今日は何の日?のコーナーがやってまいりました。
本日は「定家忌」です。
百人一首の選者・藤原定家が亡くなった日になります。
百人一首といえば、尼崎にまつわる句をご存じでしょうか?
有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする (大弐三位)
大弐三位というと誰?となる人が多いと思いますが、実はこの人、来年の大河ドラマ主人公・紫式部の娘です。
「猪名の笹原」は有馬山の南東にあたる、摂津の国猪名川に沿った平地。現在の兵庫県尼崎市・伊丹市・川西市あたりになります。
昔、猪名川流域は一面に笹が生えていました。
写真は尼崎市猪名寺にある猪名の笹原旧跡です。一面に生えている笹は、風が吹くと「そよそよ」と音を立てたそうです。
この句は笹の音と肯定を表す「そうよ」をかけています。
全然音沙汰がなかった男がずいぶんしてから「あなたが心変わりしてないか心配でたまりません」という手紙を送ってきたのに対し、
「そうよ、ほんとにそうなのよ。忘れているのはあなたの方じゃございませんこと?」
と大弐三位は返しました。平安女性の優雅さと強かさを反映した一句となっています。
有馬山の一帯は、神戸市六甲山の六甲ロープウエーで山頂へ登り、北東の方角を眺めると一望できます。
付近には有馬温泉などもあり、行楽のついでに、歌の古里を見てまわるのも面白いと思います。
是非一度ドライブに行ってみてくださいね!