新宿の摩天楼をのぞむ住宅街に
工業用パッキンを製造する会社、
「東栄ジーアール」がある。
ここで営業として働く栗河慶子さん。
営業車のアルトに乗って、
お客様に大切な部品を届ける
栗河さんに話を聞いた。
第三京浜の青空の下を
1台のアルトが走る
多摩川沿いの土手道をベージュのアルトが走る。インターチェンジから第三京浜に乗り直線をしばらく走ると目の前に一気に青い空が広がる。「この景色がお気に入りなんです」そう語るのは、新宿の工業用パッキン製作会社「東栄ジーアール」で営業として働く栗河さんだ。前職は旅行代理店の事務職。もともと外に出て人と会うことが好きで営業職に興味があった。そんな栗河さんがこの会社の門をたたいたのは、今から2年前のことだった。
「非常に明るい性格で営業職に向いているなと思いましたね」と栗河さんが転職してきた当時を振り返るのは社長の今藤さん。工業製品の世界は高度な専門知識が必要とされる。転職してしばらくは今藤社長の営業について回り、知識やノウハウを学ぶ日々。そして栗河さんがひとりで外回り営業をするようになった頃、今藤社長が栗河さんの乗る営業車として購入したのがアルトだった。
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営業の仕事のフットワークをアルトが支えている。
お客様と工場の現場をつなぐ
営業の仕事
東栄ジーアールは、工場や発電所などの配管の継ぎ目や機械のバルブを密閉する「工業用パッキン」をオーダーメイドで作っている。栗河さんはお客様から受け取った図面を手に、隣接する工場に向かう。通常、パッキンの工期は3週間ほどだが、「なんとか明日までに納品できないか」というオーダーを受けることもある。工場の職人さんにそんな難しい相談をつなぐのも栗河さんの仕事だ。そんな栗河さんの働きぶりを見て「まだ覚えることも多くて勉強中ですが一生懸命やってますよ」と工場長の佐藤さんは語る。
完成したパッキンを0.1mm単位まで検品し、段ボールに詰める。お届けするパッキンをアルトに積み込むと、お客様のもとへと出発する。「狭くて細い道を通るときもスイスイ運転できて。あの小回りには救われています」と栗河さんは言う。営業で駆けまわる栗河さんの日々のフットワークを、アルトが支えている。
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工場長の佐藤さんに図面を渡す。時には難しい相談も。 -
パッキンの段ボールを積んで、今日もお客様のもとへ。
営業車に求めるのは、
社員の安全を守ること
営業車選びのポイントはなんだろう。今藤社長にたずねると「本人が乗りやすいものがいちばん」と言う。実家で乗り慣れていたこともあって、栗河さんが希望したのは軽自動車だった。「ただひとつだけ、安全装備がしっかりあるものにしてほしいとお願いしました」社員の安全を守れるかどうか。それが今藤社長が営業車に求めたことだった。
栗河さんが選んだのはベージュのアルト。色も栗河さんが決めたという。「コロッとして可愛いですよね。デニムのシートも気に入ってます」アルトの運転席で栗河さんはそう語る。もともと運転が好きだったという栗河さん。アルトが納車されてからは、ひとりでパッキンの入った段ボールを積み、横浜や千葉など片道1時間ほどかかるお客様のもとへと走る。「ここまでひとりで運転してきたの?」とお客様に驚かれることも。そんなとき少し自慢げに「はい」と答える瞬間が楽しい。栗河さんはそう語る。
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製品の知識や営業ノウハウを社長から教わる栗河さん。 -
狭い路地も小回りのきくアルトならスムーズに走れる。
日本の産業を足元から支える
大切な部品
東栄ジーアールは今年で創業74年。「部品の部品を作っている会社ですよ」と今藤社長は謙虚に語る。しかしその部品は、日本のインフラやものづくりのあらゆる現場にとって欠かすことのできないものだ。隣接する工場には、お客様の図面から作られた木製の抜き型が所狭しと並んでいる。その様子が、これまで日本の産業を実直に支えてきた歴史を物語っている。
都市を結ぶ高速道路を、街中の狭い路地を、毎日様々な会社のアルトが走っている。全国で使用されている商用車やバスはおよそ1,400万台に上る。そのうちの多くを占めるのはアルトのような軽自動車だ。部品を作る会社のように、軽自動車もまた日本のビジネスを足元から支えている。そんな働く軽自動車のうちの1台である、栗河さんのアルトは青空の下を軽快に走る。お客様が待っている大切な部品をお届けするために。
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これまで製作してきた部品の抜き型が歴史を物語る。