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〈特集〉スズキ環境ビジョン2050

〈特集〉 「スズキ環境ビジョン2050」を発表

スズキ環境ビジョン2050
「小さく、少なく、軽く、短く、美しく」

「小少軽短美」。これは、スズキが1990年代はじめから掲げるモノづくりの根幹を表す標語です。モノづくりにおいて、お客様へ提供する価値を最大にすると同時に、可能な限り「小さく」「少なく」、重さを「軽く」、費やす時間や距離を「短く」、また「美しく」することを意味しています。
スズキは、気候変動や水不足、資源の枯渇等といった地球規模の環境課題に対する取組みにも、「小少軽短美」の理念が当てはまると考えます。例えば、これまでも、スズキが得意とする小さなクルマは、その車体の小ささ・軽さから走行時のCO2排出量が少ないだけでなく、製造に必要な資源も少なくでき、省資源にも貢献してきました。
スズキは、環境に対する理念や基本方針を定めた「スズキ地球環境憲章」のもと、「スズキ環境計画2020」を定め、「社会に貢献し、世界中で愛され、信頼されるスズキを目指して」グループ一丸となって環境保全の取組みを進めてきました。気候変動などの長期を見据えた環境への取組みが一段と求められる中、今年創立100周年を迎えたスズキは、次の100年も社会に貢献し続け、持続可能な企業であるために、2050年に向けた羅針盤となる「スズキ環境ビジョン2050」を定めました。
事業活動から生じる環境影響を「小さく」「少なく」し、地球環境に与える負荷を「軽く」していくこと。さまざまな環境課題の解決に費やす時間を「短く」すること。そして、地球がいつまでも豊かで「美しく」あること。「小少軽短美」の理念に基づき、スズキが描く未来の実現を目指していきます。

環境ビジョン2050とマイルストーン2030

当グループは、4つの環境重点テーマ「気候変動緩和」「大気保全」「水資源保全」、「資源循環」に関して、2050年に向けて取り組むべきチャレンジ目標として「環境ビジョン2050」を掲げ、更にその目標実現に向かう道標として「マイルストーン2030」を設定しています。

気候変動緩和

昨今、地球温暖化が要因とされる異常気象が頻発しています。こうした気候変動の影響を抑えるために、世界の平均気温上昇を産業革命以前から2℃未満に抑えることを目的に、今世紀後半に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す「パリ協定」が採択されました。
スズキは以前から、「小少軽短美」の理念に沿って、CO2排出の少ない製品を少ないCO2排出で作り続けてきましたが、いわゆる2℃目標の達成に向けて、より一層のCO2削減に努めなければならないという課題意識のもと、スズキは、気候科学と整合した削減目標を掲げ、取組みを推進していきます。

気候変動の緩和のために

<スズキ製品から排出するCO2

【環境ビジョン2050】
2050年までに、Well to Wheelで新車四輪車が排出するCO2「2010年度比90%減」を目指す

【マイルストーン2030】
2030年までに、Well to Wheelで新車四輪車が排出するCO2「2010年度比40%減」を目指す

※Well to Wheel :自動車の走行時にテールパイプから直接排出されるCO2に、燃料の採掘・精製、電気の発電段階で排出されるCO2を加える考え方

<スズキが事業活動から排出するCO2

【環境ビジョン2050】
2050年までに、事業活動から生じるCO2を販売台数あたり原単位で「2016年度比80%減」を目指す

【マイルストーン2030】
2030年までに、事業活動から生じるCO2を販売台数あたり原単位で「2016年度比45%減」を目指す

大気保全

スズキでは、各国の状況に応じた低排出ガス車の導入など大気保全の取組みを進めてきました。インドや東南アジアなど新興国を主要市場とするスズキだからこそ、もっと貢献していきたいと考えます。例えば、スズキは、再生可能エネルギー由来の電力を、自分たちで発電する・調達するという活動を推進していくことで、地球全体でのCO2排出量の削減はもちろんのこと、スズキが活動する地域での大気環境の保全に貢献していきます。また、製品に関しては、ライフサイクルの視点を以て、販売国・地域のエネルギー・インフラ状況に適したパワートレインを投入していくほか、生産工程等から生じる揮発性有機化合物(VOC)についても削減を進めていきます。

大気環境の保全のために

【環境ビジョン2050】
2050年までに、事業活動や製品から排出される大気汚染物質を最少化する

【マイルストーン2030】
2030年までに、
✔ 事業活動における化石燃料の使用を削減し、再生可能エネルギーの利用を拡大する
✔ クリーンな製品の開発を推進し、各国・地域の大気改善に貢献する
✔ 生産や製品から生じる揮発性有機化合物(VOC)を削減する

