の開発

スズキとトヨタ自動車株式会社は、2017年11月、インド市場向けEV投入に関する覚書を締結し、両社は2020年頃にインド市場向けに電気自動車(以下、EV)を投入するための協力関係構築に向け検討を進めることで合意しました。
具体的には、「インド市場向けにスズキが生産するEVに、トヨタ自動車株式会社が技術的支援を行い、その車両をトヨタ自動車株式会社へ供給することに加え、充電ステーションの整備や、販売網におけるサービス技術者の教育を含めた人材育成、使用済み電池の適切な処理体制の整備、インドにおけるEVの普及・定着に資するための活動」について、総合的に検討を進めていきます。

フロンの削減

現在カーエアコンに使用しているフロン冷媒HFC-134aは、地球温暖化係数が大きいため、使用量の低減に取り組んでいます。
将来に向けて地球温暖化係数が極めて小さい冷媒HFO-1234yfを用いたエアコンの開発を進めています。

資源の有効利用

四輪車

材料リデュースを目指した設計の継続

“3R”で最初に推進すべき項目は、リデュース(排出量削減)です。このため、スズキは小少軽短美の方針の下、徹底した使用材料低減・軽量化に取り組みリデュース(排出量削減)を推進しています。
例えば、2017年12月発売の新型クロスビーの外装部品では、フロント/リヤバンパーやラジエーターグリルに加えて、フロント/リヤフェンダースプラッシュガード、サイドシルスプラッシュガード、フロント/リヤドアスプラッシュガードの薄肉化を実施しています。

熱可塑性樹脂部品の採用拡大

リサイクル設計(四輪)

リサイクルのことまで配慮したクルマ作り(リサイクル設計)は、自動車の設計を行う上で大切な取り組みです。
スズキは樹脂製の外装部品や内装部品にリサイクルし易い材料を使用する等、環境に配慮したクルマ作りに日々取り組んでいます。

主なリサイクル可能樹脂材料の使用箇所 (例:新型クロスビー外装)

リサイクルしやすい樹脂材料の使用

プラスチックを大きく分けると「熱硬化性樹脂※1」と「熱可塑性樹脂※2」の2種類に分けられます。
スズキでは、ほとんどの樹脂部品に“熱可塑性樹脂”を使用して、環境に配慮したクルマ作りに取り組んでいます。

主なリサイクル可能樹脂材料の使用箇所(例:新型クロスビー内装)

部品名

ルームミラー ハウジング
ステイ
ルームランプ ハウジング
レンズ
DSBSカバー
ミラーカバー
フロントピラートリム
センターピラートリム アッパー
ロア
アシストグリップ
クォータートリム アッパー
ロア
インストルメントパネル
インストルメントクラスターパネル
グローブボックス ボックス
リッド
ロアカバー
ダッシュサイドトリム
サイドシルスカッフ
ドアハンドル
ドアトリム フロント ボード
オーナメント
アームレスト
ポケット
リヤ ボード
グリップカバー
ポケットカバー
バック ボード
テールエンドトリム
  • ※1 熱硬化性樹脂
    熱と圧力によって硬化した後は、再加熱しても軟化・溶融しない樹脂材料。
  • ※2 熱可塑性樹脂
    成形後でも再加熱により軟化・溶融し、冷却すると固化する樹脂材料。
    溶融・固化を繰り返し行うことで再利用が可能。

材料着色(以下、材着)樹脂材料の使用箇所(新型スペーシア内装)

Topics スズキ、第49回「市村産業賞 貢献賞」を受賞
~「高外観樹脂材料の開発と無塗装材着部品への適用」~

今回、スズキが受賞した「高外観樹脂材料の開発と無塗装材着部品への適用」は、自動車の樹脂部品の中でも特に高い品質が求められる部位の材料として、光沢感のある外観、光や熱、衝撃に対する耐久性等を満たす樹脂材料(バイオポリカーボネート)を開発し、これに材料着色技術と構造設計技術を合わせて自動車内装部品で実用化したことが評価されました。材料着色でありながら、塗装に匹敵する光沢感のある高い外観の品質を実現し、塗装と比べて揮発性有機化合物(VOC)排出削減など環境負荷の抑制にも貢献しています。スズキはこの技術を、ハスラーのインパネガーニッシュやワゴンRのオーディオガーニッシュ等、内装部品への採用を拡げています。

