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化学物質

製品使用に対する取り組み

設計・開発における取り組み

グリーン調達の推進

「スズキグリーン調達ガイドライン」を制定して、環境保全活動に意欲的なお取引先様から環境負荷の少ない部品などを調達することを方針としています。
「スズキグリーン調達ガイドライン」の趣旨に賛同いただき、「スズキグリーン調達推進同意書」をご提出いただいています。2013年10月には本ガイドラインを一部改訂し、お取引先様の環境負荷物質管理体制の構築の項目を明記するとともに、管理体制の自主チェックシートを作成し追記しました。(以後は新規、および既存のお取引先様へチェックシート提出を依頼しています。また量産部品ではお取引先様の91%以上が外部認証(ISO14001等)を取得しています)。その他、「欧州ELV指令」や「欧州化学物質管理法規(REACH)」等の従来規制はもちろん、今後制定のさまざまな環境関連法規についても、お取引先様とともに遵守に努めていきます。
また、お取引先様の事業活動において、①CO2排出量の低減、②VOC排出量の低減、③廃棄物発生量の低減、④水使用量の低減、および⑤省エネルギーの推進といった環境負荷低減の取り組みをお願いしています。
なお、「スズキグリーン調達ガイドライン」は2025年度に改訂を行い、グリーン調達の取り組みの一層の充実を図っていきます。

※ グリーン調達ガイドライン:https://www.suzuki.co.jp/about/csr/green/guideline/index.html

環境負荷物質の管理

昨今、グローバルで環境負荷物質に関する新たな規制が次々に増えていっており、世界中のお客様に製品を提供させていただいているスズキでは、その目まぐるしい規制の変化に迅速に対応しなければなりません。そこで、スズキは自動車業界向けの材料データ収集システムであるIMDS(International Material Data System)を2003年より導入し、さらにそれを利用した独自の社内環境負荷物質管理システム(システム名:SIDIS=Suzuki IMDS Data Inhouse System)も構築して、各部品に使用される材料や化学物質の情報を効率良く収集しています。この情報を使って、欧州の車両型式認証要件であるリサイクル可能率などの算出や、各種の規制対象物質の管理をグリーン調達の一環として実施しています。2024年度には、新たに四輪車、二輪車、船外機合わせて35機種について、環境負荷物質規制に適合することを確認した上で、お客様にそれらの製品を提供することができました。今後、欧州ELV規則などの新たな規制において、リサイクル材料の使用割合などの新たな集計が必要になるため、現在、集計方法やSIDISの仕様を検討しながら対応を進めています。スズキでは確実にそれらの規制を遵守していくとともに、お客様への環境負荷の低い製品の提供に努めていきます。

■社内環境負荷物質管理システム

※Automobile Shredder Residue(自動車破砕残渣)

海外拠点における環境負荷物質管理体制構築の推進

グリーン調達ガイドライン運用監査

海外主要生産拠点においては環境負荷物質管理の柱となる「グリーン調達ガイドライン」を2011年以降順次制定・運用を開始し、運用確認を目的とした監査を実施しています。

アスベスト管理規程運用監査

アスベストはスズキの技術規格において全面使用禁止としていますが、特にスズキの海外生産工場に納品される部品などに対する使用禁止の徹底強化を目的として「アスベスト管理規程」を各拠点で新設しました。当規程ではスズキの海外生産工場におけるお取引先様へのアスベスト全面使用禁止の周知、社内関係者に対する定期的な教育の実施などを義務付けており、スズキによる運用確認監査を行っています。

<2024年度実績>

出張監査(7拠点)

  • 台鈴工業股份有限公司(台湾)
  • ベトナムスズキ社(ベトナム)
  • 常州豪爵鈴木摩托車有限公司(中国)
  • 済南軽騎鈴木摩托車有限公司(中国)
  • スズキフィリピン社(フィリピン)
  • スズキ・マニュファクチャリング・オブ・アメリカ社(アメリカ)
  • スズキモーター USA社(アメリカ)

