当社は、2021年6月25日の株主総会を機に、鈴木修元会長の体制から、鈴木俊宏社長を中心とした集団指導体制へと移行しました。これに伴い、当社のマネジメントの在り方を「変えずにさらに強化」するとともに、「時代の進化に合わせアップデート」してきました。
「変えずにさらに強化」したものは、「社是」と「3つの行動理念(3現・2原、小・少・軽・短・美、中小企業型経営)」からなるスズキのオペレーティングシステム(OS)です。一方、「時代の進化に合わせアップデート」したものは、コーポレートガバナンス・コード83原則を基準とした、スズキの経営品質・競争力の強化です。
新たな経営体制のもと、スズキのOSと経営の原則に従って、これからも進化し続けることのできる組織をつくり、経営品質・競争力を強化するためにさまざまな活動を実施しました。その後も継続して経営品質・競争力の強化に取り組み、2024年4月には人的資本を増強するため、新人事制度を制定しました。
近年は事業環境が目まぐるしく変化し、現場で求められる判断や業務の難易度が一段と高まっており、従来と同じ方法では成長を続けることが難しくなってきています。当社は、今までの事業の延長線、同じやり方のアップデートだけでなく、新しい取り組みを行い、非連続へ挑戦し、成長していきます。
中期経営計画「By Your Side」で経営目標の基本方針に掲げたとおり、2030年に向けての原動力は人であると考えており、新人事制度には、従業員一人ひとりに本気で投資するという意思と、従業員一人ひとりが輝ける会社を、従業員とともに創っていきたいという想いが込められています。

当社は、中期経営計画「By Your Side」で中長期的に目指す姿として「生活に密着したインフラモビリティ」を掲げ、経営目標とその達成に向けた具体的な戦略・取り組みを示しています。
このような経営戦略は、定めるだけでは実行できず、それを理解し、行動する人と組織によって現場で機能し、継続的に実行可能となります。また、経営戦略の内容や意図を組織全体に周知することは、自らの役割を認識し、自発的な学びを促進することにつながるため、経営戦略を現場で機能させるための重要な取り組みだと考えています。
加えて、当社では、役員・本部長が自己研鑽を重ね経営チームの人的競争力の継続的な向上を示し、それを従業員の自律的な学びと成長へつなげていくことを重視しています。経営層が継続的に知見を深めることは、経営判断や議論の質を高めるだけでなく、組織全体に学ぶ姿勢を根づかせることにもつながります。こうした学びの連鎖を通じて、個の成長を会社全体の成長と稼ぐ力の向上へ結びつけていきます。

当社は、人的資本を、短期的に業績を直接押し上げる施策ではなく、企業価値を向上させるため、経営戦略が現場で機能し、継続的に回り続けるための前提条件・基盤として捉えています。判断や行動の基準が揃わなければ、限られた経営資源で最大の成果を発揮しにくくなります。また、従業員が挑戦し、学び、成長していく循環を回す仕組みがなければ、個や組織の能力向上を継続することはできません。さらに、人と組織が出しうる力を十分に発揮できる状態が損なわれれば、組織のパフォーマンスが安定せず、品質や信頼、ひいては事業継続性や生産性にも影響がおよびます。
こうした認識のもと、当社は、経営戦略を支える人的資本の重点領域を3つに整理しています。
当社は、これら3つの重点領域を継続的に整備・強化することで、個の成長を会社全体の成長と稼ぐ力の向上へつなげ、持続的な企業価値の向上を目指しています。
お客様に満足し続けていただき、スズキへの信頼が得られるよう、全従業員一人ひとりが創業の精神、ものづくりの精神を再確認し、スズキのOSである社是と行動理念を業務で常に実践できるよう、新入社員から役職者に至る全従業員への研修とあわせ、各職場での実務を通して確実な浸透を図っています。
また、グローバルにスズキのOSを基本にした経営判断ができるよう、海外子会社の幹部層に対しても社是・行動理念を深める研修を実施しています。
上司や部下、同僚、部門間での対話を円滑にし、問題を報告・連絡・相談しやすい土壌をつくるため、2021年より、社長による職場対話を全31本部対象に、職場毎に実施しています。職場対話では、社長自らが従業員に直接思いを伝え、また、従業員は日々の困りごとや意見を述べ、対話を行っています。特に若手から中堅の従業員にとっては、自分の思いを自分の言葉で社長へ直接届けることができる機会となっています。また、職場対話の内容を社内ウェブサイトで公開して全従業員に共有することで、職場対話がより活発になるとともに、従業員のモチベーションアップ、全従業員のベクトル合わせにつなげています。