【高外観樹脂材料のしくみ】

・植物性由来のイソソルビトを主原料としたバイオポリカーボネート(バイオPC)と特殊スチレン系ゴムを配合することにより、高耐光性、高耐傷付き性、高耐熱性、高耐衝撃性、その他の必要性能を有する透明樹脂材料を開発した(図1)。自動車内装部品の新法規UN-R21にも対応する。本材料はスズキが培った材料着色技術のベース材料として真価を発揮し、従来は塗装に頼っていた高外観の内装樹脂部品を無塗装で実現することができる。

*UN-R21 車室内の乗員保護のため、自動車の型式指定の際に適用される法規基準。

【高外観樹脂材料の効果】

  • ・従来は黒系が中心であった自動車インパネ回りに、多彩な色による新しい加飾スタイルを実現した。
  • ・無塗装化の結果、塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC)の排出を低減(図2)すると同時に、コスト削減も達成した。

<図1 高外観樹脂材料の性能>

<図2 部品からの車室内VOC発生量>

【主な採用例】

  • ・インパネガーニッシュ(ハスラー、アルト ラパン)
  • ・オーディオガーニッシュ(スイフト、ワゴンR)

ハスラー インパネガーニッシュ

スイフト オーディオガーニッシュ

二輪車

材料リデュースを目指した設計の継続

資源の有効利用促進のため、部品・材料の使用量削減、部品の薄肉化及び小型化等に取り組んでいます。
2017年8月4日に販売開始した「バーグマン400ABS」では、シートを含む外装樹脂部品全体として、部品点数の削減と小型化、部品構造の見直しにより材料の使用重量の低減を図り、従来モデルに対し7.7kgの軽量化を実現しました。

熱可塑性樹脂部品の採用拡大

スズキは、二輪車の設計開発においてリサイクルに配慮した取り組みを行っています。

「GSX-R125」「GSX-S125」においては、リサイクル材着樹脂材料(PP)やリサイクル可能な材着樹脂材料(PP)を採用しました。

※PP:Polypropylene

材着樹脂部品(PP)の使用箇所(例:GSX-R125) 材着樹脂部品(PP)の使用箇所(例:GSX-S125)

「バーグマン400 ABS」においては塗装面積を32%削減し、リサイクル可能な材着樹脂材料(PP,PMMA)の採用割合を増加させました。

※PP:Polypropylene、PMMA:Poly Methyl Methacrylate

リサイクル可能な材着樹脂材料の使用箇所(例:バーグマン400 ABS)

船外機

熱可塑性樹脂部品の採用拡大

リサイクル設計

リサイクルのことまで配慮した船外機作り(リサイクル設計)は、船外機の設計を行う上で大切な取り組みです。
スズキは、船外機のカバーなどにリサイクルしやすい樹脂材料を使用するとともに、分解が容易なタッピングスクリューの使用部位を増やすなど、環境に配慮した船外機作りに日々取り組んでいます。

主なリサイクル可能樹脂材料の使用箇所(例:DF350A外装)

環境保全の取り組み

大気排染の抑制

四輪車

大気汚染物質の排出量低減を目的としたLCA(ライフサイクルアセスメント)

スズキは、製品の環境への影響を把握するため、走行段階だけではなく原材料の製造から廃車処理までのライフサイクル全体を対象に、具体的な数値で評価することのできるLCAの手法を採用しています。このLCAの結果を製品開発や事業活動に活かすことによって、大気汚染物質の排出量の低減を推進しています。

スズキのLCA評価段階

大気汚染物質の排出量比率(%)