お取引先様における環境負荷物質管理体制構築の推進

自動車業界における環境負荷物質情報は、お取引先様の協力によりIMDSデータとして収集していますが、過去にIMDSデータに不備があったことから、お取引先様に正確なIMDSデータ入力依頼を含めた環境負荷物質規制動向のWeb説明会の開催やグリーン調達ガイドライン遵守に関する監査および指導を行い、サプライチェーン全体での環境負荷物質管理体制の構築を推進しています。

<2024年度実績>

監査および指導:15社

化学物質規制への対応

POPs条約で廃絶物質に指定されたPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の製品への非含有切り替えについて、当社お取引先様と協力して取り組みを進め、全製品非含有を2024年2月までに確認しました。現在、POPs条約で廃絶物質に指定されたDP(デクロランプラス)、UV-328、MCCP(中鎖塩素化パラフィン)、LC-PFCA(長鎖ペルフルオロカルボン酸)の非含有切り替えの対応を進めています。なお、規制物質の非含有確認のための取り組みとして、規制物質の切り替えを確実に実施することを目的に、規制対応手順を2023年4月に社内規程化し、非含有切り替え部品の抜取分析確認の実施など、量産後管理の強化を進めています。
また、廃棄物枠組み指令(EU)により、製品含有化学物質データの登録(SCIP)が開始されており、スズキはIMDSデータを活用し、EU域内販売製品について順次データ登録を行っています。

※SCIP(Substances of Concern In articles as such or in complex objects(Products))
循環型経済(サーキュラーエコノミー)への移行を目的にリサイクル材に含まれる化学物質情報を利用しやすくするための仕組み。有害物質を含有しているリサイクル材はそのまま活用せずに有害物質を除去するなどリサイクル材の安全利用向上を図ることができる。

<2024年度実績>
  • PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)の非含有確認を完了
  • DP(デクロランプラス)、UV-328、MCCP(中鎖塩素化パラフィン)、LC-PFCA(長鎖ペルフルオロカルボン酸)の非含有切り替えの推進
  • 重金属4物質を含む重点管理物質に対する抜取分析の実施

事業活動における取り組み

生産における取り組み

化学物質低減における取り組み

新規購入物質

国内事業所では、塗料、油脂、洗浄剤などの原材料を新規に使用する場合には、その含有化学物質の有害性、使用量、使用方法および保管方法などについて、環境管理部門が審議し、使用可否を判定します。この際に得られた物質のデータはPRTR(環境汚染物質排出移動登録)のデータとして管理し、その後の使用量削減に向けての取り組み対象とします。また、原材料のSDSは、最新情報を維持するよう管理しています。

※ SDS(安全データシート:Safety Data Sheet):化学物質の名称、物理化学的性質、危険有害性(ハザード)、取り扱い上の注意などについての情報を記載したシート。

PRTR(環境汚染物質排出移動登録)対象物質

環境負荷低減のため、PRTR対象物質の排出量削減に取り組んでいます。2024年度の排出・移動量は、1,384tとなりました。

■PRTR対象物質の取扱量と排出・移動量

PRTR 対象物質の取扱量と排出・移動量

【集計対象範囲】
本社、磐田工場、湖西工場、大須賀工場、相良工場(相良コース含む)、浜松工場、二輪技術センター(竜洋コース)、マリン技術センター、下川コース(2020年度から)

PCB(Polychlorinated Biphenyl:ポリ塩化ビフェニル)の処分計画

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法で、古いコンデンサー等に含まれるPCB廃棄物を2027年3月31日までに適切に処分することが定められています。スズキではこれらのPCB廃棄物を処分完了するよう進めています。スズキ国内工場では2025年3月末時点で、累計2,849台のPCB廃棄物を処分しました。

土壌・地下水の汚染防止における取り組み

地歴調査をもとに、土壌汚染のリスクがある土地の形質変更を行う際には、土壌調査を実施し、土壌汚染が見つかった場合、適切に浄化・除去する取り組みを行っています。
2024年度は、国内事業所で15件の土壌調査を実施し、4件で土壌汚染が確認されました。土壌汚染が確認された土地については、土壌汚染対策法に則り、適切に管理または浄化を行っています。