本研修の最大の意義は、不確実な時代において、役員・本部長が経営リテラシーを高め、自ら仮説を構築・議論し、変革を主導する基盤を築くことにあります。「前例踏襲」から脱却し、変化の本質を見抜く視座を獲得することは、自動車産業の変革期をリードし、非連続へ挑戦して成長するための不可欠な条件です。
研修は、自社の歴史習得や法務等の基礎に加え、AI、地政学、コーポレートファイナンスなど最新の重要課題を網羅し、対話型の改善サイクルを通じて進化を続けています。また、研修の一環として2024年4月より「推薦図書」の運用を開始しました。選定図書とその意図、および各人の読書状況を社内ウェブサイトで全社公開し、経営層自らが学び続ける姿勢を可視化することで、全社に「自律的な成長文化」を浸透させ、「チームスズキ」としての共創体質を強化します。
また、キャリア採用者導入研修も開始しました。社是・行動理念を体現する役員が講師として登壇し、スズキのOSを自らの言葉で言語化し、スズキらしさの実践行動を直接伝えることで、キャリア採用者がチームスズキの一員として早期に活躍するための土台づくりを支援します。
当社では、本研修を持続可能な企業価値の向上と非連続への挑戦を牽引する中核プログラムとして深化させていきます。
研修は、さまざまな部門に所属する受講者同士が集まり、多角的な視点で考え議論することで、新たな発想や価値観の醸成を図っています。
こうした多様な視点の獲得に加え、各従業員が適切な判断と行動をとることができるよう、社是および行動理念の理解を土台とした階層別研修を実施しています。
階層別研修では、各階層に求められる役割や視点の再認識に加え、職場課題を踏まえた対話や演習を通じて、日々の業務における実践につなげることを重視しています。
また、従来は一部の役職や年次に限定される側面があった階層別研修についても、受講タイミングの自由度の拡大や内容の見直しと、各職場の課題や意見を汲み上げた継続的な改善を通じて、従業員がそれぞれの役割に応じた学びを得られる仕組みの充実を図っています。
当社では、事業環境の変化に伴い業務の難易度や求められる判断の水準が高まる中、個の成長を継続的に引き出すことが重要であると考えています。このため、日常業務を通じた育成を重視し、従業員一人ひとりが自律的に学び、成長していく仕組みの運用に取り組んでいます。
具体的には、OJTに加え社内研修や外部セミナー等のOFF-JTを通じて専門知識・スキルの体系的な習得を推進するとともに、技術・生産部門ではスキルマップを活用して職務に必要な能力の可視化と計画的な育成を行っています。さらに、全従業員を対象としたオンデマンド学習環境の整備などにより、自立的な学習を支援しています。また、デジタル分野においては、 IT本部が中心となり 経営層および管理職に対するDXマネジメント教育の実施に加え、全従業員に対し、市民開発者の育成・支援やデータ分析・活用教育、生成AIの活用基盤の整備などの取り組みを進めています。現在、生成AIは約14,500名が活用し、市民開発者による1,000を超えるアプリ開発が行われるなど、全社的なデジタル活用力の強化が着実に進展しています。
こうした取り組みにより、業務の高度化に対応できる基礎力の底上げと主体的な成長の循環を生み出し、組織全体の実行力および成果創出力の向上につなげています。
当社では、急速に変化する事業環境の中で、従業員に対して、これまでの経験や価値観の枠を超えた越境環境での成長機会を提供しています。
具体的には、SkyDriveなどのスタートアップ企業への出向を通じて、スピード感のある事業環境の中で実践的な課題解決に取り組む機会を設けています。また、インドにおいては現地大学内に活動拠点を設置し、インド社会に根付く課題解決を目指した取り組みを行っています。加えて、農村やスタートアップ企業への訪問を通じてインドの現場に深く向き合い、モビリティ事業の枠を超えてインドとともに成長していくことを目指しています。さらに、シリコンバレー研修では、「お客様のために」という当社の社是を体現している現地スタートアップ企業の実践から学ぶことで、顧客起点の価値創出に対する考え方を深めています。こうした取り組みにより、従業員の視野や思考の枠を広げるとともに、主体的に挑戦する姿勢を醸成し、組織全体の変革力の向上につなげています。
2025年4月、浜松市内に設立された「やらかしまいか株式会社」に、スズキを含む地元企業各社が出資を行い、「人の成長」を主軸とした人財育成プロジェクトを推進しています。
本プロジェクトは、企業に所属する個人が肩書を外し、利他の心をもって地域での「他流試合」に臨むことで、異なる環境で自身の新たな才能や強みを発掘し、それを二本目・三本目の刀として磨き上げることで、本業で培った一本目の刀がさらに研ぎ澄まされるという相乗効果による大きな成長を狙うものです。
