こんにちは。米子店のマニアック担当ひらはらです
<※注 → ジムニーシエラの試乗車は米子店にありません !! >
灼熱の季節も似合うのが新型ジムニー。発売以来、大変な反響をいただきました。ありがとうございます。ジムニーシリーズの受注は私たちの想像を超えるものとなっており、現在納期の面ではまったくわからない状況と、大変ご迷惑をおかけいたしますが、メーカーもがんばってくれると思いますので、しばらくお待ちください。
さて、これまでジムニーシリーズの中では目立たない存在だった「ジムニーシエラ」ですが、今回のモデルは大変人気となっております。しかし、鳥取での試乗車は1台だけで、なかなか試乗していただく機会が少ないのが現状です。この度、私も初めて乗ることができましたので、感想をレポートしたいと思います。
まず、ジムニーとジムニーシエラの違いですが、概観が異なっています。力強いオーバーフェンダーが目立ちますが、フロントバンパーとリヤバンバーも専用設計となっています。
フォグランプの位置が外側にデザインされており、ジムニーよりワイドな印象となっています。
リヤバンパーも専用設計となっています。テールランプの位置も異なっていて、より外側に設置されていますので、後ろから見ても安定感のあるデザインとなっています。
JLグレード専用の15インチスチールホイールです。なかなか渋いデザインです。
さて、ジムニーとジムニーシエラについて、少しお話したいと思います。日本のユーザーにとってジムニーといえば、軽の四輪駆動車のパイオニアとして知られる存在です。しかし、時代の流れとともに海外での需要も増しており、シエラは主に輸出向けのジムニーということになります。全世界180カ国で販売されています。したがって、軽規格のない海外向けですので、ボディのデザインに自由度があり、また排気量に縛られることもないのです。
今やジムニーの生産台数のほとんどが海外向けのシエラだそうです。年間生産計画6万台のうち5万台がシエラ。残る1万台が日本のみで販売する軽自動車のジムニーという話も聞いたことがあります。今回のジムニーはその背景から、まずはシエラからデザインし、走りを煮詰め、最後に軽規格のジムニーを作ったということではないでしょうか。勝手な推測ではありますが、シエラのデザイン面のまとまりが非常にいいと大変好評なのは、そうした事情もあるためだと思っています。
さぁ、一番の注目ポイントは、軽自動車のジムニーと走りの面でどう違うのかということではないでしょうか。シエラに搭載されるエンジンは、この車のためだけに新開発された「K15B」1.5Lエンジンとなっています。先代のシエラが設計年次も旧くなったM13A型でしたので、今回20年ぶりに刷新されたユニットです。排気量を200cc拡大したのは、よりゆとりのある走りを実現するためです。また、燃費については向上。エンジン重量に至っては大幅に軽量化されています。非常にコンパクトなエンジンです。
K15B 1.460L
75kW(102PS)/6、000 130Nm(13.3kg-m)/4、000
軽自動車のジムニーとほとんど同等の重量のボデーに、ゆとりある1.5Lエンジンを搭載しておりますので、その差は歴然です。かなりのロングストローク設計ですので、低速域でのトルクが非常に厚くなっております。出足から苦しくなさがしっかり伝わります。上り坂や、高速での加速などジムニーでは4、000回転くらい回してしまうシーンでも、シエラなら2、400回転くらいで十分。普通車からお乗り替えの方にはシエラがおすすめかと思います。エンジン回転が低い分、静粛性の恩恵もありますし、燃費もむしろこちらがよい場面もありそうです。
ただ、このエンジンは高回転まで回す性格ではありません。スポーティな性格ではなく、実用重視。3、000~4、000回転をキープし、トルクで加速していくタイプのエンジンです。アクセルを深く踏むことがいいわけではなく、エンジンのおいしいところを使うと、思いのほか軽快な走りができます。このあたり、さすが1.5Lという感じです。また、なんともいえない味わい深さみたいなものがあります。
トランスミッションは5MTと4ATです。4ATは現代においては採用例は少ないですが、信頼性や耐久性を考慮した上での選択です。しかし、今回ロックアップ機構を追加することで、巡行時の低回転化と燃費向上を実現しています。私の印象では4ATでも十分ですが、時代の流れを見れば、将来的には多段化を期待してしまいます。
乗り心地は、軽のジムニーとは異なっています。ジムニーが伝統の16インチを採用するのに対して、シエラは世界的に手に入りやすいサイズである15インチタイヤとなっています。その分、タイヤが厚く幅広いですので、コーナーでの安定感はもちろん、乗り心地も1段上。ロードノイズも非常に少なく、ジムニーとは明らかな違いを感じることができました。もちろん、トレッドやショックなど足回りはジムニーとジムニーシエラでは別となっています。
シエラはこれまでのファンの方に限らず、多くのお客様に自信を持っておすすめできる車になったと思います。ジムニーらしい世界トップレベルの走破性に加え、存在感のあるスタイリング。ゆとりのある走りで、スズキ車にお乗りいただいたことがないという新規のお客様にもご来店いただいております。
とても長くなってしまいましたが、語り足りません。
残りは店頭にて