対処すべき課題

1.会社の経営の基本方針

 当社グループは、「消費者の立場になって価値ある製品を作ろう」を社是の第一に掲げてきました。今後もお客様に喜ばれる真の価値ある製品づくりに努めてまいります。

 法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、「小さく・少なく・軽く・短く・美しく」を徹底し、効率的な健全経営に取り組んでまいります。

2.対処すべき課題

 自動車産業は大変革の時代を迎えています。このような変革期には、現在からの延長線ではなく、長期展望として10年、15年先に目指す姿を描き、そこから現在に遡って今後行うべきことを考え、未来を切り拓くことが必要です。

 特にインド市場は13億人の人口を抱え、今後、大規模市場に成長する可能性があります。我々は、2030年においても、現在のシェア50%を維持したいと考えており、今後の成長に向けてチャレンジしてまいります。

 また、インドを充実させることは、開発した商品を世界に展開することを通じて、他の市場の充実にもつながると考えております。

 しかし、今と比べれば、全く未知の領域です。経営陣をはじめ全社員が発想を変えて、経営資源を効果的に配分していかなければなりません。

 その意味でこの長期展望に向けた活動は、猶予の許されない、当社グループの未来をかけた挑戦です。

 足元では新型コロナウイルスの対策に迅速に取り組むとともに、長期的な展望に基づいて価値ある製品づくりとサービスの提供、企業価値の向上に努めてまいります。


 そのような中、当社グループは、以下の課題に取り組んでまいります。

<品質>
 品質については、今後とも最も重要な課題であることに変わりありません。
 当社グループは、お客様の安全・安心を最優先に考え、高品質でお客様に安心してお使いいただける製品の開発・生産・検査とアフターサービスの提供に努めております。
 今後とも、お客様の求める品質を的確に捉えながら、全部門が品質意識を高く持ち続け、お客様が引き続き安心して製品をお使いいただけるように全力を尽くしてまいります。

<商品と研究開発>
 商品については、お客様の期待を超える価値をもつ独創的な商品を引き続き投入するとともに、 2030年に向かって販売台数を拡大していくために効率的に開発車種を設定してまいります。
 また、地球環境問題への対応として、従来の延長線上の技術だけでなく、新たな技術への取組みを加速してまいります。当社が得意とする小さなクルマづくりに加え、新しい高効率のパワートレインの開発、ハイブリッドの拡大・強化、EVの新規開発にも積極的に取り組んでまいります。
 さらに、安全技術やコネクティッドなど情報通信技術にも取り組んでまいります。

<生産>
 完成検査は、国土交通大臣に代わって自動車の保安基準への適合性を確認するものであり、厳格に実施してまいります。
 また、2030年を踏まえ、生産体制の拡充を進めてまいりますが、安全及び品質を第一とし、世界最適生産体制を常に念頭に置き進めてまいります。特にインドについては、政府が提唱するメイク・イン・インディアの観点からグジャラート工場や電池工場等の生産体制の強化に積極的に取り組んでまいります。

<販売・サービス>
 日本、世界各国、各地域において、販売網・サービス網の強化に取り組んでまいります。
 特にインドでは現在、乗用車市場で過半数のシェアを獲得していますが、2030年にも過半数のシェアを確保したいと考えています。この具体的な実現方法について積極的に対処してまいります。

<トヨタグループとの提携>
 自動車業界は、従来の自動車そのものの開発技術にとどまらず、環境や安全、情報等の分野において先進・将来技術の開発が求められるなど、取り巻く環境がこれまでにない速さで、大きく変化しております。また、こうした分野では、個別の技術開発に加えて、インフラとの協調や新たなルールづくりを含め、他社との連携の重要性が増してきております。
 当社は、小さなクルマを中心に、価格競争力の高いクルマをつくる技術を一貫して磨いてきましたが、トヨタグループとの提携を進めることで、環境や安全、情報等に関する技術開発を加速するとともに、インド市場のさらなる拡大やアフリカ市場など新たな市場の開拓を進めてまいります。

<四輪事業>
 日本はグローバル車開発の要、生産の基盤と位置付けています。
 商品戦略につきましては、市場やお客様の動向を的確に把握しながら魅力的な商品を投入してまいります。
 地域戦略としては、日本、インド、インドネシア、パキスタンなど引き続きアジアを主力に事業基盤を強化してまいります。

<二輪事業>
 2019年4月より社長直属の社内カンパニー「二輪カンパニー」として、収益事業への転換を図るため取り組んでまいりましたが、固定費削減による黒字定着化など一定の成果をみることができました。次なるステップとして、二輪事業本部に戻し、引き続き、事業の正常化を進めてまいります。

<マリン事業>
 大型4ストローク船外機の強化、充実を図り、プレジャー市場、業務市場の開拓を進め、「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR」のブランドスローガンのもと、世界一の船外機ブランドを構築してまいります。

<ESG(環境、社会、ガバナンス)の取組み強化>
 スズキグループはSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)を支持し、ESGの取組みを通じて目標達成に貢献できる項目について、積極的にその責任を果たしてまいります。
 「環境」については、当社グループの持続的成長を左右する重要な要素の一つとして捉え、気候変動などの環境課題に積極的に取り組んでまいります。その取組みの一つとして、当社は2020年4月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。今後は、気候変動に対する開示の拡充にも努めてまいります。
 「社会」については、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、安全・品質を第一に、地域社会への貢献、人への投資、人材育成、労働安全などに積極的に取り組んでまいります。
 「ガバナンス」については、会社のあらゆる業務を網羅するようコンプライアンス体制やリスク管理体制を根本から見直し、内部統制を強化してまいります。
 環境、社会、ガバナンスの各課題の取組みや製品づくりを通じて、ステークホルダーの皆様から信頼されるグループを目指してまいります。

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2020/06/26 12:00:00 +0900
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