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2002 APRC Rd.4 ラリー北海道
イグニス スーパー1600、謎のエンジントラブル。苦戦のレグ2!!
2002年9月7日

粟津原/高橋組
 アジア・パシフィックラリー選手権第4戦をスタートした2台のイグニス・スーパー1600は、レグ1の極悪路と闘っている最中、ミステリアスなエンジントラブルに遭遇した。田嶋伸博/ジュリア・ラベット組は急にエンジンパワーがなくなり、ミスファイアから出火するハプニングもおきてSS4でリタイアを喫した。また慎重に走ってクラストップで生き残った粟津原豊/高橋昭彦組も、レグ1最終サービスでチェックしたところ、走行中にエンジンの1気筒が失火することが判明した。粟津原イグニスがいつもの甲高い豪快なエキゾーストノートでなく、何か詰まったような野太い音を残していたのもそのせいだったのだ。

波乱の展開が予想されるレグ2、陸別を起点にスタート!

コース上に出来たわだち

 9月7日早朝6時、競技車は帯広をスタートして北上、この日のサービスパークが設けられている陸別町へと約100km2時間の移動を開始した。天気予報は昼過ぎから好転すると言っているが、灰色の雲が上空一面を覆っている。8時にサービスパークに到着すると、午前中に行なわれるSS6〜9のための20分間のあわただしいサービス作業が開始される。SS6、7、8で使われる林道はレグ1と比べると道幅もあり路面も硬く、スピードもでる。しかし、わだち以外の路面にはレグ1の草の代わりに多量の浮き砂利があり、ちょっとミスをするとマシンはスピンするかコースオフの憂き目を見ることになる。またコーナーや一部ストレートの軟弱路面には、すでに深いわだちが出来ており、これをどうクリアして行くかもドライバーたちの悩みの種だ。そしてSS9は陸別サーキットのオフロードコースと林道を組み合わせた3,5kmのギャラリー・ステージとなっていた。SS9を終えるとリグルーピングとサービスで選手とマシンは腹ごしらえとリフレッシュを受ける。そして午後は午前中と全く同じルートを再走することになる。わだちは更に深く掘られていることだろう。


まずは好調な滑り出し、頑張れイグニス!

 クラストップの粟津原組、そしてメカニックの努力で再スタートを切ることが出来た田嶋組の2台のイグニスは、朝のサービスでエンジンの調子も本来のものに戻され、元気にステージへと出発して行った。オープニングのSS6では田嶋イグニスは総合23番手、絶対完走が使命の粟津原イグニスは慎重に攻めて40番手でクリアした。続くは高速ストレートと回り込んだコーナーがいやらしい21kmのSS7では田嶋22位、粟津原37位。

さらに豪快なストレートもあり開けた山肌を走るSS8では田嶋25位、粟津原37位となった。そして狭い林道とオフロードコースを組み合わせた陸別のギャラリーステージSS9を迎えたが、もうすぐ田嶋イグニスがスタートするという時に競技は中断されてしまった。前日来の雨で赤土路面はスリッパリーになっており、先頭ランナーでありながらベストタイムを叩き出したポッサム・ボーン組スバルですら57km/hのアベレージしか出ない。アベレージが低過ぎることよりもコースアウトの危険性が非常に高い、と走り終わったドライバーたちが主催者に抗議したため、競技は11台走ったところで中断、後続の競技車はその中で最も遅かったクマール組(三菱)のタイムが全員に与えられることになった。サーキットに押し寄せた大勢の観客は、残念ながらイグニス スーパー1600の咆哮と、田嶋、粟津原両選手のテクニックを堪能することは出来なかった。


田嶋選手に悪夢のトラブル再発

整備を待つイグニス
田嶋選手
粟津原選手

 午後に入って1本目のSS10で2台のイグニス スーパー1600に異変が起きてきた。粟津原/高橋組はペースを保って34番手のタイムだったが、田嶋/ラベット組は39位、1回目のSS6より1分以上遅い。スタート時にエンジンが掛からず、走り出してもレグ1の時と全く同じ症状でエンジンパワーが極端に落ちて来てしまったのだ。どうにかSS11のスタートまでやって来た田嶋イグニスだったが、この21kmのロングステージを走り切る自信はなかった。
「後続車に迷惑を掛けたくなかったのでリタイアを決断しました。」と無念そうな田嶋選手。
 一方順調そうに見えた粟津原イグニスも、午後のステージタイムは午前より全て遅い。エキゾーストノートもレグ1の時のように野太い音に戻ってしまった。それでも粟津原組は全ステージを走って完走、総合20位で2輪駆動ではトップを堅持した。

 最終サービスでは戻って来た2台のイグニス スーパー1600がメカニックとエンジニアによってチェックされたが、田嶋イグニスはすぐに本調子の豪快な排気音を取り戻した。だが粟津原イグニスの調子は許されたサービス時間一杯掛けてもまだ戻らない。取り敢えず2台とも最終レグに出走することには問題ないのだが、エンジン不調の原因はまだわからぬままとなった。

「こんな事は今まで一度も無かったですね。エンジニアの面々も首を傾げるばかり。全くミステリアス。でも明日もスタートして全力で走りますよ。そして粟津原選手には何としても2リッター部門で優勝してもらわなければ。そして私もクラス1位のボーナスポイントを狙います。」と田嶋選手はやはり首をかしげながらエンジンルームを見やっていた。

「レグ1のトラブルはエンジンを制御するコンピュータに何か問題があったみたいです。それも解決したはずだったんだけど・・・・。」と粟津原選手。

2リッタークラス優勝のために何とか明日の朝までに原因を突き止め、最終レグを走り切ってくれることを期待したい。




明日は、レグ3のレポートをお届けする。







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