これを通じて、地域全体で才能を共有し合いながら成長するエコシステムを構築し、多くの人財が惹きつけられる「成長し続ける街・浜松」の実現を目指します。
2024年4月から人事制度を全面的に刷新しました。各職系・各階層における職能資格を見直し、職務遂行に必要な役割・能力・行動要件を明確化した「職能資格制度」を導入しました。各部門の職務で必要とされる知識・スキル・ノウハウ・経験を明確にし、同時に各職系に求められる職務内容を整理することで、上司と部下の相互の対話を通じて、上司と部下の双方が共通理解をもって職務に取り組むことで、効果的な職務能力向上に取り組みます。
これまで一括実施していた業績評価と能力評価を個別に評価し、短期の業績は賞与に、職務能力は昇給・昇格に反映するようにしました。これにより、各職系・各階層に求められる能力を正しく評価できるように変更し、さらなる『挑戦と行動』を促す環境の醸成を図ります。また、半期に1回の目標を掲げ、目標達成度により業績考課を決める従来の「目標チャレンジ制度」に加えて、「職能育成制度」を導入しました。各資格で定義した評価項目(能力基準)に基づき、1年間における能力発揮・向上について評価し、上司と部下の相互コミュニケーションで個の成長を促す人財育成サイクルを回しています。
各職能資格に応じて『挑戦と行動』を促し、個の能力発揮・向上を適切に賃金へ反映するように、賃金体系と賃金等級を見直しました。各職能に必要となる研修を実施し、勤務年数に応じて昇給するのではなく、求められている役割や能力に応じた昇給とすることで、さらなる個の成長を促します。
60歳を迎えた従業員の内、希望者には、年齢に関わらず「挑戦と行動」に取り組めるように、正社員と同様の業務で活躍し、60歳時点の給与を維持する制度に見直しました。また、全社における人財マッチングと再教育による個の職務能力に最適な配置を実現し、生き生きと働くことができる環境を整備しました。
当社の従業員に対する譲渡制限付株式報酬制度の導入に関するお知らせ当社では、経営戦略の実行に必要な人財を適所適材で配置し、組織全体の力を最大化することを目的として、タレントマネジメントに取り組んでいます。従業員一人ひとりの価値観、経験、専門性、能力、キャリア志向などの情報の見える化を図るとともに、各部門における配置や異動の検討に加え、将来を見据えた人財育成にも活用しています。
具体的には、幹部級・管督級の人財プールを設け、組織のマネジメントを担うポスト長への配置をフレキシブルに行うなど、全社最適の観点で人財配置を進めています。さらに、後任候補者リストを踏まえ、経営会議において社長をはじめとする経営幹部が議論をし、次世代リーダー(役員、本部長、部長)のサクセッションプラン策定に取り組んでいます。
こうした取り組みにより、個々の能力を最大限に引き出すとともに、将来の経営を担う人財の育成と、適所適材に人財配置を行うことで、環境変化に柔軟に対応できる組織の実行力強化につなげています。
現場の困りごとに対し、より近い立場で正確かつ迅速に対応するため、2023年に四輪技術部門と生産部門、2025年には日本営業部門に人財開発本部から独立した部門人事を設立し、職場環境の改善や人財育成を推進しています。
部門人事は、各部門に所属する従業員の声を拾い上げ、個々の困りごとや相談ごとに寄り添いながら解決を支援するとともに、部門で対応が難しい課題については人財開発本部と連携し、定着率向上につなげています。
人財の流動性や人手不足が加速している社会情勢において、スズキで働くことが魅力的であり、かつ個人の成長につながると感じてもらえるような会社づくりや職場環境整備に努めています。
こうした環境のもと、経営戦略の実行に必要な人財の確保と人財の流動性向上を図るため、多様なチャネルを活用したキャリア採用に取り組んでいます。新しい分野の知見や経験を有する人財を積極的に採用するとともに、アルムナイ採用やリファラル採用など、これまでの関係性を活かした採用にも取り組むことで、外部の新たな視点と当社への理解を併せ持つ人財の確保につなげています。
こうした取り組みにより、多様な経験や価値観を持つ人財を取り込み、組織の活性化と競争力の強化につなげています。
CASEを始めとする次世代技術開発に必要なデジタル人財の確保が喫緊の課題となっています。日本国内のデジタル人財が不足する中、当該分野の人財を多数輩出するインドに着目し、2018年よりインド工科大学ハイデラバード校からの直接採用に取り組んでいます(2026年3月時点 累計39名)。また、スズキが得意とするインド市場において、当社子会社のMaruti Suzuki India Ltd.との人財交流で日印一体となって競争力の向上に取り組んでいます。
