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生物多様性

基本的な考え方

スズキグループは、「生物多様性」に及ぼす影響を低減し、将来にわたって持続可能な利用に貢献するため、「小・少・軽・短・美」をスローガンに、ムダのない効率的な事業活動を徹底し、環境技術を追求した小さなクルマづくりを推進します。

こうした活動理念に基づき、スズキグループは社会の一員として、さまざまなステークホルダーとの連携に努め、美しい自然環境と調和した社会の発展を目指します。

生物多様性への取り組み

スズキは、「スズキ地球環境憲章」の理念を実現するため、環境ブランドSUZUKI GREENを導入し、その中の環境方針として「スズキ生物多様性ガイドライン」を発表しました。

「スズキ生物多様性ガイドライン」は、人類の誕生以来、私たちの生活に多大な自然の恵み(生態系サービス)をもたらしている「生物多様性」に事業活動などが影響を及ぼす可能性を認識し、その影響の低減に取り組み、持続可能な利用に努める指針となるものです。

スズキは、事業活動や社会貢献活動において、すでに生物多様性への影響を低減する多くの取り組みを行い、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」にも賛同しています。

このガイドライン発表によって生物多様性に関する理解を社内に浸透させ、お取引先様や地域社会の人たちともコミュニケーションを図りながら、スズキグループは自然と共生する持続可能な社会の発展を目指します。

スズキ生物多様性ガイドライン

生物多様性の重点取り組み

事業活動および製品における環境負荷の低減

  • ①「製品開発」から「リサイクル」に至る事業段階において、省エネ・省資源・3Rを推進します
  • ②温室効果ガス低減のために、燃費向上と次世代車の研究開発を推進します
  • ③サプライチェーンを通して、環境負荷物質の使用削減に努めます

環境コミュニケーションの推進

  • ①地域社会と連携・協力して、環境美化・環境保全活動を推進します
  • ②全社員へ生物多様性に関する理解と行動の浸透に努めます
  • ③環境情報や自主保全活動を広く社会へ公表することに努めます

具体的な取り組み事項

事業活動および製品における環境負荷の低減 環境コミュニケーションの推進
  • 事業所ごとの省エネ実績を社内公表
  • リサイクル設計による資源の有効利用
  • 埋立廃棄物ゼロレベル継続、節水の徹底
  • 輸送効率の向上と梱包資材の削減
  • 使用済み製品のリサイクル率向上
  • 太陽光発電の推進
  • 地域や自治体の清掃活動への参加
  • 事業所周辺のクリーンアップ活動
  • 「スズキの森」植林ボランティア活動
  • 下川コース「FSC森林認証」の継続
  • 「法人の森林制度」への参加
  • スズキの「森林環境貢献度」の把握・公表
  • グローバルな平均燃費の向上
  • 小さな車に適した次世代車の開発推進
  • 軽量、低コストな空冷燃料電池の開発
  • フロン排出抑制法への対応
  • 各国排出ガス規制への対応
  • 社内ホームページ掲載による認識の向上
  • 新入社員研修や職場教育で地球温暖化や
    SUZUKI GREEN Policyを説明
  • 社内エコドライブ講習会の継続
  • 地域NPO環境教育イベントへの参加・協力
  • 各国環境負荷物質使用規制への対応
  • 塗装工程や車室内のVOC削減の技術開発
  • 高懸念物質の代替推進
  • 「スズキグリーン調達ガイドライン」に基づくサプライヤーとの連携
  • 事業所立地などにおける周辺環境への配慮
  • 「スズキサステナビリティデータブック」の公開
  • 生産と製品について各種環境情報の公表
  • 環境イベントへの参加・出展
  • 工場見学による環境に配慮した生産工程の紹介
  • 工場周辺住民との交流会、意見交換会
  • 「スズキ歴史館」に環境コーナー設置

周辺地域の環境生態系

2018年と2020年に、国内5事業所からの放流水が河川年間平均水量の5%以上を占める水域とその水域に生息する動植物の調査を実施しました。その結果、213種の動植物が生息し、そのうち、12種が絶滅危惧種であることを確認しました。