排出ガスの低減

触媒技術

世界中で厳しくなっている排出ガス規制に対応するために、冷機を含めた排出ガスの低減が不可欠です。エンジンからの排気ガスの低減と並行して排ガス浄化触媒の性能向上を進めてきました。触媒に使用する貴金属やレアアースの最適設計により、冷機性能に有効な貴金属を触媒の前方に集中するゾーンコート触媒を日本、欧州などの厳しい排出ガス規制に対して採用しています。また、冷機浄化性能に優れた薄壁・高セル触媒や高速走行時の浄化性能にも優れた六角セル触媒、鉄・セリウムを微小サイズで高分散させた新開発の省貴金属触媒なども採用し、世界中の排出ガスのクリーン化に取り組んでいます。

二輪車

排出ガスの低減

排出ガス低減技術として、触媒浄化性能向上に取り組み、平成28年国内排出ガス規制に対応しています。

触媒改良(タンデムハニカム)

2017年8月より国内向け販売を開始しましたバーグマン400 ABSでは、タンデムハニカムを採用しました。
これは、従来のシングルハニカムから、中央部分に空間部を設け、2個のハニカムを直列に配置したタンデム構造としたものであり、これにより、触媒浄化性能の向上を達成しています。

ゾーンコート触媒

船外機

排出ガスの低減

スズキの4ストローク船外機は、米国カリフォルニア州大気資源局(CARB)の2008年排出ガス規制値及び米国環境保護庁(EPA)の2次規制値、並びに(一社)日本マリン事業協会の2011年マリンエンジン排出ガス自主規制値(2次規制)をクリアしています。

環境負荷物質への対応

環境負荷物質の管理

自動車業界向けの材料データ収集システムであるIMDS(International Material Data System)を2003年より導入し、それを利用した社内環境負荷物質管理システム(下図参照)を社内に構築しました。このシステムによって、欧州ELV指令の対象となる重金属4物質(鉛・水銀・六価クロム・カドミウム)だけでなく、REACH規則(Registration Evaluation Authorisation and Restriction of Chemicals)における高懸念物質(SVHC※1)の管理が可能となりました。また、欧州の車両型式認証要件であるリサイクル可能率の算出も、本システムを利用して実施しています。
これまでスズキは、国内生産拠点で生産する製品や、ハンガリーのマジャールスズキ社の製品及び、インドのマルチ・スズキ・インディア社の一部製品、タイのスズキ・モーター・タイランド社の一部製品、インドネシアのスズキ・インドモービル・モーター社の二輪車の一部製品など、本システムによる環境負荷物質に関する法規への適合確認を行ってきました。また、今回新たにインドのスズキ・モーターサイクル・インディア社のIMDS運用準備を開始するなど、グローバルでの対応を随時進めています。これらの取り組みによって、2017年度には四輪車、二輪車、船外機合わせて新たな32機種について、環境負荷物質に関する法規への適合確認を行いました。
今後は、インド国内販売の四輪車やインド生産の二輪車に関しても本システムを適用できるようにし、環境負荷物質の管理削減を推進していきます。

※1:Substance of Very High Concern

IMDS研修の様子

スズキグループにおけるアスベスト不使用の徹底強化

スズキの技術規格においてアスベストは全面使用禁止としていますが、昨年、アスベスト不使用の徹底強化を目的として「アスベスト管理規程」を新設しました。当規程では当社の海外生産工場におけるアスベスト管理規程の制定や取引先へのアスベスト全面使用禁止の周知、社内関係者に対する定期的な教育の実施などを義務付けており、スズキによる実施確認監査を行っています。

化学物質規制への対応

POPs条約により廃絶物質となったデガブロモジフェニルエーテル(Deca‐BDE:臭素系難燃剤)の非含有切替えは2018年3月までに完了しました。また、REACH規則(EU)で制限(禁止)物質となるフタレート系可塑剤4物質(DEHP,DBP,BBP,DIBP)の欧州向け製品への非含有切替えについて、当社取引先と協力して取り組みを進めています。