当社では、従業員一人ひとりの健康を重要な経営資源と捉え、健康経営に取り組んでいます。「お客様の笑顔は社員の笑顔から生まれる」をキャッチフレーズとした「健康宣言」を掲げるとともに、社内への浸透に向けた取り組みを進めています。従業員の健康意識の向上を目的として、健康管理をテーマとした経営層と従業員の座談会を実施し社内発信するなどヘルスリテラシー向上に関する教育や情報発信を行うとともに、メンタルヘルス対策として、セルフケア・ラインケア教育の実施、従業員およびその家族も利用可能な相談サービスの提供など、社内外での相談体制の整備や各種サポートに取り組んでいます。また、運動習慣の定着に向けては、スズキアスリートクラブがアイデアを出しスズキオリジナル体操を考案し体操指導するなど、日常的な健康づくりにも取り組んでいます。
こうした継続的な取り組みにより、当社は2021年から毎年、健康経営優良法人の認定を受けており、2025年および2026年には「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。今後も、お客様の笑顔と従業員の笑顔を生み出し続けるため、健康経営活動への取り組みを継続していきます。
当社では、中央安全衛生委員会および各事業所の安全衛生委員会を主体として、リスクアセスメント活動や職場巡視、安全教育等に取り組み、「安全はすべてに優先する」「労災はすべて防ぐことができる」「安全はみんなの責任である」という安全基本理念の浸透を図っています。
こうした取り組みにより、災害の未然防止と安全意識の定着を図るとともに、従業員が安全に安心して働くことができる職場環境の整備につなげています。
当社では、従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)を定期的に実施し、エンゲージメントの向上と組織課題の把握に取り組んでいます。本調査は、仕事内容、職場環境、キャリア等の観点から従業員の意識を定量的に把握し、人事制度・施策の改善および組織活性化につなげるものです。
また、ものづくりを支える技術開発領域における組織の活力と熱量の向上による人的資本価値の向上を目的に、「未来R&Dプロジェクト」を推進しています。R&Dに携わる一人ひとりの考え方と行動の変革を起点に、組織の熱量を高め、新たな挑戦と価値が生まれ続ける組織文化の醸成を目指す取り組みです。若手から中堅の従業員が主体となり、経営層がその活動を見守り、後押しする形で、人と人との出会いや交流を広げ、多様な価値観や視点を取り入れながら、一人ひとりが主体的に行動する機会の創出を進めています。
こうした「調査→分析→改善→効果検証」のサイクルを継続的に実施しながら、個々の取り組みで組織の熱量を上げ、それを伝播させていくことで、従業員エンゲージメントの把握と向上および組織の持続的成長につなげていきます。
スズキでは、性別、年齢、国籍、人権、宗教、障がいの有無などのみならず、従業員一人ひとりの個性や意思を尊重し、多様な働き方を通じて、能力発揮・能力向上で最大限に活躍できる環境整備と風土醸成に取り組んでおり、中でも女性活躍推進はそのファーストステップと考えています。
これまで以上に女性が活躍できる会社となるよう、2020年からは、2025年の女性役職者数を2015年度比3倍にする計画を掲げ、管理職ならびにその候補者を含む女性役職者数の増加に取り組んだ結果、2024年度の女性役職者は2015年度比で4.2倍の223名まで増加し、計画を達成しました。一方で、女性管理職数は 2025年度時点で 34名(女性比率2.23%)となっています。将来的には女性管理職比率を女性従業員比率と同じにするため、まずは2030年までに女性管理職比率を5.0%とすることを目標とし、両立支援にとどまらず、キャリア形成支援に取り組んでいきます。
従業員が多様な働き方を選択できる制度をつくることで、意欲と能力を持った従業員が継続して働ける環境を整えています。育児や介護との両立を支援するため、短時間勤務制度や休暇・休職制度を整備することにより、多様なライフステージに応じた働き方を支援しています。その一環として男性の育児参画を推進しており、2025年度の男性の育児休職取得は73.2%となり、着実に風土醸成が進んでいます。また、育休取得者同士の交流会の開催や、小児科・産婦人科のオンライン相談サービスの提供など、従業員とその家族を含めたサポート体制の充実化による安心して働ける環境づくりにも継続して取り組んでいます。こうした取り組みが評価され、2024年には「プラチナくるみん」の認定を取得しました。今後も、職場全体でワークライフバランスへの意識を高め、「働きやすい職場」づくりを推進していきます。