※化石燃料の燃焼にともなって発生する硫黄酸化物や窒素酸化物は、大気汚染の要因の1つとされています。化石燃料によってつくられた電気の場合、発電段階で大気汚染物質が発生しています。こうした背景から、火力電力への依存が高い新興国では、大気汚染が深刻化しています。

水資源保全

水資源は、全ての生命の源であり、同時に私たち人類の経済活動の基盤でもあります。しかし、人類が利用可能な淡水は地球上の水の0.01%とごく限られています。また、昨今の気候変動や人口増加によって、将来的に水資源の需給がひっ迫することが予想されています。特にスズキの主要市場であるインドや東南アジアは、急速な工業化によって過剰取水や水質汚染が顕在化しています。
こうした地域性を踏まえ、スズキは各拠点やサプライヤーにおける水リスクを評価し、リスクの状況に応じた水資源の管理を推進していきます。また、限られた水資源の持続的な利用を目指し、水使用量の多い生産拠点での取水削減、排水浄化の徹底を進めていきます。

水資源の有効利用のために

【環境ビジョン2050】
2050年までに、水環境への負荷を最小化し、持続可能な水資源利用を実現する

【マイルストーン2030】
2030年までに、
✔ スズキを取り巻く水リスクを特定し、全生産拠点で取水削減と排水浄化を実施する

資源循環

世界人口の増加や新興国の経済成長にともない、世界中で天然資源の消費量が増加しています。このままでは、大量採掘による資源枯渇や、大量消費されて増加した廃棄物による環境汚染の深刻化を招く可能性があります。特に、電動車の駆動用二次バッテリーに使用されている希少金属等の有用資源は、将来的な資源の枯渇が強く懸念されており、循環利用することが求められます。また、使用済自動車の処理に関する制度構築が不十分な地域では、車両や部品の不法投棄・不適正処理につながりやすいため、危険物質の漏出による環境汚染や健康被害など、さまざまな問題が生じることが懸念されます。
こうした状況に鑑み、スズキは自社製品に係る取組みだけでなく、使用済自動車から再生資源を環境に負荷をかけず、安全に回収・処理する仕組み作りにも注力していきます。

循環型社会の実現のために

【環境ビジョン2050】
2050年までに、日本で培ったリサイクル技術やシステムをグローバル展開し、生産活動および製品から生じる廃棄物の削減と再生利用、適正処理を推進する

【マイルストーン2030】
2030年までに、
✔ 自動車リサイクルシステムのグローバル展開を目指す
✔ 電動車の駆動用二次バッテリーのリサイクル、リビルド、リユースを推進する
✔ グローバル生産拠点で廃棄物発生量を低減する
✔ プラスチック梱包材を削減する

スズキ環境ビジョン2050の策定にあたって

策定プロセス

①スズキの環境への取組みの現状分析(マテリアリティの特定)

  • 「社会に貢献し、世界中で愛され、信頼されるスズキを目指して」、環境に対する理念や基本方針を定めた「スズキ地球環境憲章」のもと、「スズキ環境計画2020」を策定し、グループ一丸となって環境保全の取組みを進めています。
  • 2019年には、これらの取組みについてステークホルダー(お客様、投資家等)にとっての重要度(社会的インパクト)と自社における重要度の2つの観点から整理し、社会へのより一層の貢献につなげるべく重要課題(マテリアリティ)を特定しました。
  • 重要課題の特定にあたっては経営層へのインプット及び意見交換を行い、グループ全体で取り組むべき課題であることを確認しました。

②スズキ環境ビジョン2050の策定

  • 特定した重要課題(マテリアリティ)について、事業への影響評価、国内外の環境分野の政策動向、ステークホルダーからの中長期的な要請などを踏まえ、経営層が参画する環境委員会において議論を重ね、2050年に向けてスズキが取り組むべき環境課題を「気候変動緩和」「大気保全」「水資源保全」、「資源循環」の4つに絞り込みました。
  • 最終的に経営層の承認を得たうえで、これら4項目の具体的な取組み内容を「スズキ環境ビジョン2050」としてまとめました。

スズキの環境戦略の全体像

当グループは、将来のあるべき姿として策定した「環境ビジョン2050」からバックキャスティング(逆算)し、「マイルストーン2030」を置いています。
また、「マイルストーン2030」に向かう道筋を、5年ごとに「スズキ環境計画」として具体的な行動計画を策定し、活動を推進してまいります。

TCFD提言への賛同

スズキ(株)は、2020年4月、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース」が公表した最終報告書(以下、TCFD提言)への賛同を表明しました。今後、TCFD提言に沿って、気候変動関連の情報を開示していきます。

レポート目次

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