
7月の真夏日。
みんなで海へ向かった。
目的地は、地元の人しか知らないという幻のビーチ。
「うわ、めっちゃきれいじゃん!」
砂浜に車を停めると、、、

そこに1台のスペーシアギアがぽつんと停まっていた。

スライドドアを全開、天井には海の家 ‘‘やしろ” という手書きの看板があった。
その前にいたのは、2人組。

麦わら帽を被っている人懐っこい笑顔のヤシロさんとゴーグルを身に着けた優しい笑顔のハマナさん。二人はお店の人らしい。
どちらも団扇でパタパタしながら、バケツから冷えたラムネを取り出していた。

「いらっしゃい!特製ラムネと冷やしトウモロコシ、どっちにする?」
「浮き輪もあるよ、穴開いてないやつね」
「・・・・・・なにこれ、最高すぎじゃん!!」
「中も見てみる?」と気さくにヤシロさんが声をかけてくれた。
「ぜひ!おじゃましまーす!!」

「おーーーい!!」

声がする方向に顔を向けると、スイカボーイが立っていた。
彼がこのビーチを教えてくれた青年であり、どうやらスイカを持ってきてくれたようだ。
「あとでスイカ割りしようぜ」
「めっちゃいいじゃん!」
「みんなー!ラムネとトウモロコシどっちにする?」

ハマナさんがみんなを呼ぶ。その手には既にラムネを持っており、手慣れた様子でビー玉を落とし豪快にラムネを煽っている。

「先に飲むのズルいですよ!」
「ごめんごめん、選んでいいよ」
5人でバケツをのぞき込む。青いバケツに水が張っており、水とラムネとトウモロコシが涼しげに浮かんでいる。
「私ラムネがいい!」
「水冷たーい!涼しくていいねー」
「冷やしトウモロコシって珍しいね!」
「美味しそー!」
ワイワイと騒ぎながらも各々好きなものを手に取る。
楽しい時間はあっという間で、気づけば日暮れが近づいていた。
「ねぇ、写真撮ろうよ」
「せっかくだし、ヤシロさんとハマナさんも一緒に入りましょうよ!!」
突然写真に誘われた二人は、どうしようかと顔を見合わせる。
「記念ですし、いれてもらいましょうか」とヤシロさんが笑顔を浮かべた。
三脚にスマホをセットし、タイマー
「じゃあ撮るよー!・・・・10秒前!」

おしまい