海外拠点における環境負荷物質管理体制構築の推進

海外主要生産拠点においては環境負荷物質管理の柱となる「グリーン調達ガイドライン」を2011年以降順次制定・運用を開始しているところですが、運用状況確認を目的とした監査を開始しました。
また、「グリーン調達ガイドライン」未導入拠点に対する計画的な導入を推進しています。

車室内VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物※1)の低減

お客様に安心、安全な製品を提供するため、内装部品の材料や接着剤などにVOC発生量の少ないものを使用し、車室内VOCの低減に取り組んでいます。2006年1月以降、国内で販売する全ての新型四輪車について、自動車業界の自主取り組み※2の目標値である厚生労働省のVOC室内濃度指針値以下を達成しており、今年度は新型スペーシア、新型クロスビー、新型スイフト ハイブリッド及び新型スイフトスポーツについて達成しました。
それに加えて、車室内の臭いを低減する取り組みも継続して行っており、今後もお客様がさらに快適にお過ごしいただけるような車室内環境づくりを進めていきます。

2017年度 VOC室内濃度指針値以下を達成した機種例

新型スペーシア

新型スペーシア カスタム

新型クロスビー

  • ※1:VOCは、シックハウス症候群(頭痛や喉に刺激を感じるなどの症状)の原因の一つとして考えられており、人体への影響が注目されています。
  • ※2:(一般社団法人)日本自動車工業会では、2007年4月以降発売の新型乗用車及び、2008年4月以降発売の新型商用車に対して、厚生労働省指定13物質の車室内濃度を、全て指針値以下とする自主取り組みを進めています。

騒音低減

四輪車

車外騒音

環境問題のひとつである道路交通騒音低減のために、自動車により発生する騒音の低減に取り組んでいます。具体的には、自動車の音源となるエンジンをはじめトランスミッション、吸排気系、タイヤなどから発生する音の低減と、発生した音を車外へ出さないための遮音カバーの最適化等を行い生産車に盛込んでいます。
これによりスズキが生産し販売する全ての四輪車で、国内および各仕向け国の車外騒音規制への対応を行っています。
また、2016年10月に新たに施行されました国内の車外騒音規制(R51-03)に対し、新型車の法規適合を完了させています。

主な騒音対策項目

車室内騒音

車室内の騒音に対しても、お客様にとって心地良い室内環境になるように、音源対策や吸音・遮音・制振対策を実施し静粛性向上に努めています。

二輪車

製品事例の紹介

騒音低減の取り組みとして、GSX-R125 ABSにおける実施例を紹介します。
GSX-R125 ABSでは、スタイリングや出力特性を維持しながら最新の国内騒音規制を満足するために、消音性の高い構造を多く採用しています。

エアクリーナーにおいては、十分な容積の確保とアウトレットパイプにレゾネーターを配置することで、吸気音の低減を図りました。またエアクリーナー内壁の剛性確保のためにリブ構造とすることで、エアクリーナー壁面からの放射音の低減を図りました。

マフラーにおいては、十分な容積の確保と消音効果の高い構造とすることで、排気音の低減を図りました。また、マフラー内壁にグラスウールを配置することで減衰性能の向上およびマフラー壁面からの放射音の低減を図りました。

グリーン調達の推進

「スズキグリーン調達ガイドライン」を制定して、環境保全活動に意欲的なお取引先様から環境負荷の少ない部品等を調達することを方針としています。賛同いただけるお取引先様には「スズキグリーン調達推進同意書」をご提出いただいています。
2013年10月には本ガイドラインを一部改訂し、お取引先様の環境負荷物質管理体制の構築の項目を明記すると共に、管理体制の自主チェックシートを作成し追記しました。(以後は新規、および既存のお取引先様へチェックシート提出を依頼しています。また量産部品ではお取引先様の50%以上が外部認証(ISO14001等)を取得しています。)
その他、「欧州ELV指令」や「欧州化学物質管理法規(REACH)」等の従来規制はもちろん、今後制定の様々な環境関連法規についても、お取引先様とともに遵守に努めていきます。

※グリーン調達ガイドライン : https://www.suzuki.co.jp/about/csr/green/guideline/index.html

レポート目次

ESGインデックス