■排水の放流先および影響水域

対象地点 放流河川 影響水域※1 確認された絶滅危惧種など※2
本社 堀留川 なし 該当なし(影響水域がないため)
湖西工場 笠子川 笠子川
→浜名湖合流点
ヒクイナ(鳥)、ハイタカ(鳥)、コシアカツバメ(鳥)、カシラダカ(鳥)、ニホンアカガエル(両)、ニホンウナギ(魚)、ホトケドジョウ(魚)、ミナミメダカ(魚)、ハマグリ(貝)、ツツイトモ(植)・計10種
磐田工場 安久路川 安久路川
→今之浦川合流点
ハイタカ(鳥)、ニホンウナギ(魚)、ミナミメダカ(魚)・計3種
大須賀工場 西大谷川 西大谷川
→弁財天川合流点
ハヤブサ(鳥)、コシアカツバメ(鳥)・計2種
相良工場 蛭ヶ谷川 蛭ヶ谷川
→萩間川白井川合流点
ヒクイナ(鳥)、サシバ(鳥)、コシアカツバメ(鳥)、ニホンウナギ(魚)、ミナミメダカ(魚)・計5種
浜松工場 河川放流なし なし 対象外
  • ※1 スズキからの排水が河川の年間平均水量の5%以上を占める水域
  • ※2 国際自然保護連合レッドリスト、環境省・レッドリスト、県・市のレッドリスト・条例等で絶滅が危惧される種

ヒクイナ

コシアカツバメ

ニホンアカガエル

ニホンウナギ

ミナミメダカ

ツツイトモ

森林保全活動

スズキの森(浜松市)

林野庁天竜森林管理署と「ボランティアの森」協定を結び、2006年3月に浜松市浜名区引佐町の「スズキの森」で森林保全活動をスタートし、毎年従業員やその家族により、植樹・下草刈り作業、シイタケの菌打ち体験などの森林活動を行っています。

当活動は累計で33回(植樹17回、下草刈り16回)を行い、延べ約1,600人のボランティアが参加しています。

「スズキの森」植林活動

スズキ下川コースの森林(北海道)

スズキの下川コース(テストコース)は、森林が総面積の約90%を占める北海道北部の上川郡下川町にあります。下川町は2003年に北海道で初めて国際的なFSC®認証(下川町森林組合・下川町・上川北部森林管理署 FSC®C015134)を取得し、2011年には国から豊かな森林資源を活かした地域づくり「環境未来都市」のモデル自治体に選定されて「人が輝く森林未来都市」を目指しています。

スズキのテストコース敷地に含まれる約300haの森林も、FSC®認証制度の厳しい森林管理基準に適合していると認められ、2006年から下川町のFSC®グループ認証(FSC®C015134)に追加登録されました。同時にスズキは、イベントへの参加や農産物の販売を通じ、今後も自然を大切にする地域社会との共存共栄を推進していきます。

「法人の森林」制度への参加(北海道)

スズキは環境・社会貢献活動の一環として、国有林を活用した「法人の森林」制度の趣旨に賛同し、1996年から2028年まで国(林野庁)と分収林契約を結んで森づくりに協力しています。下川町内の国有林約4.3ha(樹木約3,000本)について、スズキは北海道森林管理局を通して地元森林組合に作業を委託して「分収育林」を行っています。水源のかん養・土砂流出防止・二酸化炭素の吸収貯蔵など、国土の保全に長期間にわたり貢献し、分収の際には純収益をさらに次代の森づくりなどに役立てることになっています。

※林野庁:「法人の森林」「分収育林」
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/kokumin_mori/katuyo/kokumin_sanka/hojin_mori/index.html

これらスズキの森林による2024年度環境貢献度は以下のように評価されました。

■スズキの森林による環境貢献度(2024年度)

測定項目 「スズキ下川コースの森林」
FSC®グループ認証
(FSC®C015134)
「法人の森林」
林野庁森林管理局
①水源かん養への貢献 155,609m3/年 1,494m3/年
②土砂流出防止への貢献 5,557m3/年 51m3/年
③二酸化炭素の吸収・固定への貢献 1,981CO2t/年 17.5CO2t/年

※林野庁で採用している事業評価方法により計算しています。
「スズキ下川コースの森林」「法人の森林」合わせて以下の数値となります。
① ペットボトル(2ℓ) 7,851万本分 ②10tダンプ(5.5㎥/台) 1,020台分 ③一人が年間に排 出するCO2(t/年) 5,295人分

