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座談会コアメンバーは語る やりきりましたか?~プロジェクトを牽引し下支えした事務局とパーツ試作を担当したエンジニアが活動を振り返る~

座談会 コアメンバーは語るやりきりましたか?~プロジェクトを牽引し下支えした
事務局とパーツ試作を担当したエンジニアが
活動を振り返る~

発起人小林 進一(四輪パワートレイン技術本部 四輪パワートレインシステム設計部 機種開発課)

プロジェクト代表樫山 武士(技術戦略本部 環境・材料・生産技術開発部 基礎・先行技術開発課)

事務代表八木 リサ(グローバル営業統括部 営業業務部 原産性判定・四輪三国間課)

パーツ試作エンジニア橋本 亮祐(生産本部 試作部 製造課)

このやりきり活動でどんな役割を果たしたのか、紹介をお願いします

八木:魔改造の夜会終了後、小林さんがやりきり活動を新たに起案し、夜会本番でも社内外の様々な調整を担当された樫山さんが今度はこの活動においてプロジェクト代表として続投してくださいました。私は小林さんから「事務代表をやって欲しい」とご指名いただき、引き続きお手伝いをすることになりました。橋本さんは、小林さんと樫山さんが試作課に協力要請をしたところ、上司の方から推薦をいただいて参加してくださいました。

樫山:私は、皆さんが「やりきり」をしようとしているのを見て、自分で何か作るというよりは、みんながやっている姿を見届けたい、という感じで参加しました。同時に、活動をちゃんと進める役職が必要になりますので、そこを担当しようと思いました。結果、「プロジェクト代表」という肩書になりましたが、要するに「権限を持った雑用係」ですね。

八木:私も夜会本番で一(いち)メンバーとして主に資材調達のお手伝いをしましたが、その時の中心メンバーが引退し、後方支援メンバーが半分以下になり、必然的に続投メンバーの中でプロジェクトのけん引役を果たすこととなって、お手伝い、というレベルではなくなりました(笑)。発起人小林さんや代表樫山さんの秘書的な役割、社内外調整、ミーティングの設定・招集、参加者の上長宛の連絡等。事務WG代表として環境整備のための事務的手続・資材発注、活動場所のファンヒーターの給油・買い出し、ろうそくの立替購入等々。運営副代表として仕事の割り振りを考えて実行フェーズに持ち込み、プロジェクトを前に進めるために気が付いたことは何でも、球拾いをする気持ちで取り組みました。参謀、と言ってもいいですかね?

小林:運営WGの参謀と言ってよいかと思います。序列がほとんどない組織で自発的に最後まで動いてくれた、数少ない功労者のおひとりです。

橋本:今回初めて魔改造やりきり活動に参加させて頂きました。魔改造するために必要な部品製作をする際に、ポンチ絵から必要な機能を満たし、尚且つ早く、安くできる方法をメンバーと現物を見ながらどう改造したいか打ち合わせを行って、試作部の熟練作業者にもアドバイス頂くことで依頼された納期に間に合うよう部品製作を行いました。

小林さん、この3人と仕事をして、いかがでしたか?

小林:樫山さんと八木さんは夜会前からのプロジェクトでお世話になっていましたので、仕事の進め方がいわゆる ”ちゃんと” しているイメージを持っていたのですが、そのまともなお二方にメインで動いていただいたおかげで無軌道な活動にならなくて済んだと思います。橋本さんは今回のプロジェクトで初めてご一緒しましたが、図面を飛ばしてポンチ絵で相談しても意をくんだものを作ってくれて、改めてわが社の底力を感じました。以前から試作部には大変お世話になっていましたが、物を作ってなんぼを体現していると思います。

この活動で苦労したことは何ですか?小林さんから無茶ぶりされませんでしたか?(笑)

樫山:そもそも全体的に無茶でしたね。経験のないことばかりでw。でも、それはそれで楽しめたと思います。苦労したことというと、やはり手続き的な話、特にお金のことですね。予算の承認なんてやったことが無かったので、数百円の申請が上がってきてもびくびくしながら承認してましたw。あとは、そもそもの予算の確保。伺い書や稟議で数百万の予算を申請したのですが、すぐに足りなくなって追加を申請することになって、これを承認してもらえるのか、ダメだったらどうしよう・・・と心配でした。すぐ承認をいただけて心底ほっとしました。

