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ヒントは何気ない日常に案外あるもの?
整備に興味を持って頂く事で、自動車屋の側面を見いだせたら・・・。そんな風に考えることで、車業界の社会的地位の向上が少しでも見いだせたら、幸いです。特に整備に関しては、若い人たちが、志を持って情熱と使命感を持って働ける環境を作っていかなければ廃れます・・・。
難しい事書いてんじゃねーよって思われそうですが、先日、当社の褒めるを見える化したオンラインツールから、なんと部長からこのブログに関して、お褒めの言葉を頂きました(;^_^A。・・・いや~ね~、部長、サプライズ!!(爆)そんなボタンがあったら押しますよwww。こんなわたくしのカスのようなブログはオードリーのカスカスダンスなみっすよwwwでも本音で書き込みしてますから、我々の環境整備、よろしくお願いしますね (念押し)
さて、整備アーカイブでございます。データは2020/5/10 11:03 となっております。平成26年式スイフト距離は98000㎞でございます。先日の一年点検でご提案後の後日整備の案件になります。こちらのお客様は、スキーが大好きで、遠出を良くされるようです。その影響がブレーキにも出ており、(塩害)フロントブレーキパットがキャリパーブラケットに張り付き、ブレーキパットが片減りを起こしておりました。消耗品が通常より早く摩耗することが一番お客様へご負担がかかるので、こういった場合は「減ってるからパットを交換」では、症状は改善致しません。減った原因を追究し、原因を特定させることで、なるべく一回の整備で改善させることで、お客様の信頼を得ることを重きに置いております。後は、お客様のご希望と照らし合わせて最適な整備方法で修理していくことがベストですね。
基、こちらのお客様は走行距離もたくさん走られますので、今回のご提案にご了承を得て、(ありがとうございます♪)今回の作業になります
さて、ちゃっちゃと分解していきます。
キャリパーオーバーホール作業は、様々なやり方がありますが、こういった不具合が発生している場合は、スピードを優先すると一番遅くなるリスクが大になります。何よりオーバーホール作業が出来なくなる場合もあります。(何故かって?それは自分がスピードを優先して失敗しまくったからですw)私の場合はピストンを抜くときは、エアで送らず、ペダリングでピストンを抜きます。シリンダの中で強烈に引っかかっている場合は、エンジンをかけてペダリングしピストンを抜きます。今のところ、この方法で抜けなかった事はございません。(ハイブリットには通用しないかなw)
それでは分解のビフォーアフターをご覧ください。
左側はピストンとシリンダーが少し焼けたような跡がございますね。
右側は、修正した画像です。きれいな状態ですね。私の場合は、エアリューターに真鍮ブラシにてホーニング後、ひと手間かけてこの状態にします。
よくYouTubeなどでキャリパーオーバーホールの動画を拝見しますが、私曰く「そんなやり方、雪国には通用しねーよ」です。
ピストンとシリンダーの側面も勿論大事なのですが、私が特に気を付けていることはピストンブーツが覆うシリンダー側とピストン側の腐食状態です。せっかくオーバーホール作業をしても、外部からの水やダストなどが侵入してしまっては、また早期に固着や錆が発生してしまうからです。キャリパー側の溝がしっかり綺麗になって尚且つ、ブーツのリップがしっかり溝に食い込む事が重要で、ピストン側にブーツをかぶせてシリンダーに入れるやり方は、本当に状態の良いキャリパーでなければなりません。また、リップの食い込み状態は、ピストンを入れてしまうと確認出来ません。(エアで膨らませるやり方も確実ではありません)なので、キャリパー側にブーツをしっかり入れてからピストンを組み込む方法が一番確実です。でもやりずれ~んですよね~。私のやり方だとピストン入れるの。ハスコーからピストンを入れるSSTまで出てる位ですから。まあそこは、上手に入れますよ~♪。
それからここも腐食があるので、綺麗にします。ご覧ください。
ブレーキフリュードを抜くブリーダーです。左は粉腐食が起きてますね~。右は修正した状態です。テーパーも奇麗なので、オーバートルクで締め付けすぎて二年後、取れないなんてことはございません。これも先輩整備士がやっていたのを「それ、いいな」と思って自分も盗ませて頂いているやり方です。
で、ひと手間とは・・・水垢鉄粉クリーナーを使ったやり方です。(紫になるやつがわかりやすい)見た目綺麗になったと思ってブーツを入れてもリップが何となく噛みこんでいかない場合は、清掃、修正が不十分だからです。錆の粉などが溝にまだある場合は、綺麗に反応して紫色に変色します。それで修正精度を上げて、新車同様並みに仕上げていきます。
これは歯医者さんが銀歯を入れ込むとき、虫歯の反応液を入れて確認している様を体験して、同様に使えるんじゃないかと思ってやってみたら、清掃状態が見える化して一目瞭然だったので、この方法を使わせて頂いてます。
ブラケットも修正掛けて、最高の状態で納車できました。これでバンバンスキーに行っちゃってください♪
それでは皆さんご安全に♪