フィリピンスズキフィリピン社

植樹活動:「地球を守ろう、木を植えよう」

CSR・ESGの取り組みの一環として2024年11月19日、ラグーナ州シニロアンにあるUP Laguna-Quezon Land Grantで毎年恒例の植樹活動を実施しました。社長をはじめとする役員が中心となり、28名のボランティアが参加して150本のフィリピン原産の木を植樹し、環境保全と持続可能性への取り組みを強化しました。この活動は、森林の再生と生物多様性の回復を支援するだけでなく、参加者の環境意識を向上させることも目指しています。UP Land Grant Management Officeなどの機関と協力しながら、環境にやさしく、クリーンでより持続可能な未来のために活動を続けていきます。

スズキクリーンオーシャンプロジェクト

スズキクリーンオーシャンプロジェクトの実施

スズキクリーンオーシャンプロジェクト シンボルマーク

「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」は、2011年より継続している1.「CLEAN-UP THE WORLD CAMPAIGN(水辺の清掃活動)」、2020年より始動した2.「船外機の製品及び補給部品梱包からのプラスチック削減活動」、および3.「船外機用マイクロプラスチック回収装置を用いた海洋マイクロプラスチック回収活動」からなるスズキの環境活動です。このプロジェクトは、SDGsが示す社会課題の解決に向けたスズキの具体的な取り組みであり、スズキマリンがブランドスローガンに掲げる「THE ULTIMATE OUTBOARD MOTOR(究極の船外機)」を環境面においても追求していく姿勢を表しています。スズキはこれら3つの活動のもと、船外機ユーザーをはじめ、販売店、ボートビルダー、お取引先様、スズキグループ関係会社、従業員やその家族を含め、世界中のパートナーと力を合わせて世界中の海をクリーンアップしていきます。

なお、我々の活動は、環境省が進める「プラスチック・スマート」の趣旨とも合致することから、2018年よりこの活動に登録し、スズキの取り組み内容は環境省ホームページにも掲載されています。

CLEAN-UP THE WORLD CAMPAIGN(水辺の清掃活動)

2010年に国内で活動を始め、翌2011年からは「CLEAN-UP THE WORLD CAMPAIGN」として、スズキグループの世界的な活動として実施してきた水辺の清掃活動は、今年で16年目を迎えました。例年、多くの海外マリン代理店に参加いただいており、2024年度は全世界で77回、合計5,682名に参加いただき、水辺の清掃による地域貢献活動に取り組みました。

また活動以来の累計参加者数は、2024年度で累計2.3万人を数えており、年々活動を拡大しています。

船外機用マイクロプラスチック回収装置を用いた海洋マイクロプラスチック回収活動

従来の水辺の清掃活動に加えて海洋に漂うマイクロプラスチックの回収活動を開始しました。この回収活動はスズキが開発した「船外機用マイクロプラスチック回収装置」を使用して水面付近のマイクロプラスチックを回収するものです。この装置は2022年7月生産より一部の船外機に標準装備され、世界中で販売されています。

清掃活動

スズキマナーアップ活動

従業員のマナーアップおよび環境美化意識向上を目的として2004年9月に「浜松市道路・河川里親制度」に登録し、「スズキマナーアップ活動」と題し清掃ボランティア活動を行っています。毎月社内ボランティアにより、本社周辺の道路および高塚地下道の清掃を行っており、2025年3月までに243回、延べ17,700人以上が参加し、軽トラック103台分の可燃・不燃ごみを回収しました。2023年、この活動が国から認められ、令和5年度における道路愛護団体等の国土交通大臣表彰を受けました。

※ 里親を希望する団体が自らの区域および活動内容を定め、市長に申し出て道路内の清掃などを行う制度。

スズキマナーアップ活動

日本国内販売代理店

販売代理店は、地域の美化と環境保全を目的に清掃活動や環境イベントなどに参加しています。これらの活動を通じて、社員の一体感と地域の皆様とのコミュニケーションの活性化を図り持続可能な社会の実現に協力していきます。

株式会社スズキ自販大分
田ノ浦ビーチ清掃活動