八木:活動場所を社内で確保することが難しかったので、社外での活動場所を探すところから初め、倉庫物件の契約締結・支払など、普段の業務では未経験のことから始めなければならず、何をどうしたらよいのかわからなかったことです。入居してみると、活動場所のエアコンが壊れていて、次はエアコン手配。社内でお願いできそうな業者を知っていそうな部署にコンタクトし、業者から見積をとって、契約書の法的検討を行って、契約締結・・、やっとエアコンがついた、と思った時には涼しくなっていて…(笑)さあ落ち着いた、と思ったら今度は小林さんからインターネット環境改善要求があり、光回線の検討を経てルーターレンタルの手配・・・。やることが次から次へと湧き出てきました。

橋本:ロングキャノンの製作時、小林さんからのポンチ絵から始まり、部品を少し製作しては経過を伝え、現物を見せて少しずつ形にしていくのが特に大変でしたね。最後にオーダーのあった5連ロングキャノン、小林さんの「どうしても10本消しを行いたい」という強い要望をかなえるため、納期がかなり厳しく、間に合うかヒヤヒヤしながら作業を進めました。しかし、試作部の協力を得ることで、何とか間に合わせることができました。

苦労を乗り越えて見えた景色はいかがでしたか?

小林:材料と道具だけそろえても新しいモノはなかなかできないと痛感しました。価値観、想い、情熱、テクニック、スキルを仲間たちと共有してさらに成長して良いモノを作っていきたいと思います。

樫山:改めて、やったことが無いこと、新しいことをやるのは楽しい、という事を再確認できました。

八木:取り組んでいる最中は景色を見る余裕がなかったですが、終わってみると、充実感に満ちた10ヶ月でした。細々とした事務仕事を事務WGの皆さんが分担して取り組んでくれて、そのおかげでやってこられたと感じました。

橋本:自分自身の成長や周囲の支えを実感することができました。苦労を経て得た達成感や充実感は、何物にも代えがたいものでした。

部署横断のプロジェクトで、途中で新メンバーを迎えたりもしましたが、チームビルディングはどのように取り組みましたか?

小林:夜会の反省会で多く出た意見で自由にものづくりがしたい!と言う声を自分なりにかみ砕いて、やりたいことがある人が手を挙げて自分で動くいわゆるフラットな組織を指向してみました。テーマごとにチームを分けて、やるべき役割をワーキンググループで横串を刺しただけの緩い組織です。運営してみて思ったのは、指示系統が無いと人は迷うということと、メンバー個々が自己組織化していないとマネジメントレスは難しいということです。今後の仕事にも活かすことができる経験ができたと思いますし、参加メンバーにも同じように思ってもらえたら嬉しいと思います。

八木:プロジェクトは基本的に、自分で率先して手を動かしたり、自分から動いて働きかけをしないと前に進まないと感じました。事務WGでは、資材設備の購入、支払い・経費報告の仕事など、誰かがやらないといけない業務を担当しましたが、自分一人ではできないと思い、新メンバーを募集してできる限り声をかけて、仕事を分担してくれるメンバーを探しました。また、発起人や代表が仕事を抱えがちでしたので、それを自分が引き取ったり、自分の仕事を他の人にお願いするなどして仕事を分散するように工夫して、チームの協力体制を作り上げることを心がけました。やりたくてもどうやって声を挙げたらいいかわからずに遠慮がちにしていた若手エンジニアにも声をかけて、製作活動に参加しやすい雰囲気になるよう全体に心を配ったりもしました。

今回の活動を経て、得たこと・ものは何でしょうか?

小林:組織づくりの経験、アイデアを徹底的に追及する時間、色々な人の考え方を知ることができたこと。

樫山:やはり人間関係ですね。いろいろな人と知り合いになれたことはすごく楽しかったです。

八木:気軽に四輪・二輪の構成について、わからないことを聞ける先輩・仲間・同士。

橋本:様々な職場の方とコミュニケーションをとることができて、自分では思いつかない発想を聞くことができたので、今後の業務に生かしていきたいと思います。

活動はやりきれましたか?

小林:徹底的に競技の結果にこだわらせていただいたのでやりきれたと思います。しかし、自分はまだ未熟だし井の中の蛙だと認識させられました。成長につながる別な活動を企画したいです。

樫山:やりきれました。というか、もう燃え尽きましたね 笑

八木:はい、わたしもやりきって燃え尽きました…。正直なところ、こんなに大変なことになるとは思わなかったです 笑

橋本:大変でしたが、必要納期に間に合わせることができやりきることができました。

所属部署名は2025年3月現在