このラリー最長24.17kmのSS2は、SS1より更に路面が悪くアップダウンもきつい。田嶋イグニスは下りやストレートで思い切りタイムを稼ぎ、総合17番手のタイムをゲットして見せた。このステージにはスペクテイターズ・ポイントが設けられており、遠くからもはっきりとイグニスだと分かるエキゾーストノートは、冷たい雨に打たれながらラリー車を待つ観客の心を熱く沸き立たせた。
SS2を終えると競技車は一旦サービスパークへ戻り、午後の2ラップ目に向けて選手とマシンをリフレッシュさせる。しかしここに帰って来られたのは49台。すでに12台が悪路の餌食となっていた。正午にサービスパークを出発した競技車は、更に条件の悪くなっている2ラップ目にアタック。だがSS3のスタートに着いた田嶋イグニスのエンジンがおかしい。タイムも1回目のSS1より40秒以上遅い。正念場のロングSS4ではついにパワーが極端にダウン、坂を登れなくなってしまった。そして、最終的にはエキゾーストから出火、リタイアとなってしまった。
トラブルの原因は、当初、最初のサービスでチェックした燃料系のトラブルと思われていたが、車両引き上げ後の検証により、ミスファイアによるものと判明した。
 |
マシンをチェックするマシンクルー |
田嶋選手は「実は、SS4のスタートでもう止めておこうかと迷ったんですよ。アジア・パシフィック選手権はリタイアしてもマシンを時間内に直せば翌日スタート出来て、各レグの3位以内に与えられるボーナスポイントも獲得できますからね。でもイグニスが走って来るのを心待ちにしている観客が一杯いることを考えると、これはマシンを担いででもスタートしなければと・・・・。しかしスタートして7kmあたりでパワーが落ちて坂が上れなくなった。コドライバーのジュリアが泥の中マシンを押してくれて何とか下り坂になったんですが、100mも走ったら火が出た。すぐに消したんですが、そこでストップです。」と残念そうに語った。
|