整備アーカイブになります。エブリイDA16V 距離69000km エアコンが効かなくてガソリンスタンドにてエアコンガスを補充したが、エアコンが効かない。との事で入庫です。早速現車確認します。エアコンクラッチが入りません。クーリングファンも回りません。ガス圧をチェックするとサクション側でクラッチオフの状態で0.9MPA入ってます。これだけ入ってるのはガスが入りすぎです。
さて、クーリングファンが回らない原因を先に診断します。何故なら、この車両はファンが一枚なため、エアコンに関係なくファンが回らないとオーバーヒートしてしまうからです。コンプレッサーヒューズ、クーリングファンヒューズとも、電源電圧が来ません。???え?メインヒューズの30Aが切れています。ほほほー(* ̄- ̄)ふ~ん一応配線図で確認後、30Aヒューズを入れ替えてA/CスイッチをONすると「ゴゴゴゴ~」とクーリングファンが雄たけびを上げながら苦しい音を立てて動きました。すぐにエンジンを切って、ファンを直接手で回そうとすると、重くてよく回りません。焼き付いたのかあ!!!ファンをシュラウドごと外します。お客様へ少しでもご負担が軽くなるように、クーラントは抜かないで、知恵の輪で外します。
新しいファンを取り付けるために、古いファンのボルトやナットを外していると・・・。ファンが軸上で溶けてる・・・。相当高温になったことが解りました。さて、ファンを取り付けて、ヒューズを取り付けて、いざ、エアコンスイッチをオンにして・・・( ̄▽ ̄;)グハッ・・・クラッチやっぱり入らない!!電磁コイルのカプラーの入力点検をします・・・。アッキテル。コンプレッサクラッチの断線故障だ。しかし、何故断線したんだろう・・・。謎が謎を呼ぶのですが、いずれにせよ、クラッチ交換の見積もりで作業する気満々でしたが、実質作業はコンプレッサASSY交換にて対応することになりました。マニュアルにのっとって、コンプレッサオイルの計量を致します。古いオイルを抜いて、新しいオイルとの差を廃棄致します。
その時の画像です。ご覧ください。

真っ黒!!!墨です。いや~コンプレッサ内部も相当摩耗していたのかな?熱によってオイルが劣化?いずれにしてもこの汚れ方だと、エキスパンションバルブの詰まりのリスクが出てきました(;^ω^)。結果論として、クラッチだけ交換よりも、コンプレッサASSYを交換して正解でした。しかし、これも真空引きしてから充填しないと何とも言えません・・・。ガス量は.340g±20gです。吸入空気温度28.4度 吐出温度10.0度 S0.16MPA D1.61MPA 湿度不明 お~っと、風量が少し弱いかな?と思ってエアコンフィルターを覗くと、汚れていました(;^ω^)フィルターを外して更に点検すると吐出温度が1度下がって9.0度まで下がりました・・・。お客様へご負担を強いられますので、フロントの方で仕上がり具合をお客様と調整して、フィルターの交換は次回へ持ち越しとなりました。
お客様の問診を踏まえて、各部品の共通する破損状況は、高熱です。その高熱の原因は、ガスの入れすぎと位置づけました。エアコンの効きが悪いときは、沢山の要因がございます。エアコンフィルターの詰まりでも程度によっては2℃以上変わる時もあるし、コンデンサが詰まっていたりシュラウドが割れていてきちんとファンが取り込んだ空気を効率よく冷やしていない場合など、何でもかんでもガス入れればいいというわけではないことを今回の修理で感じました。
これからもっと暑くなり、エアコンの活躍する日がどんどん近づいてます。シーズンに入る前にいつでもご相談承ります。m(__)m
それでは皆様、ご安全に♪