「ホラー映画」あるある・・・・・何かから逃げようと飛び乗った車のキーを回すがなかなかエンジンがかからない。
ドキドキしますねー。ホラー映画じゃなくとも、映画のワンシーンで結構使われるシチュエーションですよね。
映画やドラマならまだしも、もしこのシチュエーションがご自身の身に降りかかった場合はどうでしょうか。
今回は、車のエンジンがかからない時の主な原因と解決方法、自分では解決できない時の問い合わせ先などをご紹介します。
焦らず落ち着いて行動しましょう。
エンジンがかからない主な原因は3つあります。
1.バッテリー上がり
エンジンが始動しない場合、真っ先に疑われるのはバッテリー上がり。バッテリーの過放電や劣化が原因でエンジンの始動に必要な電気が取り出せない状態。エンジン始動には夏季で約90~120A、冬季で約150~190Aの大電流が必要なため、 バッテリーの充電量が約70%を下回ると、エンジンをかけることが難しくなるようです。
ーバッテリー上がりの原因ー
主な原因は、ルームライトの消し忘れや3~4週間以上車に乗らないことです。最近では、常時監視モードのドラレコを取り付けていることが原因となる事もあるようです。
車は使用していない時も、コンピューター(ECU)、カーナビなど電装品のバックアップ電源として、バッテリーの電気を常時5~10mA程度消費しています。そのため、3~4週間乗らないだけで、バッテリー上がりを起こすことがあります(バッテリーサイズや状態、車載の電装品により異なります)。
また、バッテリーは気温の影響を受けやすく、夏は暑さで自己放電し、冬は寒さでバッテリー性能が下がり電気が取り出しにくくなるため、エンジンが始動しづらくなります。
バッテリーは気付かないうちに電気を消費してしまいます。ある日突然寿命を迎えるパターンがあります。バッテリーの寿命は2~3年で、劣化したバッテリーほどバッテリー上がりを起こしやすくなりますので、日頃から点検をしたり、ブースターケーブルを車に積んでおくなどトラブルに備えましょう。
実際に私自身、この突然寿命を迎えるを経験しております。
ある日お客様からのバッテリー上がりの救援に出向き、ハザードをつけて停車後、お客様のお車を救援後店舗に戻ろうとエンジンをかけた所、エンジンが全くかからなくなりました。
幸い救援のために持ち出していたジャンプスターターがありましたので大丈夫でしたが、エンジン停止後ハザードを付けてから10分もたっていないのにバッテリーが逝きました。
店舗を出る時は、まったくバッテリーが弱まっている兆候はありませんでした。
エンジンがかからない場合、一般的には警告灯やらなにやらメーター内にたくさん表示されます。(もちろん場合によってメーター内警告灯などが点灯しない場合もあります。)

2.燃料不足
燃料不足(ガス欠)です。ガソリンが十分に残っているか確認しましょう。
3.車両部品の故障
バッテリー上がりや燃料不足ではない場合、セルモーターやオルタネータ、エンジンなど、関連する部分が故障したり、電気系統のトラブルに伴いヒューズが断線した可能性があります。
故障箇所の見極めは非常に難しいため、自分で判断せずにロードサービスなどの応援を呼んだり、ディーラーに相談をしてください。
その他に確認いただくこと
車は人為的なミスでエンジンがかからない場合もあります。車に異常がない場合は、ペダルの踏み込みやシフトレバー、ハンドルロック、スマートキーなど状態を確認してみましょう。
1.プッシュスタートでエンジンをかける時、ブレーキペダルを踏み込みながらスタートスイッチを押す必要がありますが、この踏み込みが甘いとエンジンがかからないことがあります。MT車はブレーキペダルではなく、クラッチペダルを床まで強く踏みこむのがポイントです。
スズキ車の場合、ブレーキペダルを踏みこむとメーター内に緑色の円状のマークが点灯します。もしくはメーター内液晶画面にスタートスイッチを押してくださいとメッセージが表示されたことを確認後スタートスイッチを押してください。

2.シフトレバーが「P」または「N」に入っていないとエンジンがかかりませんので、シフトレバーの位置を再確認しましょう。
停車する時に「D」のままエンジンを切ってしまい、次の乗車時にエンジンがかからないというのはよくあるケースです。シフトレバーを「P」または「N」戻してからエンジンを切るようにしましょう。
シフトレバーにビニール袋お守り等をひっかけているとシフトレバーがPにしっかりと入っていないことがあります。
3.スマートキーのボタン電池の残量が少ないとエンジンがかからないことがあります。電池が少なくなったらすぐに交換しましょう。
手元に新しいボタン電池がない場合は、ブレーキペダルを踏みながらスマートキーをエンジンスタートスイッチに近づけてエンジンスタートスイッチを押してみてください。
ただし、これは一般的な対処法で、スマートキーごとに電池切れ時の操作方法は異なりますので、取扱説明書で確認してから操作しましょう。また、ご家庭で予備電池を常備しておくことも良いかもしれません。
というように、エンジンがかからない原因は様々ですが、私たちのできる事と言えば、日頃からの点検と冷静に対応するための知識を持ち合わせる事。
また、JAFなどのロードサービスに加入することだと思います。
ちなみにブースターケーブルを利用したジャンピングに関しては以下の通りです。
概要
ジャンピングとは・・・・ブースターケーブルを使用して救援車のバッテリーから電気を分けてもらうことで、エンジンをスタートさせる方法です。
具体的な手順 ブースターケーブルの接続手順※1
※1.バッテリー1個積み(12V車)の場合の接続方法です。車には12V車と24V車があります。バッテリーを2個使用している車両はその車両の取扱説明書に従ってください。ハイブリッド車については、車両の取扱説明書の指示に従ってください。
※ジャンピング後には、最寄りのバッテリー販売店、または自動車販売店で点検を受けることをお奨めします。
トラブル車と救援車のバッテリーが12V・同容量(サイズ)であることを確認する。(救援車のバッテリーが小さい場合はジャンピングできない場合があります)
トラブル車、救援車ともパーキングブレーキをかけ、エンジンキーをOFFにする。
バッテリー液量を点検し、LOWER LEVEL以下の場合は補水する。
ブースターケーブルを接続する。
① トラブル車のブラス端子に接続する
② 救援車のプラス端子に接続する
③ 救援車のマイナス端子に接続する
④ トラブル車のエンジン本体(フックなど)やフレームに接続する※2
※2必ずバッテリーから離れた場所に接続してください。 ※ブースターケーブルは外れないようにしっかり固定し、冷却ファンやベルトに巻き込まれないようにして下さい。
⑤ 救援車のエンジンをスタートさせる。回転数を高めにする。
⑥ トラブル車のエンジンをスタートさせる。
⑦ ブースターケーブルをつないだ時と逆の手順で外す。(④→③→②→①)