当社では、グローバルに事業を展開する中で、23の多様な国・地域の人財が活躍しています。多様な人財がそれぞれの特性や価値観を活かしながら協働し、新たな価値創出につなげていくために、インドをはじめとする海外拠点との人財の相互交流、ならびにインド工科大学やインド経営大学院からの直接採用など、異なる文化や価値観を持つ人財が協働する機会を拡大し、それぞれの強みを活かした事業価値の創出に取り組んでいます。また、グローバル人財が安心して働けるよう、職場環境の整備に加え、生活環境の整備や支援に取り組んでおり、たとえば食事環境への配慮として、地元企業様との協業にて開発したインドベジタリアン料理を本社社員食堂にて提供するなど、自治体・地元企業様と連携して取り組みを行っています。
スズキでは就業規則において、性的指向・性自認に関する嫌がらせ・差別的言動を禁止するとともに、全従業員に配布している「コンプライアンス・ハンドブック」で性の多様性を取り上げる等、従業員が「性の多様性」を理解し、受容する風土の醸成に取り組んでいます。また、ユニフォームの男女統一化や「誰でもトイレ」の増設も実施しました。
人事部内に担当者を配置するとともに、職場にも障害者職業生活相談員を置き、障がいを抱える従業員の悩みや問題のケアを行うなど、長く安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。
2005年2月に設立した特例子会社「スズキ・サポート」では、2026年3月末現在で、障がいをお持ち(重度の障がいを含む)の従業員数が98名となり、指導員と一体となってスズキ本社内事務所、社員寮、関連施設の清掃業務、社内の文房具管理業務、および農園作業に携わっています。周囲の従業員との良好な関係が築かれており、組織の一員として活躍しています。スズキでは、今後も、障がいをお持ちの方々が、働くことの喜びや社会参加による人間的成長を感じることができるよう、取り組んでいきます。
当社では、従業員の生活の充実と働きやすい環境づくりを目的として、福利厚生の充実に取り組んでいます。福利厚生の一環として、従業員持株制度を導入しており、従業員が自社株を保有することで、会社業績の向上が株価を通じて自身の資産価値の増加につながる仕組みを整え、モチベーションの向上や経営参画意識の醸成につなげており、その一環として、より魅力的で加入しやすい制度とすべく、2023年4月より従業員持株会の奨励金付与率を従来の5.6%から100%(奨励金額上限10,000円)へ引き上げました。また、選択型福利厚生制度を導入し、従業員一人ひとりのニーズに応じた多様な支援を行っています。さらに、社員食堂の整備やキッチンカーの導入などにより、日常的な働きやすさの向上にも取り組んでいます。
こうした取り組みにより、従業員の満足度向上と働きやすい環境づくりを推進しています。
当社では、労使間の対話を重視した関係構築に取り組んでいます。従来の春季労使交渉の枠組みを見直し、2022年以降は「春の労使対話」へと転換し、対話を通じた相互理解の深化と課題解決を図っています。本対話は、会社から組合に対して将来に向けた取り組みを伝え、課題を共有するとともに、「個の成長(職務能力の向上等)」に向けた取り組みについて、労使でベクトルを合わせながら解決に向けて話し合う場としています。
また、組合員のみならず管理職も一体となって対話に臨むことが重要と考え、社長による管理職向けメッセージを発信するなど、経営層と現場が一体となった取り組みを進めています。2026年には、当該メッセージを含めた対話内容をリアルタイムで従業員へ配信するなど、全社的な共有と理解の促進にも取り組みました。
さらに、対話の結果を踏まえた施策の実行や職場単位での改善活動を継続的に行うことで、一過性にとどまらない取り組みへとつなげています。こうした取り組みにより、労使の信頼関係の強化と、組織全体の実行力向上および持続的な成長につなげています。
2016年の燃費・排出ガス試験問題および2018年の完成検査問題を風化させないための毎年の取り組みである「リメンバー5.18活動」を、社長をはじめ役員および従業員全員が参加する形で実施しており、コンプライアンス意識とコミュニケーションの向上により不正が起きない職場風土の醸成に努めています。2023年度からは、総点検として「業務と法令の関連」について全社で棚卸し活動を実施し、日々の業務に対して問題がないか振り返り、問題が小さなうちに解決する取り組みを開始しています。
また、従業員が日々の業務において遵守すべき行動基準を具体的にまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」を全従業員に配布しているほか、毎日1問コンプライアンスに関するクイズを配信するなど、日常の中でコンプライアンスを意識する風土づくりに取り組んでいます。
こうした取り組みにより、コンプライアンスの意識を組織全体に定着させ、適正な事業活動の推進と社会からの信頼確保につなげています。